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タートルズSS 「Summer Mirage Ⅰ」 (ダークレオ×レオナルド) 

「みんな、着いたよ!」
コーディの声に、眠っていたレオナルドたちは目を覚ます。
「うにゅ~、ここはドコ~…?」
眠そうに目を擦っていたミケランジェロが、目の前に広がる光景を見て、思わず息を呑んだ。
「…海だぁ!」
そう。今朝早く、コーディが彼らを起こして、半ば無理やり連れてきた場所。それは、以前からミケランジェロが行きたがっていた、海水浴場だった。
「みんなのために水上コテージを借りたから、ここにいる間中たくさん遊べるよ!」
「いやっほー! オイラずーっと、海に来たかったんだよー!」
やっぱり、一番喜んでいるのはミケランジェロだ。
「先生、いいですよね!?」
浮かれたミケランジェロに聞かれて、スプリンター先生は、
「…ま、たまにはいいじゃろう。だが息子たちよ、スイカ割りは、わしが仕切るぞ。良いな?」
「…先生、ほんとはスイカ割りやりたいだけでしょ?」
「何か言ったかミケランジェロ?」
「いーえっ!」
そんな事を話している内に、皆を乗せたホバーシェルは、その水上コテージの利用者用の駐車場に停まった。
「やったー!」
いち早く海岸に向かって走り出そうとするミケランジェロの首根っこを、ラファエロがすかさず捕まえる。
「おいミケランジェロ、荷物下ろすの手伝えよ。」
「えぇ~…。」
ぶちぶち言いながらも、ミケランジェロはコーディを手伝う。それにしても、かなり大量の荷物である。
「ですがコーディ様、本当に休暇を取って良かったのですか?」
荷物を運びながら、同じように連れてこられたサーリンが、心配そうに呟く。コーディは彼に笑ってみせ、
「…君のためでもあるんだよ、サーリン。」
「…私の?」
「うん。日頃、何かと世話になってるし、迷惑も心配もかけてるから、たまには、サーリンにもゆっくりしてもらいたい、と思って、みんなでここに来たんだ。」
「コーディ様…!」
彼がロボットでなければ、ここは泣いていたところだろう。事実、今サーリンは感極まった様子で、コーディに向けて頭を下げていた。
「…ありがとうございます、コーディ様。ですが…。」
サーリンが言葉を止めると同時に、ミケランジェロが段差につまずいて転び、大騒ぎしていた。
「…彼らがいる限り、ゆっくりなど出来ないような気がします。」
「まあまあ…。」
がっくりと肩を落とすサーリンを、コーディがなだめる。
ともあれ、荷物を自分たちのコテージに運び込み、彼らは海岸へと降りてみた。気持ち良い海風に吹かれるレオナルドに、コーディが笑いかける。
「楽しい休日になりそうだね、レオナルド!」
「…あぁ、そうだな。」
ニューヨークとはまた違った太陽の眩しさに、レオナルドは額に手をかざした。

砂浜の上に、サーリンが大きなビニールシートを広げる。
その周りに骨組みとなるワイヤーを差し込み、上に日差しを遮る大きな屋根のような布を張る。簡易テントのようなものだ。
「疲れたら、ここで休むといいよ。飲む物もあるからね。」
クーラーボックスをシートに置きながら、早くも水着に着替えたコーディが皆に呼びかける。ミケランジェロは入念に準備体操し、もう泳ぐ気満々だ。
「さぁて、泳ぐぞー!」
改めて海に向かって駆け出すミケランジェロを、コーディが慌てて引き留めた。
「ちょっと待って!」
二度も海に入るのを止められ、ミケランジェロはがっかりしたようにため息をつく。
「もー、今度は何なのさー!」
「そのままじゃダメだよ。これを着て。」
そう言ってコーディは、全身を覆うようなスーツを彼らに渡す。
「何コレ?」
「ダイビング用のウェットスーツなんだけど、水着の替わりにそれを着てほしいんだ。そのままだと…、みんなに付けてる端末が壊れちゃうし。」
そこまで聞いて、ドナテロが納得したように頷く。
「なるほど、僕たちは亀だから大丈夫だけど、これは濡らしたらまずいよね。さすがコーディ!」
「そう。これで、何の心配もなく泳げるよ。」
「待ってましたー!」
