07« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»09

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

タートルズSS 「HeartBeat」 (ドナテロ×ミケランジェロ) 

(マイキーって、可愛いよなぁ…。)
僕は自分の机に向かいながら、ソファーでテレビを見ているマイキーを、じっと見つめていた。
最近、僕はどうもおかしい。マイキーが可愛くて仕方ない。姿を見てるだけで、胸の奥がきゅっと締め付けられるようになったり、目が合うとすごくドキドキしたりする。
「どったのドナちゃん? ぼーっとしたりしてさ。」
「いっ…!?」
いつの間にかこっちを見ていたマイキーに、僕は慌てて言葉を返した。
「い…、いや、何でもないんだ、うん…。」
机に向き直って、こっそりとため息をつく。ほら、今みたいに、ただ話しかけられただけなのに、僕の心臓、すごい勢いでばくばく言ってる…。
何なんだろうなぁ、コレ…。


うっわぁ…、すっごい見られてた!
視線感じて振り向いたら、やっぱりドナちゃんがオイラのこと見てた!
バレないように、オイラはほっと胸を撫で下ろした
最近、オイラは何かおかしい。
ドナちゃんが近くに来るとか、さっきみたいにオイラのこと見てたりとか、それだけで胸がドキドキしてきちゃう。それに…。
「うにゅぅ~…。」
気づかれないように、オイラはこっそりとドナちゃんの顔を盗み見る。
ほら! あの、真剣そのものの横顔! すんごいカッコいいんだけど…。


僕、やっぱりマイキーが好きなのかなぁ…。

ひょっとしたら、オイラ、ドナちゃんのこと、好きなのかも…!

