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銀鉄SS 「そこに、愛する人がいるから」 (ブルース×学) 


せっかく二人で過ごせる日だというのに、今日はあいにく朝から曇っていた。
薄い雲が空全体を覆っており、少し肌寒い。心なしか風も出てきたようだ。
「……。」
俺は無言で、首に巻いたマフラーを巻き直す。それを、隣の学が呆れたように見ていた。
「…そんなに寒いですか? 今日…。」
「俺は寒い。」
即答すると、学の口から乾いた笑いが漏れた。
こいつを抱きしめれば少しは温かくなるだろうが、こんな街中じゃ、それも出来ねぇし…。
「あ、そうだ、ブルース。ちょっと、ここで待っててください!」
突然学はそう言うと、近くにあったコンビニに駆け込んでいった。
一人残された俺は、通りを吹き抜ける風を浴びて、身を竦ませた。
「…何する気だ? あいつ…。」
程なくして、学が戻ってきた。その手に缶のジュースを二つ持って。
「はい、ブルース。」
学は、缶の一つを俺に手渡す。受け取ってみると、それはコーンポタージュだった。
「これ飲んだら、少しはあったかくなりませんか?」
「…すまねぇな。」
素直に礼を言い、缶を開けて一口飲む。コーンスープよりも、学の心遣いの方が温かかった。
そのまま、二人並んで歩き出す。さっきからこうやって、ただ歩いているだけなのだが、学は退屈していないだろうか…。
「なあ、学…。」
「はい?」
大きな瞳がこちらを向き、俺は少し照れて視線を逸らす。
「何ですか?」
「あー、その、何だ…。」

お前の一番大事な人って、誰だ…?

「……え?」
学のきょとんとした顔を見て、俺ははっと我に帰った。
前々から聞いてみたかった事ではあるにしろ、今このタイミングで、というのは…!
「…俺の、一番大事な人ですか? そうだなぁ…。」
学は考え込んでいる。一応、俺は学の恋人ではあるが、
家族思いの学のことだ、俺が一番という事はないだろうな…。
「えーと、やっぱり父さんや母さんは大事ですよね。あと、シリウス小隊の皆とか…。」
…その、「シリウス小隊の皆」に、俺も入ってるかな…。
「でも、一番大事なのは、やっぱりブルースですね。」
思いがけない返答に、思わず俺は足を止める。二、三歩先行した学は、そこで慌てて振り向いた。
「ど、どうしたんですか?」
「…俺が、一番、なのか…?」
呆然と呟く俺に、学は驚いたように目を丸くした。
「当たり前じゃないですか! ブルースがいなかったら、今俺はここにはいませんよ!」
俺が、一番大事な人。その言葉が、俺の心をじんわりと温かくしてくれた。
「じゃあ、ブルースの一番大事な人って、一体誰ですか?」
「…お前に決まってんだろ、学。」
彼の額に口付けを落とし、俺は歩き出す。少しの間を置いて、学も走り出した。
「ブルース! あんな所でっ…!」
「何だ、照れてんのか?」
「っ…!」
少しからかうと、学はすぐに顔を赤くして黙り込んでしまう。そこがまた、可愛らしいのだった。
「まだまだ甘ちゃんだな、お前は。」
「…甘党のブルースには、丁度良いんじゃないですか?」
「こいつ…!」
苦笑を漏らすと、それまで天を覆っていた雲が切れ、太陽の光が地上に差し込んだ。
「晴れましたね!」
「そうだな。」
学の笑顔を見ていると、こちらまで笑顔になってしまう。

そう、たった今地上に降り注いだ日の光のように、学は俺の心も明るく、温かく照らしてくれるのだ。
「ブルース! 置いてっちゃいますよー!」
いつの間にか数歩先にいた学が、こちらに手を振ってくる。それを見て、俺も明るい日差しの下へ走り出した。
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