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タートルズSS 「出会えたことが奇跡」 (ダークレオ×レオナルド、捧げもの) 

(FFのネタバレ含みます。閲覧注意。)





何もない。
俺には、もう何も残されていない。生きる意味も。
…この感情の、行き着く先も。

暗い倉庫の中、俺は隅のほうでじっとうずくまっていた。
やるべき事など、何もない、ただこうやって、無下に日々を送っていた。
だから、その倉庫のシャッターが開けられ、中に誰か入ってくる気配がしても、俺はそのまま動かなかった。
「…探したんだよ。」
優しい声に、のろのろと振り向けば、そこにはかつて俺たちが付け狙っていた標的の姿があった。
「小僧…。」
「…小僧じゃなくて、僕にはコーディっていう名前がある。っと、そんなことより…。」
彼―― いや、もうコーディと呼ぶことにしよう― は、未だ動かないままの俺に手を差し伸べ、
「君に話があるんだ。一緒に来てくれる?」
と、俺を倉庫の前に止めた車へと誘った。
「……。」
一瞬、こいつは何を考えているんだ、と思ったが、今の俺には何も出来ない。彼の誘いに乗るのも、良いかもしれない。
そう思い、俺はコーディに続いて車に乗り込み、倉庫を後にした。

連れて行かれたのは、彼のペントハウスだった。
ここには、何度も来たことがある。しばらくの間、滞在したこともある。だが、今の状況はその時のものと一変していた。
誰もいないのだ。現在ここに住むのは、コーディ一人だけだという。あの、サーリンとかいうロボットすらいない。
「…どういう事だ? あいつらはどこにいる?」
俺が問いかけると、コーディは途端に悲しそうな目の色になった。
「…話したいことっていうのは、それなんだ。彼らは…、帰ったんだ。」
「帰った? 一体どこに?」
「…彼らが、もともと居た、…時代に。」
「!?」
そこで俺は、全てを話して聞かされた。あいつらは99年前の時代からタイムスリップして、この時代に来たこと。そして、元の時代に帰ることが出来る、「タイムウィンドウ」というのが完成して、あいつらは自分たちの時代に帰っていったこと…。
「そんな…。」
「…信じられないと思うけど、これが事実だよ。君…、あぁ、君のことをどう呼んでいいかわからないから、こう呼ばせて欲しいんだ。…レオナルド、って。」
「!?」
胸中をよぎった相手の名で呼ばれ、俺は動揺する。そんな俺に気づかず、コーディは遠くを見つめながら呟いた。
「そして、その時事故が起こったんだ。サーリンはそれに巻き込まれて、彼らの時代へ行ってしまった。僕は…、一人ぼっちなんだ。」
「事故…? あいつらは、無事なのか!?」
「うん…。でも、それに関するトラブルが、彼らに襲い掛かってる。」
そこで言葉を切り、コーディは体の横に垂らした手のひらを、ぐっと固く握り締めた。
「…おかしいよね、出会えたことがもう奇跡だっていうのに、まだ彼らのために何かしてあげたい、って思っちゃうんだ。…もう、こっちからは何も出来ないのに…。彼らに、会うことすら出来ないのに・・・。」
「出会えたことが、奇跡…。」
知らず知らずのうちに、俺の目から熱いものが吹きこぼれていた。もう会えない、その言葉が俺の頭の中でぐるぐると回り続けていた。

届かぬ想いだと、最初から判っていた。だが、それをまざまざと見せ付けられると・・・。

「くっ…!」
堪えきれず、俺は床にへたり込む。コーディは気丈にも泣くのを我慢していたようだが、それでも、目を赤くしていた。
「今の僕に出来るのは、これぐらいなんだ…。」
コーディは腕の端末を操作し、空間に小さなウィンドウを表示させた。そこには、あいつらが映っていた。動いている、話をしている、だが声が聞こえない。
「…どういう事なんだ、これは…!」
「これもタイムウィンドウなんだ。でも、通ることは出来ない。向こうと会話をすることも出来ない。ただ、姿を見守ることしか出来ないんだ…。」
ウィンドウを消し、コーディはとうとう溢れ出した涙を手で拭った。
「…毎晩、夢に見るんだ。みんなと過ごした、楽しかった日々を。でも、朝起きると、誰も居ない。寂しいんだ…。」
俺は、そんなコーディの肩を、そっと抱いてやった。そうでないと、この少年は寂しさに潰されてしまいそうだったから。
「……ありがとう。もう大丈夫。」
一度大きく息を吐くと、コーディは顔を上げた。まだ目じりに涙の粒が残っていたが、彼は笑顔だった。
「それで、君に頼みがあるんだ。」
「…俺に?」
「うん、付いてきて。」
コーディは俺を、自分のコレクションが置いてある部屋に連れて行った。色んなものが置いてある中で、彼はある物を取り出し、俺に差し出してきた。
「これは…!」
見覚えがある。確か…、レオナルドが持っていた刀だ。
「…彼らが帰るときに、置いていったものなんだ。…良かったら、君に使って欲しい。正義のために。」
「……。」
俺はコーディの手から、レオナルドの刀を受け取った。細身の刀身は、まるで彼そのものだった。
「あと、もう一つ…。」
「?」
コーディは、言うべきかどうか迷うような素振りを見せ、…やがて決意したように口を開いた。
「…たまに、ここに来て、僕の話し相手になってほしい。何なら、ここに住んでくれたって構わない。彼らの様子ぐらいなら、タイムウィンドウでいつでも見られるから…。」
「……何故だ?」
「えっ?」
俺を見つめるコーディの目は、真剣そのものだった。それが逆に不思議だった。
「お前は何故、自分の命を狙っていた奴を、そんなに信じられるんだ?」
俺の問いに、コーディは今度は笑顔で、
「だって、君は以前、僕を庇ってくれたことがあるじゃないか。あの時から、君は信頼できると思っていたんだ。」
「……。」
「それに…、これからの日常の中で、僕はいつか、彼らのことを忘れてしまうかもしれない。それだけは絶対に嫌なんだ。…君がいてくれれば、それもないだろう?」
コーディの言葉を、胸の内で繰り返す。そうだ、俺もレオナルドの事を、忘れたくない…。
「…分かった。」
「ありがとう。じゃあ、これから宜しく。…レオナルド。」
「あぁ。」
固く、互いの手を握り合う。何もなかった俺に、やるべき事が出来た。

確かに、出会えたこと、それ自体が奇跡だったのかもしれない。だが、その奇跡は、俺たちの中に、今も強く息づいている。





あぁっ、もう…、明け方…、テンション…!
初めてまともにコーディを書いてみた。そして闇レオ×レオと銘打っておきながら、レオが1ミリたりとも出てこない!ごめんねお兄ちゃん!

届かない想いとか大好物です(・∀・)



(2011/1/17追記:)このSSは、「Infinite Orbit」の椋都様への捧げものとして、お嫁に行きました。不束者ですが←
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