【でも、言えないよなぁ…。】


「なあレオナルド。ちょっと、今いいかな?」
翌日。朝の修行を終えた後に、僕はレオナルドに声をかけた。
「どうしたんだ? ドナテロ。」
「うん…。話したいことがあってさ。」
僕が言うと、レオナルドは読みかけの本を閉じて、座っていたソファーから立ち上がる。
「構わないけど…。」
「そう? 良かった…。じゃあ、アレに乗ってくれる?」
僕が指さしたのは、先日修理が終わったばかりのタートルマリンだ。
「えぇっ、ここじゃダメなのか?」
「いやいやいや無理無理無理。あんまり、…聞かれたくない話だからさ。」
「そうか…。」
不思議そうな顔のレオナルドを先に乗せ、僕は出掛ける前に、一応ラファエロに声をかけた。
「そんなワケでラファエロ、ちょっとレオナルドを借りるよー。」
「ええっ、おい、ちょっ…。」
ラファエロの声を無視して、僕はレオナルドを乗せてタートルマリンを発進させた。
河の中に出ると、レオナルドは感心したように大きく息を吐いた。
「へぇ…、凄いな。ニューヨークの河の底って、こんな風になってたんだ…。」
「前は、マイキーと一緒に来たんだけどね。話しただろ? …ゴミクズマンの話。」
「あぁ…。河の底に消えたのは知ってたけど、まさかそこでしぶとく生きてただなんて、思わなかった。」
「でしょう? 僕とマイキーと、二人でやっつけたんだ。…そう、マイキーとね。」
はぁ、とため息をつく僕を、レオナルドは見逃さなかった。
「…話、っていうのは、ミケランジェロのことなのか?」
「うっ…、うん。そう…。」
おい、レオナルド。いきなり核心に踏み込むのは、お前の悪いくせだぞ!
「ミケランジェロが、どうかしたのか?」
「…停まってから、話そう。」
僕は覚悟を決め、河底の平らな場所にタートルマリンを停めた。
「はあ…。」
ハンドルにもたれ掛かり、僕は思いきり大きなため息をつく。そんな僕を、レオナルドは心配そうに見ている。
「一体どうしたんだ? また、発明品を壊されたとか…?」
「…そういう事だったら、僕はマイキーに直接言うよ。違うんだ…。」
また、僕はため息をつく。レオナルドを相手にしても、この気持ちを打ち明けるには、まだ抵抗があるようだ。
「じゃあ、何なんだ?」
「んー…。」
気持ちを落ち着けるため、何回か深呼吸をする。目の前をゆったりと泳ぐ魚のようには…、いかないけど。
「…その人の事をさ、無性に愛しく思うようになったり、顔を見たり、声を聞いたりするだけで、胸がドキドキしてくる、っていうのは…、一体何なんだろうね?」
「…はぁ?」
ダメだ、ちょっと抽象的に言い過ぎた。レオナルドの頭に「?」が浮かんでる。
「いや、だからそのー、つまりさ…。」
手持ちぶさたになり、僕は両手を無意味に擦り合わせてみる。
「…最近、マイキーが妙に可愛くってさぁ…。顔見たり、声聞いたりするだけで、こう、…胸がドキドキしてくるんだよねぇ…。」
「……。」
レオナルドが驚いたような顔でこっちを見てるのにも気付かず、僕は一人で喋り続けた。
「この間だってさ、僕がソファーで本を読んでたら、遊んでほしかったのか、マイキーが『ドーナちゃん♪』とか言って後ろから抱きついてくるしさぁ…。マイキーに悪気はないんだろうけど、顔は近いし、腕はあったかいし、もうこっちは大変だったんだから…。」
「…落ち着けよ、ドナテロ。つまりお前は、ミケランジェロが気になってしょうがない、だろ?」
「……そう。」
レオナルドにずばりと言われて、僕は背もたれにぐったりと体を預ける。
「これってさぁ…、僕は、マイキーに恋をしてる、ってことになるのかな…。レオナルドはどう思う?」
「えっ…?」
急に話を振られて、レオナルドは言葉に詰まったみたいだ。
「…そ、そうなんじゃ、ないか…?」
「そうかぁ…、やっぱりそうなんだ…。」
自分の気持ちにやっと納得がいって、僕は大きく息を吐き出した。
「…でも、何でそれを俺に聞くんだ?」
「えー? だって、レオナルドはラファエロとラブラブなワケでしょー? 何かアドバイスしてもらえたらなー、って思ったんだけど。」
「なっ…!?」
「ラブラブ」の言葉に、レオナルドは露骨に顔を真っ赤にした。
「ら…、ラブラブ、ってほどでもないような気がするんだが…。」
「別にいいよ、今さら隠さなくっても。」
レオナルドが黙り込んじゃったから、僕は静かにタートルマリンを発進させた。
「…僕、機械のことなら解るんだけど、こういう事になると、ちょっとね…。」
僕の呟きに、レオナルドも言い返してくる。
「…俺だって、逆にアドバイスを貰いたいくらいなんだ。ラファエロは…、あんな性格だし…。」
「はぁ…。お互い、苦労してるねぇ。」
「…全くだ。」
僕たち二人は顔を見合わせ、同時にため息をついた。


