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銀鉄SS 「アルビレオ」 (バルジ×ブルース) 

アルビレオと言う名の星がある。

白鳥座の、鳥の口ばしの辺りにある星。二重星であり、金色の星のそばに青い星が寄り添っている。
…こんな風に、俺たちはいつも、二人で一つだった。

「…ブルース、しっかりしろ! ブルース!」
バルジ隊長の声で、俺は半分だけ意識を取り戻した。体に力が入らない。隊長に肩を貸してもらって、やっと歩いている。そんな状態だった。
「一体、何が…っ!」
足に走った激痛が、俺を正気に戻した。見ると、右足を撃たれたらしく、服に血が滲んでいた。傷口に巻いてある白い布は、包帯ではない…。
「…ああ、一応の応急処置だ。これからビッグワンへ戻る。ユキに手当てをしてもらえ。」
俺は、その時初めて、隊長の顔を見た。首に巻かれているはずのスカーフがない。もしや、これが…!
「…隊長、もしかして、このスカーフを巻いてくださったのは…っ!」
痛みを堪えて言うと、バルジ隊長は俺の腰に回した腕に力を込めた。
「あまり喋るんじゃない。傷に障る。」
元より、それ以上の気力は無かった。そのまま歩き続け、隊長はビッグワンの車輌近くの岩に、俺の体をもたせ掛けてくれた。
「ユキを呼んで来るから、ここで待っていろ。」
「隊長…、せめて、今の状況を教えてください…。」
感覚が麻痺してきたのか、痛みが無くなって来た。荒い息の合間に聞いてみると、隊長は油断無く辺りを見回しながら、口を開いた。
「…今は、ベガ小隊が応援に来てくれている。そのせいか、膠着状態だ。あちらさんも、こちらの出方を伺っている、というところだな。」
だから、バルジ隊長が俺をここまで連れてくる事が出来たのか…。
「さて、ここで座って待っていろ。すぐにユキを呼ぶからな。」
「隊長、こんな傷、もう平気です。現場に戻ります。」
立ち上がろうとする俺を、隊長が慌てて押しとどめた。
「駄目だ!」
一喝に、つい身を竦ませる。次の瞬間、優しい手が頬にそっと触れてきた。顔を上げると、
バルジ隊長は真剣な表情をしていた。
「私は、お前を失いたくないんだ。だから一刻も早く、治療を受けてくれ…。」
唇が触れる。緊張しているのか、いつもより温度が低い。この状況でそんな事を思うのは、やはり混乱しているからに違いない。
「…戦闘中にする事ではないな。」
唇を離しただけの至近距離で、隊長が笑う。つられて俺も笑顔を浮かべる。
インカムを通信状態にし、隊長がユキに連絡を入れた。すぐにユキが出てきてくれる。
俺の体をユキに任せ、現場に戻ろうとする隊長の背中に、俺は声を掛けた。
「バルジ隊長…、必ず、戻ってきてください…!」
「…ああ、必ず戻る。」
そう答え、隊長は駆け戻っていった。俺は治療用の麻酔と、心を満たす隊長への思いに、ゆっくりと目を閉じた。

次に気がついたとき、俺の目の前には、心配そうにこちらを覗き込むユキとバルジ隊長の顔があった。
「ブルース、大丈夫か…?」
「隊長…。」
毛布の中から手を差し出すと、隊長はそれをぎゅっと握ってくれた。
「犯人グループは全員逮捕した。今は、ディスティニーに戻っているところだ。」
「そうですか…。」
俺は安堵した。事件が解決したことと、バルジ隊長の身に何も起こらなかったことに。
「ずっと側に付いててくださったんですよ。」
ユキの言葉に、珍しく隊長が赤くなった。握られている手が温かくて、心地いい。
「治療は無事済みました。しばらくは痛むでしょうが、我慢なさって下さいね。」
そう言うと、ユキは部屋から出て行ったらしい。二人きりになった部屋の中で、バルジ隊長が大きく息を吐き出した。
「ブルース、お前が無事で本当に良かった…。」
隊長の腕が震えている。その腕にもう片方の手を添える。すると、自然に俺たちの視線が絡み合う。
「お前を失ったら、私は…!」
「…俺も同じですよ、バルジ隊長。どちらかが欠けてもいけないのです。」
互いが互いを支え合うから、二人で一つ、なんですよ。
「まだディスティニーに着くまで、だいぶ時間がある。もう少し寝てるといい。私は、ここにいるから。」
やっとバルジ隊長が笑ってくれた。その笑顔に頷いて、俺はもう一度目を閉じた。

そう、お互いがお互いの心の支え。いつも側にいなくてはならない。
だから、これからも、あなたの隣に居させて下さい…。
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