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タートルズSS 「Faith」 (ダークレオ×レオナルド、捧げ物) 

思わず、連れてきてしまった。

「で? どうすんだコイツは。」
ほの暗い倉庫の中、呆れたような声が俺の耳に突き刺さる。
言われて俺は、布で口を塞がれ、壁に鎖で繋がれた彼を見やる。
レオナルド。クローンである俺の、オリジナルである存在。今は武器を取り上げられ、ぐったりと意識を失っているようだ。
今日、奴らのいる場所に強襲を掛けた時、俺が衝動的に攫ってきてしまったのだ。
「…リーダーさんよ、答えねぇのか?」
「騒ぐな。こいつをここに置いとけば、奴らは必ず奪い返しにくるだろう。そこを狙えばいい。」
俺がそう言うと、兄弟たちは一斉にうなずき、
「…なるほど、リーダーの立てた周到な作戦、ってワケか。」
作戦…? あんな行動が、作戦と呼べるか?
「ま、上手くいくといいけどな。」
「ちゃんと見張っといてくれよな、リーダー。」
「ひゃはははは♪」
そんな言葉を残し、彼らはこの場所を離れる。後に一人残された俺は、何となくもう一度彼を見つめた。

遺伝子的には、自分とほとんど変わらない。なのに、自分と彼の、この違いは何だ。
解らない。彼にあって、自分にないもの。強さ? 絆?
…いや、ここは本人に聞いてみるのが一番だ。
そう思った俺は彼に近づき、口を塞いでいる布を乱暴に取り払った。
「うっ…。」
その衝撃のせいか、彼がうっすらと目を開ける。下を向いたままの彼の顔を、指先を使って無理矢理上向かせた。
「教えろ。お前にあって、俺に足りないものは、いったい何なんだ!?」
苦しそうに顔を歪める彼に、俺はさらに詰め寄る。顎を掴んで顔を近づけ、…この胸に渦巻くおかしな感情を、叩きつけるように。
「教えろ。なぜ俺はお前に勝てない。俺の方が力も上背もあるのに、何故だ! 何故、俺は…。」
そこで言葉を止め、俺は彼の顎から手を離す。そして、その手を彼の背中と壁の間に滑り込ませた。
「…お前のことを考えると、こんなに胸が騒ぐんだ…!?」
彼を腕に抱くような体勢になり、引っ張られた鎖が耳障りな音を立てる。簡単に潰せてしまいそうで、俺は出来るだけ腕の力を抜き、そっと彼を包み込んだ。
…何故かは解らない。ただ、こうせずにはいられなかった。
初めて、こんなに近くに、自分以外の生物の温もりを感じた気がする。そう認識した途端、俺は自分の心臓が早鐘を打ち始めたのに気づいた。
「…教えてくれ。俺は、俺は……!」
解らない。自分が何をしたいのかすら解らない。苛立つあまり、彼から手を離し、近くの壁を殴りつける。肩で息をする俺に、彼はゆっくりと話しだした。
「スプリンター先生が、言ってた…。ただ闇雲に力だけを欲しても、それは決して実にはならない…。肉体と、精神の両方を鍛えてこそ、修行の成果が出る、って…。」
「修行…? はっ、笑わせるな。俺はそんなご大層なこと、学んじゃいねぇ。」
「今からでも、遅くないさ。お前が、本当に、俺と似通ったところがあるのなら、…出来るはずだ。」
彼と話していても、この得体の知れない苛つきは治まらない。もう一度壁を殴るが、彼はまったく動揺する素振りを見せない。
「…お前、今の自分が置かれた状況を解っているのか? 敵に捕らえられ、体の自由を奪われ、いつどうなるかもわからない…。なのに、何故お前はそう落ち着いていられる!?」
俺の怒鳴りつけるような声にも怯まず、彼は静かにこう言った。
「…信頼、してるからだよ。仲間を、兄弟たちを。」
「信頼…? それもお前の言う、『修行の成果』とやらか?」
「ああ。今までの修行で培ってきた。生半可なことでは、揺らいだりしない。それだけの強さがあるからな。」
きっぱりと言い切られる。共に育ち、共に修行してきた仲間に対する、いわば「盲目的」ともいえる信頼。彼にあって俺にないものは、これか…。
じっとこちらを見つめる彼。顎に指を当てて上を向かせても、その表情は変わらない。
「…俺は、お前が羨ましい…。」
そんな風に、確固たる信念を持つお前が。
そんな風に、信頼できる仲間を持ったお前が。
…誰かと、繋がっていられるお前が。
今の俺には、どう足掻いてもそれに手が届かない。だが、目の前の彼には、触れることが出来る。
「えっ…!?」
そっと顔を近づけると、彼は動揺し、大きく目を見開く。半開きになった彼の唇に、自分のを重ね合わせようとして――

天井が壊されたのは、その時だった。
「!?」
思わず振り向くと、大きく開けられた天井の穴から、奴らの乗り物がゆっくりと降りてきた。
それが着地するより早く、上部ハッチを開けて飛び降りてきた影が一つ。
「レオナルドっ!」
赤いハチマキを締めた、彼の仲間。確か…、ラファエロ、とか言ったか。
床に飛び降りた彼は、まず壁に鎖で繋がれたレオナルドを見、続いてその側に佇む俺に気づき、怒りに満ちた視線を送ってきた。
「てめぇ…、レオナルドから離れやがれ!!」
怒気を孕んだ言葉に応えず、俺はただ背中の鞘から刀を取り出し、一回だけ振るった。
「!?」
俺が切ったのは、レオナルドを縛める鎖だった。支えを失った彼は、そのままぐったりと床に崩折れる。
「うっ…。」
「レオナルドっ!」
俺が刀を鞘に納め、背中を向けると同時に、ラファエロがレオナルドに駆け寄ってきた。
「ラファエロ…。」
「大丈夫か? 良かった…。」
彼の無事を確認し、ラファエロは心底ほっとしたような声を上げる。そんな彼らの前に、俺は取り上げておいたレオナルドの武器を、無造作に置いた。
訝しげな視線が、体に突き刺さるのを感じる。
「…どういうつもりだ?」
「…連れていけ。」
「!?」
俺の言葉に、ラファエロは驚いたようだった。絞り出すような声で、俺は続けて言い放つ。
「俺の気が変わらない内に、早くしろ!」
「……。」
ラファエロは、未だに俺に視線を注いでいた。しかし、
「ラファエロっ…、いいんだ。行こう…。」
当のレオナルドに促され、ようやく歩き始めた。
「歩けるか? レオナルド。」
そんな事を言いながら、ラファエロはレオナルドに肩を貸してやっていた。彼らが去っていくと、俺の胸に、満足感のような、虚無感のような、何とも形容しがたい感情が生まれた。

何もせずに、彼を逃がしてしまったが、あれで良かったのか…? 考えてみても、答えは出ない。
…いつか、俺にも信じられるものが出来るだろうか。
彼のように、なれるだろうか…。
今はまだ、解らないままでいるより他にない。





「Infinite Orbit」の椋都様に捧げた闇レオ×レオのSSです。 一応、加筆修正を入れました。さあどこが変わっているでしょう!
自分で読みたいがためにうp。ごめんなさい。

この二人はですねぇ…、身長差、体格差ともに申し分なしでして。いろいろと滾らせてくれるカプです。

( *゚∀゚)⊂彡゚ 誘拐!誘拐!緊縛!緊縛! ヒロイン属性いやっほう!

…寝不足で、テンションがおかしい。
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