ミケランジェロは早速ウェットスーツを着込み、ばしゃばしゃと海に入っていく。
「待てよミケランジェロ!」
それを追ってラファエロとレオナルド、コーディも海に入る。一人残ったドナテロは、サーリンが膨らませた浮き輪を一つ借りて、海に向かった。
「はぁ~…。」
浮き輪に揺られながら、ドナテロは心底リラックスしたようなため息をつく。それを見たレオナルドが、ドナテロに近寄っていった。
「ドナテロ、泳がないのか?」
「ん? いや、そんなんじゃなくて、ただ揺られていたいだけで…。」
その声に、ラファエロとコーディもドナテロの周りに集まる。
「もしかしてドナテロ、泳げないの?」
「そんなワケないでしょ、僕たちは亀なんだから。」
さすがに眉をひそめるドナテロの前に、水中に潜っていたミケランジェロがいきなり顔を出した。
「ぷはっ、ドーナちゃん♪」
「うわっ、…マイキー、いきなり出てこないでよ。びっくりするじゃない…。」
そんな風に無邪気に遊ぶ五人を、スプリンター先生とサーリンがテントの中で見つめていた。
「やれやれ、息子たちは元気があって良いのぅ。」
「…ありすぎるような気もしますが…。」
苦笑を漏らすスプリンター先生の前で、彼らは楽しそうな笑い声を辺りに響かせた。

ひとしきり、泳ぎを楽しんだ後。
「スプリンター先生、スイカ割りまだですかー?」
ウェットスーツを脱いだミケランジェロの声に、スプリンター先生はようやっと立ち上がり、
「そうじゃのう。では始めるとするか。」
皆も楽しみにしていたのか、瞬く間に準備が始まる。砂浜の上に小さめのビニールシートが敷かれ、その上にスイカが置かれる。これは飲み物とは別のクーラーボックスに入れられて冷やされていたもので、大きく、甘そうであった。
「先生、まずは僕からやりたいです!」
手を挙げるコーディに、スプリンター先生は頷き、木の棒と目隠し用のタオルを渡した。
「まず、タオルで目を隠すのじゃ。」
言われるままに、コーディはタオルで自分の視界を遮る。木の棒を手に持ったコーディに、スプリンター先生は続けて言った。
「その棒を地面に突き立て、棒を中心にぐるぐると回るのじゃ。方向はどちらでも良い。十回ぐらい回ったら、準備完了じゃ。」
「わかりました。」
コーディは答えて、手の中の棒を中心にぐるぐると回り出す。が、十回終わったときには、もうふらふらだった。
「こ、コーディ様…!」
サーリンが心配そうに見つめる中、何とかコーディは歩き出す。
「右だ、右!」 「そのまままっすぐ」 「行き過ぎだ! 左!」
皆の声に導かれながら、コーディはスイカのところへたどり着いた。
「こ、ここ!?」
「そうだコーディ! 行け!」
大きく頷いたコーディは、手の中の棒を思い切って振り下ろす。しかし、棒は惜しくもスイカの右側に落ちた。
「あ~あ…。」
目隠しを外し、コーディは残念そうに天を仰ぐ。そんな彼の肩にミケランジェロがぽんと手を置き、
「まだまだ修行が足りないね!」
皮肉混じりにそう言う。それを聞いて黙っていないのが、残りの三人だ。
「だったら、次はミケランジェロの番だな。」
「さぞかし、見事な技を披露してくれるんだろうな。」
「期待してるよ、マイキー。」
兄たちに口々に言われ、ミケランジェロにプレッシャーが襲いかかる。
「何だよみんな! そんなに言わなくたっていいじゃん!」
楽しそうに笑いあう彼らは、その後ろから思わぬ訪問者が近づいてきているのに、まだ気づいていなかった。
「楽しそうじゃーん?」
その声で、彼らはやっと襲撃に気づく。一斉に振り向いたタートルズの前に、彼らのクローンたちが勢揃いしていた。
「遊ぼうぜぇ~!」
ダークミケランジェロの笑い声に、ラファエロがいち早くサイを抜いて構える。
「何だてめぇら! こんなとこまで!」
サーリンが素早く動き、コーディを自分の体の後ろに隠す。しかし、一気に緊迫したこの空気を破ったのは、そのコーディ本人だった。
「やあ、ガイズ! 君たちもこっちにきて、一緒にスイカ割りしようよ!」
その明るい声に、タートルズたちもクローンたちも、一瞬ぽかんとしてしまう。
「…な、何やるって?」