ドナちゃんが、レオナルドと一緒に出掛けたあと。オイラはトレーニング中のラファエロに話しかけた。
「…あのさぁ、ラファエロ。ちょっと相談があるんだけど…。」
サンドバッグを殴っていたラファエロは、オイラの言葉に手を止めてくれる。
「…何だよ。相談だったら、ドナテロの奴に頼んだ方がいいぜ。」
「いやその、えっと…、そのドナちゃんの事なんだよ。」
歯切れの悪いオイラに、ラファエロは眉間に皺を寄せる。
「ドナテロが、どうかしたのか?」
「うん…。あ、その前に確認したいんだけど、ラファエロって、レオナルドと付き合ってるんでしょ?」
「うっ…!」
あはは、ラファエロ、すんごいびっくりしてる。
「なっ…、何で、いきなり、そんな事…!」
…ラファエロ、ハチマキより赤くなってる。面白いから、もうちょっと見てよー。
「…おいミケランジェロ、人のことからかっただけかよ!」
「あはは、ごめんちゃい。んでさー、どっちから告白したのー?」
「っ…!」
うわぁ、まーた真っ赤になった。ラファエロって、よっぽどレオナルドのこと好きなんだなぁ…。
「いいなぁ…。」
何かレオナルドが羨ましくなって、オイラはぽつりと呟く。
「オイラも、ドナちゃんとそんな感じになりたい…。」
「…つまりお前は、ドナテロの事が好きなんだろ?」
「えっ…!」
はっきりと言われて、オイラは甲羅が外れそうなくらいびっくりした。
「す、好きなのかどうか、オイラにもわかんない。ただ、この頃、ドナちゃんがやけにカッコ良く見えたり、顔見るだけでドキドキしたりするけど…、これが、『好き』ってこと?」
「…そうだよ。」
呆れたようにため息をついて、ラファエロはオイラの肩に手を置いた。
「解ったんなら、やることは一つだ。」
「えー…、何だよー…。」
「何って、ドナテロに好きだって言っちまえばいいじゃねえか。」
「いっ…!?」
いきなり!? 告白すんの!?
「そっ…、そんなの、出来るわけないじゃないか!」
「何でだよ。自分の気持ちに気付いたんなら、あとは伝えるしかねぇだろ。」
「でもっ…!」
いきなりの急展開に、オイラは頭を抱える。さっきドナちゃんが好きだって気付いたばっかりなのに、もう告白!?
「…言えないよぅ…。」
首を振るオイラに、とうとうラファエロがキレた。
「んだよてめぇは! さっきっからまどろっこしい!」
「だってー…。」
「好きなら好きって、はっきり言やぁ済むことだろうが!」
ちょうどその時、居間の真ん中から水音がした。思わずそっちを見ると、タートルマリンが戻ってきてて、中からレオナルドとドナちゃんが顔を出した。
「ただいま。二人で、何喋ってたの?」
「おう、ドナテロ。実はさっき、ミケランジェロが…。」
そこまで聞いて、オイラは慌ててラファエロの口を手で塞いだ。
「むぐっ…!」
「きゃーっ! きゃーっ! あっわわわわガチですーわー♪」
「…何なの、その『ガチですーわー』って…。」
呆れるドナちゃんに、オイラはとりあえず笑ってごまかす。
「ううん、何でもないよ。あっ、そうだレオナルド、どうだった? ニューヨークの河の底は!」
いきなり話を振られたのに驚いたのか、レオナルドがぴくっと震えてこっちを見た。
「あ、あぁ…。なかなか面白かったな。色々なものがあって…。」
「…ふ、ふぅん。そっか。じゃ、また後で詳しく聞かせてねー。」
オイラはそう言いながら、まだ口を押さえたままのラファエロを引きずって、上のガレージに向かった。
「ぷはっ…、いきなり何すんだよバカランジェロ!」
「それはこっちのセリフだよバカエロ! まだオイラの心の準備も出来てないのに、何でドナちゃんに言っちゃおうとするのさ!」
「お前がいつまでもはっきりしねぇのが悪いんだろうが!」
「ラファエロから言われるくらいなら、自分で言うよ! だからさ、ラファエロはレオナルドに何て言ったの? 参考までに教えてくんない?」
「ぐっ…!」
思った通り、レオナルドの名前を出すと、ラファエロは真っ赤になった。勝った!
「…知るかよそんなの。自分で考えろ!」
それだけ言い残して、ラファエロはくるっと振り返って戻っていく。念のため、もう一回言っておこう。
「さっきの話、ドナちゃんにしちゃダメだからね!」
「ああ、わかってるよ!」
ラファエロが戻った後、オイラはガレージに一人取り残された。両手の指を絡め合わせて、オイラは長ーく息を吐いた。
ラファエロはああ見えて、嘘はつかない。だから、ドナちゃんにオイラの気持ちが知られちゃうことはない。けど…。
「…自分で言えれば、こんなに悩まないよ…。」
オイラのぼやきは、誰もいないガレージの空気に溶けて消えた。


