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タートルズSS 「My name is...」 (ラファエロ×レオナルド、おっさん) 

(おっさん、ゆえに舞台は鬱未来なので、ご注意くださいませ。)






頭が痛い。
敵から受けた傷が、ひどい頭痛を引き起こしていた。
「うっ…!」
時おり、割れそうになるくらい痛む頭。目すら開けられず、俺はただ、部屋の隅で呻いていた。

そして、ようやく痛みが引いたときには。

俺は、目から光を失っていた。


「……っ!」
視力を失った衝撃からか、俺は高熱を発していた。何とか身を横たえたはいいが、熱からくる疲労で、体が重い。
それに、口で息をしているせいで、喉も渇ききっている。無意識のうちに、俺は掠れた声で呟いていた。
「…だ、誰か…、水を…。」
答える者など誰も居ない。子供のころとは違い、今、俺は一人きりだ。それでも呼ばずにはいられなかったのは、頭の中を、まだ十五歳だった時の記憶がよぎっているからだろうか。
あの頃は、家族が全員揃っていた。懐かしい…、だが、もはや遙か遠いものとなってしまった、自分の記憶。
(スプリンター先生…、ドナテロ…、ミケランジェロ…、そして、ラファエロ…。)
胸のうちで名前を呼ぶたび、彼らの顔が鮮明に思い浮かぶ。それを追い求めるように手を空中に伸ばすも、途中で力が抜け、体の横に戻ってきてしまう。
「はぁっ…。」
例え、これが高熱からくる幻覚だとしても、もう一度だけ…。
と。いきなり、俺の頬に何かが触れた。
「なっ…!?」
何だこれは…。誰かの、手…?
俺が戸惑っているうちに、その手の持ち主は、無言のまま俺の唇を塞ぐ。
「んうっ……!」
入り込んできた舌に歯列を割られ、何か液体を流し込まれる。これは、水…?
乾きに、思わず飲み下すと、それは紛れもなく水であった。誰かが俺に、口移しで水を飲ませてくれているようだ…。
少しの間を置いて、再び口を塞がれる。貰った水を飲み込むと、乾ききっていた喉が潤う。解放されると同時に、俺は荒い息をつきながら、目の前にいるであろう人物に、問いを発した。
「…お前は、いったい誰だ?」
答えが返ってくるまで、少しの沈黙があった。答えにくいのか…?
「…俺だ。」
「俺だ、では分からない。ちゃんと名前を言ってくれ。」
「……ラファエロ、だ。レオナルド。」
「!」
その名前を聞いた瞬間、俺は息を呑んだ。つい先ほどまで、俺が思い浮かべていた張本人。もう、何年も顔を合わせていないはずなのに、何で今になって…!?
「欲しかったんだろう? 水。」
「…あ、あぁ、ありがとう…。」
思わず考えに沈んでいた俺は、ラファエロの声ではっと我に返る。俺らしくないな、いくら驚いたからって…。
「…見えねぇんだな、目が。」
「…あぁ、すまない。奴らに受けた傷のせいだ…。」
力なく答えると、額に手が乗せられる。紛れもなく、武骨で大きい、ラファエロの手のひら。
「熱もあるみてぇだな…。ちっと待ってろ。」
そう言って、彼は離れていく。見えないので、気配を感じることしか出来ないが。
(子供の頃は、意図的に視界を遮る訓練もしてたが…。ここで役に立つだろうか。)
考えに浸っているうちに、ラファエロが戻ってくる。彼は俺の額に、水で濡らした布を置いてくれた。冷たさが心地いい。
「眠れるようなら寝ろ。俺はここにいてやる。」
「…あぁ。ありがとう、ラファエロ…。」
水を飲ませてもらい、熱くなった額も冷やしてもらって、先ほどよりも落ち着いた俺の体は、明らかに睡眠を欲していた。
毛布の外に出した俺の右手を、ラファエロが握ってくれている。それもまた、俺を安心させてくれた。


翌日。熱も下がり、痛みも引き、俺は気力を取り戻した。
光は失ったままだが、視界が遮られている分だけ、他の感覚が鋭敏になっている。問題なく動けそうだ。
「…ラファエロ?」
ふと、昨夜自分の側にいてくれた彼を呼んでみる。しかし、返事はない。もう行ってしまったのだろうか…。
少しだけ、それを寂しく思った。だけど。
「……。」
手の中に残る、彼の手の温かさ。それを逃がすまいと、俺は手のひらをぎゅっと握りこんだ。


大丈夫だ。

この温かさを忘れない限り、俺はまだ、戦える。






おっさん。
初書きだよおっさん。

先日、ついったの方で、「『愛が/呼ぶ/ほうへ』で、おっさんラフレオが書きたい」と呟いたところ、亀様から反応をいただきまして。

うおおこれは書くしか!(^ω^三^ω^)

で、書き上げました。

鬱未来、「Same As It Never Was」において、レオは盲目になっているんですが、その時のことを想像して書いてみました。

「口移し」って萌えるな、って思ったらもう止まりませんわ。

元になった曲とはかけ離れた感じになりましたが、一応まとまったので満足です。


では、今回はこの辺で。
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