07« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»09

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

銀鉄SS 「Fighting Spirit」 (バルジ×渉) 

あなたを守ってあげられるぐらいに、強くなりたい。


私は、非番の日の日課として、いつも訓練室でトレーニングをすることにしている。
今日もそうだった。コスモガンのエネルギー残量をチェックしつつ歩いていると、私は自分が向かおうとしていた訓練室の前に、有紀隊長が立っているのを見つけた。
「お早う、バルジ。」
先に声を掛けてもらったことに恐縮しながらも、私は有紀隊長に挨拶を返した。
「…お早うございます、有紀隊長。…あの、どうなさったんですか? 今日は非番のはずでは…。」
きょとんとした顔の私に、有紀隊長は笑顔を向けてくれ、
「たまには、バルジと一緒にトレーニングをするのも、悪くないと思ってな。」
「えっ…?」
一緒にトレーニングをする、ということは、必然的に訓練室内に二人きり、ということになる。私は思わず顔を赤くした。
「…どうした?」
急に黙ったからか、有紀隊長が心配そうな顔で覗き込んでくる。それに気づいて、私は軽く首を振った。
「いえ、大丈夫です。」
本当は、大丈夫ではない。有紀隊長と二人きりになれる、という事実に、心臓がすごい速さで脈打っている。
顔に出ないように、我慢しなくては…。
「…そうか、では、始めよう。」
そう言って、有紀隊長が先に訓練室に入る。少し緊張しながら、私は彼の後を追った。

「まずは、体を慣らすためにも、レベル1から始めよう。」
「了解。」
有紀隊長の声に、私はコスモガンを抜いて構える。途端に、周りの風景が一変した。
この訓練室は、列車内、駅の構内、山岳地帯など、ありとあらゆる風景の中、本当にその現場にいるような臨場感で訓練が出来る。
「…レベル1とはいえ、油断は禁物だぞ。」
「解っております。」
短く答えると、私と有紀隊長のコスモガンは、ほとんど同時に、現れたターゲットを打ち抜いていた。
そのままレベル2、3、4と難なくこなし、次は最高レベルの5、というところまで来た。
コスモガンの簡易メンテナンスをしている時に、私はふと有紀隊長に話しかけてみた。
「そういえば隊長、よく私がここに来るって分かりましたね。」
私の言葉に隊長は、
「…部下のことは、よく見ているつもりだ。ことに…、お前に関しては余計にな、バルジ。」
意味深な言葉。私はそれに含まれた意味が読み取れなくて、逆に聞いてしまう。
「ど、どういう事でしょうか?」
本気で分からない、というような表情の私に、有紀隊長はとうとう苦笑を浮かべた。
「まったく…。」
呟きながら、有紀隊長は私の胸に額を押し付ける。同時に背中に手を回され、私はまた顔を赤らめてしまう。
「…言わせるつもりか?」
「あ、いえ、あの…。」
言葉よりも、この温もりが雄弁に語ってくれる。有紀隊長が、私に注いでくれる想いを。
「……。」
だから私も、抱きしめることで、その想いを伝えよう。
彼の長めの髪を撫でると、爽やかな石鹸の匂いが立ち上る。心臓が跳ね上がる音がした。
「…おっと、トレーニング中だったな。」
名残惜しそうに体を離し、有紀隊長は笑う。その笑顔に、再び私の心臓は跳ね上がるのだ。
「レベル5、始めるぞ。」
彼に見とれていた私は、その声ではっと我に返った。
「…了解!」
すぐに、景色が切り替わる。今度は街中のようだ。全ての方向に注意を向け、思わぬ方向から飛んできた銃弾をかわし、ターゲットを打ち抜く。
あらかた終わった後、有紀隊長がさすがに一息ついた。その時、
「っ!?」
ターゲットの一体が、有紀隊長を後ろから狙っている。しかも、彼はそれに気づいていない!
「有紀隊長っ!」
私は思わず叫んで、彼の体を床に押し倒した。それまで私たちの頭のあった場所を、銃弾が行過ぎる。
彼を地に伏せさせたあと、私は寝転がった姿勢のまま、そのターゲットを打ち抜いた。
途端に、景色がもとの訓練室のものに戻る。どうやら、あの一体が最後だったらしい。
「…有紀隊長、大丈夫ですか?」
図らずも、自分の下に組み敷いてしまった彼に、私は恐る恐る声を掛ける。もしや、怒ってやしないだろうか…?
顔を上げた彼は、少し憮然とした表情をしていた。
「隊長…?」
「…馬鹿もん。お前に庇われるなど、十年早い。」
「そんなっ…!?」
本気で驚く私に、有紀隊長は顔を綻ばせ、
「…冗談だ。ありがとう。」
私の後頭部に手を回し、そのまま引き寄せた。
「え、隊、長…?」
有無を言わさぬ、彼からのキス。溜まらず、私は自分の体の下で微笑む愛しい人を、思い切り抱きしめた。


何故、非番の日も、こうやって欠かさずにトレーニングをするのか。

それは、こんな風に、何かあった時に、あなたを守れるぐらいに、強くなりたいから。

スポンサーサイト

カテゴリ: 銀鉄SS

tb: 0   cm: 0

« タートルズSS 「Shower room 2」 (ラファエロ×レオナルド)  |  タートルズSS 「Chaser」 (ラファエロ×レオナルド) »

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://deepaquaforest.blog106.fc2.com/tb.php/49-853a3b06
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。