レオナルドと話したけど、結局僕はどうしたらいいか分からない。
一番イヤなのが、この思いを伝えて、マイキーに嫌がられて、今までみたいに話せなくなること。それだけは絶対に避けたい。
「う~ん…。」
考えながら歩いていたら、僕は曲がり角から出てきた誰かにぶつかった。
「うわっ…!」
「あいたぁ!」
ほぼ同時に叫んで、僕たちはそれぞれ後ろに倒れる。
「あいたた…。…っ!」
僕がぶつかった相手。それは、今まで頭の中で思っていた、マイキー本人だった。
「うにゅ~…。」
「ご、ごめんマイキー。大丈夫?」
僕の言葉に、マイキーは頭に手をやりながら目を開けて、
「…ドナちゃん!」
目の前に僕がいたことに、めちゃくちゃ驚いた。
「ごめん、考えごとしてたから…。立てる?」
「うん…。」
無意識に手を差し伸べて、その手をまた無意識に握られて。
二人、手を握ったまま、その場に突っ立ってることに気付いて、僕は慌てて手を離した。
「ご、ごめん…。」
「い、いやー、オイラの方こそ…。」
まずい、自分でも分かるほど顔が赤い。何とか、ごまかさないと。
「ま、マイキー、どこに行くつもりだったの?」
「…あー、オイラこれから、シャワー浴びてこようと思って…。」
「…そ、そっか。じゃあね。」
「うん…。」
小さい返事を残して、マイキーは僕の横をすり抜けていく。その瞬間、まるでナイフでも差し込まれたかのような痛みが、僕の胸を襲った。
反射的に振り返って、僕は離れ行く背中に声を掛ける。
「まっ…、マイキー!」
「っ!?」
呼び止められて、振り向いたマイキー。目が潤んでたように見えたのは、気のせいかな…?
「…ん、何? ドナちゃん。」
「あ……。」
問いかけられて、僕は我に返った。わざわざ呼び止めて、一体僕はどうしようって言うんだ…!
「…ごめん、マイキー。何でもない。」
マイキーをその場に残して、僕は踵を返す。背中にマイキーの視線を、痛いほどに感じながら。
自分の机に戻って、僕は頭を抱えた。
(いくらマイキーでも、今のは絶対変に思ったよな…!)
幸い、周りには誰もいない。少しぐらい声を出しても、聞かれる心配なさそうだ。
「マイキー…、マイキーっ…!」
名前を呼ぶと、僕の目から熱いものがこぼれ始める。

こんなに、君が愛しいのに。

何で、口に出して言えないんだろう。

「…ふっ、う、くっ…!」
自分の机の上で、僕は胸を襲う「相手を想うがゆえの痛み」に、ひたすら涙を流し続けた。


まだ、ドナちゃんの手の感触が残ってる。
「……。」
シャワーのノズルを回すと、すぐに温かいお湯が頭の上から落ちてくる。
オイラは、さっきドナちゃんと触れあった右の手を、そのまま口元に持っていった。
指先で唇を撫でると、もっと胸がドキドキしてくる。
いつもならすごく気持ちいいはずのシャワーなのに、今のオイラはあんまりそういうのを感じない。
何でかというと、ドナちゃんのことで頭がいっぱいだから。
さっきぶつかった時、ドナちゃんは自然にオイラに手を差し伸べてくれた。そんな優しいところが…
「…大好き、だよ。」
そう呟いて、オイラは壁に頭を押しつけた。
(ドナちゃん…。)
胸の中で名前を呼ぶと、苦しくなって、それだけで泣けてきちゃう。
「ドナちゃん…、ドナちゃーん…!」

ここで呟いたって、意味がないのに。

ドナちゃん本人に伝えなくっちゃ、意味がないのに。

シャワー中で良かった。声を出してても聞かれないし、涙も一緒に流れてってくれるから。
胸が痛いよ…。オイラ、どうすればいい…?


一晩寝て、僕はとうとう心を決めた。
マイキーに、告白する、って。
伝えて、拒否されるのは怖いけど、もうあんな苦しい涙は流したくない。
朝の修練を、いつも通り真面目にこなす。マイキーを見ても苦しくならないのは、僕がはっきりとマイキーへの思いを自覚したせいだろう。
マイキー、僕は君が好きだ。少し待ってて。この気持ち、絶対に伝えてみせる。
瞑っていた目を開けて、僕はマイキーにじっと視線を注いだ。


うわー…、すっごい見られてる!
朝の修練中、オイラはずっとドナちゃんの視線を感じてた。
…昨夜あれから、オイラは寝る直前まで、考え続けてた。
やっぱりドナちゃんが好きだから、何とかこれを伝えたい。
でも、何て言ったら良い…?
最後の瞑想のときにそれを考えてたら、やっぱりスプリンター先生に見抜かれた。
何でかって? 杖で頭を叩かれたから。
「集中せい、ミケランジェロ。」
「はぁい…。」
オイラは気を取り直して、瞑想を続けた。考えるのは、後だっていい。