ダークミケランジェロが思わず呟くと、コーディは笑顔で彼に近づき、
「スイカ割りだよ。ほら、こうして…。」
先ほどスプリンター先生に教わったとおりに、コーディはスイカ割りのやり方をダークミケランジェロに教えている。
「ほらほら、他のみんなも!」
コーディは他のクローンたちの手を引っ張り、強引にスイカ割りに参加させた。首尾良くスイカを割ったダークミケランジェロが歓声を上げると、コーディも手を叩いて彼を誉める。
緊迫したムードは跡形もなく消え、クローンたちはそのままなし崩しに、コーディやタートルズたちと一緒に遊ぶこととなった。

砂浜に、楽しげに笑う声が増えた。
とりあえず危険はないと見たのか、スプリンター先生が大きく伸びをし、立ち上がる。
「さて息子たちよ、わしはそろそろコテージに戻るぞ。サーリンさん、済まんが、冷たいお茶でも入れてくださらんか?」
「…かしこまりました、スプリンター先生。」
二人が戻っていった後、レオナルドはテントの中で一息入れていた。
波打ち際では、コーディ、ミケランジェロ、ダークミケランジェロの三人が、ビーチボールで遊んでいる。
「いくよー、それっ!」
「にゃははは♪」
視線を横に転じれば、ラファエロとダークラファエロが、それぞれ首だけ出して砂に埋められ、ドナテロとダークドナテロが彼らに砂を被せていた。
「うっ…、動けねぇ…!」
「あはは、ラフ、気分はどう?」
視線を戻すと、ちょうどコーディが転んで、盛大に水しぶきを上げていた。そんな光景に思わず含み笑いを漏らすと、レオナルドは海の方からダークレオナルドがこちらに近づいてくるのに気づいた。
「……。」
無言のまま、ダークレオナルドはレオナルドの隣に座り込む。その体が濡れているのを見ると、泳いできたのだろう。彼は彼なりに、この時間を楽しんでいるようだった。
「…本当は、お前たちに勝負を挑みに来たんだ。それが何故、こんなことに…。」
ため息をつくダークレオナルドに、レオナルドは笑いかける。
「まあ、いいじゃないか。せっかく海に来たんだ。楽しまない方が損だぞ。」
そう言って、レオナルドはクーラーボックスからペットボトルの炭酸飲料を二本取り出し、片方をダークレオナルドに渡す。
「……?」
訝しげな視線を寄越すダークレオナルドに、
「喉が乾いたろう? 飲めよ。」
と言って、レオナルドはキャップを外して飲み始める。同じように飲み始めたダークレオナルドも、さっぱりと喉を潤す飲み物に、悪い気持ちはしていないようだった。
それからしばらく、二人は何も言わずに、太陽の光を受けて輝く水面を見つめていた。海から吹いてくる風が、レオナルドのハチマキをたなびかせる。
そこで、ダークレオナルドが手の中の炭酸飲料をシートの上に置き、横のレオナルドに話しかけた。
「…レオナルド。」
「…ん?」
呼ばれてそちらを向いたレオナルドの唇に、ダークレオナルドの唇が触れる。その瞬間、レオナルドの耳には何の音も聞こえなくなった。
打ち寄せる波の音も、兄弟たちの笑いさざめく声も。瞬きさえも忘れた。
他のみんなに分からないように交わした口付けは、喉を通る炭酸よりも、刺激的に思えた。
唇が離れると、徐々に周囲の音が戻ってくる。顔を赤らめて口元を押さえるレオナルドに、ダークレオナルドが低く囁く。
「…俺は、お前が好きだ。」
「なっ…!?」
「今なら、言えそうな気がした…。」
照れ隠しのつもりか、ダークレオナルドはそこで言葉を切って、立ち上がる。コーディがこちらに手を振っているのが見えた。
「レオナルド! 一緒にやろうよ!」
「ああ、今行く。」
コーディに軽く手を挙げて答え、ダークレオナルドはまだ硬直したままのレオナルドに視線を向けた。
「…どうした、来ないのか?」
その言葉で我に返ったレオナルドは、自分の炭酸飲料を置き、ダークレオナルドを追って熱い砂の上に踏み出した。
「…ま、待てよ!」
誰もいなくなったテントの中に、寄り添うように置かれた、二本の炭酸飲料。午後の光を浴びて、きらきらと眩しい輝きを放っていた。
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