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銀鉄SS 「Silence」 (ローレンス×バルジ) 

静かなノックの音が、部屋に響いた。
「…はい。」
その部屋の主、ローレンスが、扉の外に返事を返す。こんな時間に、誰だ…?
「ローレンス、俺だ。」
聞こえてきた声に、ローレンスは警戒の気を緩めた。よく知った相手の声だったからだ。
「バルジか…。」
「ああ。開けてくれ。」
内心ほっとしながらも、訝しげな顔で、ローレンスは部屋の扉を開ける。自分に、一体何の用事があるのだろう。
扉を開けたローレンスは、目の前にいたバルジの笑顔と、顔の横まで高く上げられたビニールの袋に、ふと目を奪われた。
「…一杯、やらんか?」
そう言って、バルジは手に持った袋を指差す。中には、恐らく街で買ってきたものと思われる、ウィスキーの瓶が入っていた。
「…付き合おう。」
元より、酒は嫌いではない。ローレンスは小さく頷いて、バルジを部屋へと招き入れた。
勝手知ったる、とばかりに、バルジは二人分のグラスを棚から取り出す。その間に、ローレンスは冷蔵庫から製氷皿を出し、
グラスの中に氷を満たす。
程なくして、琥珀色の液体が、二つのグラスに注がれる。二人はそれぞれ椅子に座り、無言のままにグラスを傾けた。
心地よい雰囲気が、部屋に流れる。特に言葉を交わすこともない二人だが、沈んでいる、という感じでもない。
互いのことをよく分かり合っている二人だからこそ、無言の時間も苦ではないのだ。
「ローレンス…。」
小さなバルジの呟きに、ローレンスは伏せていた目を上げ、そちらに視線をやる。
「…何だ。」
ローレンスの返事に、バルジはしばらく空中に視線を彷徨わせ、やがて困ったような笑みを浮かべた。
「…すまん。言いたいことを忘れてしまった…。」
「…そうか。」
短く答えると、再び沈黙が落ちる。一杯目を飲み干し、二杯目をグラスに注ごうとして…、ローレンスは突然手を止め、立ち上がった。
「…どうした?」
いきなりの彼の行動に、バルジは驚いたような顔をする。ローレンスはその場に立ったまま、ゆっくりと口を開いた。
「…バルジ、私はどうやら、酔ってしまったようだ。」
「えっ…、一杯しか、飲んでいないのに、か?」
「ああ。だから…。」
そこで言葉を切り、ローレンスはバルジの前まで来て、彼の頬に手を伸ばす。
「なっ…!?」
「こんな事をするのも、恐らく酔っているせいだ。」
囁くように言うと、ローレンスは半ば強引にバルジの唇を塞いでしまう。
「ん、くっ…!」
突然の口付けに、バルジは体をわななかせていたが、…やがて、手の中のグラスをテーブルに置き、自らローレンスの体を自分のほうに引き寄せた。
グラスの中、溶け残った氷が、からん、と小さな音を立てた。
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