朝の修練の後、僕は早くも行動を開始した。
…とは言っても、約束をするだけなんだけど。
大きく深呼吸をして、テレビの方に向かうマイキーを呼び止めた。
「…マイキー。」
「…ん?」
僕に呼ばれて、マイキーが振り向く。その時、僕はとっさに思った。…昨夜と一緒だな、って。
でも、今はしっかりとした理由がある。昨夜みたいにごまかさないぞ。
「…あの、今夜、いいかな? 話が、あるんだ…。」
僕がそう言うと、マイキーは小さく頷いて、
「ちょうど良かった、オイラも、ドナちゃんに話があるんだ。」
と言った。
マイキーも、僕に話があるのか…。何なんだろう。
ともかく、約束は取り付けた。あとは夜になるのを待つだけ。
うわぁ…、何か今から緊張してきた!

こんなに夜が来るのが遅いと思った日はなかった。
待ち合わせた時間より、かなり早めに僕はガレージへと向かう。案の定、マイキーはまだ来ていない。
「……!」
我ながら、ちっとも落ち着いてない。約束の時間はどんどん近づく。はぁ…、どうしよう!
悩んでいる合間に、僕の後ろにあったエレベーターが下に沈みだした。きっとマイキーだ…、これに乗ってくるよ…!
(うわー! もう本気でどうしよう!)
…今の僕はきっと、はたから見ると滑稽なくらいに慌ててるんだろう。マイキーが来るまでに、落ち着かなくちゃ…!
やがて、エレベーターが再び地上に顔を出して、中からマイキーが出てきた。ちょっと恥ずかしそうなその表情に、僕は心臓が飛び出しそうになるくらいに、ときめいた。
「…ごめんねドナちゃん。待った?」
「いっ…!? いやいやそんな事ないよ! 僕が早く来すぎただけで…。」
目の前でぱたぱたと手を振る僕に、マイキーは笑ってくれた。良かった…。
「あっはは…。そんで、…どこで話す?」
「そうだなぁ…、誰にも聞かれる心配のない場所、がいいかな。」
「だったら!」
マイキーはぱん、と手を叩いて、ガレージの隅に置いてあるバトルシェルに乗り込んだ。運転席に座ってるのを見ると、今回はマイキーが運転するらしい。
「どこ行くつもり?」
「んっふふ~、秘密。」
助手席に腰掛けながら聞いてみたけど、笑いながら流された。
シャッターが完全に開くと同時に、マイキーはバトルシェルを発進させる。…まぁ、マイキーと二人でドライブだと思えば、悪くないか。
僕たちを乗せたバトルシェルは、深夜のニューヨークの街を走り抜ける。大通りに出たところで、僕はマイキーがどこに向かって車を走らせているか分かった。
「…もしかして、セントラルパーク?」
「当ったりー! この時間なら、人もいないだろうしさ。」
「…いたとしても、それはパープル・ドラゴンの連中だろうねぇ。」
「…いないことを祈るねぇ。」
そんな事を話している内に、バトルシェルはセントラルパーク内へと入っていく。適当な場所に車を停めて、僕たちは手近にあったベンチに、並んで腰掛けた。
思った通り、パーク内に人の姿はない。僕たちを照らすのは、仄かな街灯の明かりと、頭上に輝く月の光だけ。
「ねえドナちゃん、今日って満月かな?」
マイキーの問いに、僕は空を見上げて、
「えぇ? …いや、今日はまだ違うでしょ。たぶん…、明後日あたりなんじゃないかな? 満月は。」
「そっか…。」
それきり、マイキーは黙り込んでしまう。僕も話のきっかけを掴めなくて、黙ったまま。ダメだ言わなきゃ…。せっかく二人きりになれたのに…!
ごくん、と生唾を飲み込み、僕は膝の上で握った手に、さらに力を込める。今だ。僕は思いきり息を吸い込み…。
「『あのさぁ…。』」
奇しくも、僕たちが話し出したのは、ほぼ同じタイミング。その事に、僕もマイキーもびっくりした。
「…あ、ごめん。マイキーからいいよ。」
「…う、ううん。ドナちゃんから、どうぞ。」
「いやいやマイキーから…。」
「いやいやドナちゃんから…。」
…話が進まない。僕はベンチから立ち上がって、大きく深呼吸をした。
「ドナちゃん…?」
僕は振り向いて、マイキーの目を真っ正面から見つめた。思わずマイキーも立ち上がって、同じようにこっちを見てくる。
「マイキー…、あのね…。」
その先が、どうしても言い出せない。唇を噛みしめると、マイキーが掠れたような声で僕を呼ぶのが聞こえた。もう、一気に言うしかない!


「僕、マイキーが好きだ!」

「オイラ、ドナちゃんが好きっ!」


また、同じタイミング。
ぽかん、とした顔をするのも、一緒。
「ま、マイキー、今、何て…?」
「ドナちゃんこそ…、えっ…?」
オイラが胸の前で手をぎゅっと握ると、ドナちゃんは両手で頭を抱えた。
「えっ…、マイキーが、僕のこと…?」
ドナちゃんは、信じられない、っていうような顔をしてたけど、オイラだって信じられない。まさか、ドナちゃんも、オイラのこと…。
「『…夢じゃないよね!?』」
…あ、またハモった。
「えっ…、本当? マイキー、本当に、僕のこと…?」
まだびっくりしてるドナちゃんに、オイラははっきりと頷く。
「うん。オイラ、ずっと前から、ドナちゃんが大好きだったんだ…。」
「マイキー…っ!」
オイラに向かって両手を伸ばしてきたドナちゃん。その腕の中に包まれて、ドナちゃんの体にぎゅっとしがみついて。
「ぼっ…、僕だって、ずっと、マイキーが好きだったんだ…!」
泣き出しちゃったドナちゃんの言葉を、オイラは嬉しく思いながら聞いてた。
「良かった…。告白しようとは決めたけど、断られて、今まで通りの関係にすら戻れなくなったら、って思うと、怖くて…。」
「オイラたち、お互いに同じ事を言いたくて、今日ここに来たんだね。」
「…そうだね。」
ドナちゃんが、オイラを抱きしめてくれてる。その腕の強さで、どれだけオイラのことを想ってくれてるか、わかるような気がする。
「…ねぇ、マイキー。」
「何?」
顔を上げると、泣き止んで頬を染めたドナちゃんの顔が目に入る。
「……き、キス、していい?」
照れまくったドナちゃんの言葉に、オイラはついおかしくなっちゃった。きっと、ドナちゃんのこんな顔を見たのは、オイラだけだろうなぁ。
「…いいに決まってるじゃない。オイラたちはもう、…恋人、でしょ?」
「…ありがとう。」
背中にあったドナちゃんの手が、今度はオイラの頬に添えられる。ゆっくり近づいてくるドナちゃんの唇に、オイラもそっと目を閉じた。
「ん…。」
長いような、短いような、そんなキス。口を離したあと、オイラは急に恥ずかしくなってきて、ドナちゃんの胸に顔を埋めた。
「…ドナちゃんの、心臓の音がする。」
何の気なしに呟いたオイラに、ドナちゃんは照れた笑みを浮かべる。
「…速いでしょう?」
「うん…。オイラも、人のこと言えないけどね。」

たぶん、オイラはこの時聞いた、ドナちゃんの心臓の音を忘れない。
このドキドキが速ければ速いほど、好きな人を想う気持ちが強いってことの、証拠だから。
「マイキー…、大好きだよ。」
「オイラも、ドナちゃんが大好き!」
今度は、オイラの方からドナちゃんにキスする。
朝になるまでに戻らなきゃいけないのは分かってるけど。

…もうちょっとだけ、このままでいたい…。

スポンサーサイト

カテゴリ: タートルズSS(DM)

tb: 0   cm: 0

« タートルズSS 「Gunning Down Romance」 (ダークレオ×レオナルド)  |  タートルズSS 「PRIVATE SERVICE」 (ラファエロ×レオナルド) »

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://deepaquaforest.blog106.fc2.com/tb.php/42-d1821d2e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。