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タートルズSS 「夕暮小路」 (ドナテロ×ミケランジェロ) 

(註:舞台はFFです。)


「探したんだよ、マイキー。さあ、帰ろう。」
差し出されたその手を握るだけで、オイラはとっても幸せになれる。

事の始まりは、オイラがドナちゃんを無理矢理外に連れ出したから。
ここなら、オイラたちは隠れる必要もなく、自由に外を歩ける。
…それに、久しぶりに、二人きりになりたかったし。
でもドナちゃんは、さっきから、あのお店の前から動こうとしない。もう一時間になるっていうのに…。
「すごい…。ここはまるで、メカの宝箱みたいな場所だなぁ…。」
そこには、機械ばっかりが置いてあった。…確かに、ドナちゃんの好きそうなお店だけど、その間オイラはほっとかれっぱなしだし、…つまんない。
「ねードナちゃん、もう行こうよぉ…。」
オイラの言葉にも、返事がない。ドナちゃんは、オイラよりショーケースの向こうに夢中になってる。
…せっかくの、デートなのに…。
「……もういいよ、ドナちゃんなんか!」
オイラはそう言って、その店から一人で飛び出した。

美味しいものを、たくさん食べた。
「ふぅ…、美味しかった!」
でも、まだまだ食べ足りない。オイラは抱えていた紙袋の中からホットドッグを取り出した。
「あ~ん…。」
それを食べようとしたところで、不意にドナちゃんの顔が頭をよぎった。本当なら、二人で食べてるはずだったのに…。ドナちゃんと食べたら、もっと美味しいはずなのに…。
「…かっ、関係ないもん、ドナちゃんなんか!」
頭をぶるぶると振って、オイラは改めてホットドッグにかぶりつく。
「……。」
美味しいのに、美味しくない。きっと、ドナちゃんのことを考えたせいだ。
「うー…。」
どうしよ…、戻ろっかなぁ…。
「マイキー!」
「!?」
聞こえてきた声に振り向くと、オイラの後ろの方から、ドナちゃんが慌てたような感じで走ってくるのが見えた。
「マイキー! どこにいるんだー!?」
「うっ…。」
何となく顔を合わせ辛くて、オイラはすぐそばの路地に隠れる。すると、ドナちゃんはオイラが隠れた路地の手前で立ち止まって、辺りを見回し始めた。
「マイキー…。どこ行っちゃったんだよ…。」
不安そうに呟くドナちゃん。ため息と一緒に、おでこに手を当てて呻いた。
「僕のせいだ…。メカに夢中になっちゃって、マイキーをほっぽっといたから…! どうしよう…。」
あれ…? ドナちゃん、もしかして、泣いてる…?
「謝らないと…。でも、どこにいるんだ? …マイキー!」
オイラを呼びながら、ドナちゃんは通りを走っていく。その後ろ姿を、オイラは首だけ出して見てた。隠れてるの、気づかなかったみたい。
「……。」
顔を引っ込めて、オイラは腕の中の紙袋をのぞいた。
悪いこと、しちゃったかなぁ…。いや、オイラをほっぽっといたドナちゃんだって悪い!
でも…。あんなに必死になって、探してくれてる。オイラのこと、何度も呼んでる…。
「……。」
紙袋の中には、ドナちゃんと一緒に食べるはずだったホットドッグ。それをじっと見ているうちに、何だか胸が痛くなってきた。
そうだよ、今日だって、本当は忙しいはずなのに、オイラに付き合ってくれた。それなのに、あんなちっちゃい事でむくれて、一人で歩いて、心配かけて…。
謝んなきゃいけないのは、オイラの方じゃないか!
そう思った瞬間、オイラは食べかけのホットドッグを急いで飲み込んで、ドナちゃんの後を追っかけた。
「ドナちゃーん!」
こんな短い時間で、どこまで行っちゃったんだろ…。とにかく、探さなきゃ!
せっかくのホットドッグも、ドナちゃんと一緒じゃなきゃ美味しくない。何をしてたって、どこにいたって、ドナちゃんと一緒じゃなきゃイヤだ!
「あれー…。」
交差点まで来て、オイラはきょろきょろと周りを見回した。人は多いんだけど、その中にドナちゃんの姿はない。
「ドナちゃん…!」
取り残されたようで、心細くなってきた。どうしよう…!
「マイキー!!」
「っ!?」
通りの向こうから聞こえた声に、オイラはびっくりして紙袋を取り落とす。そっちに目を向けると…。
「ドナちゃん!」
「マイキー! 待ってて、すぐ行くから!」
なかなか変わらない信号に、ドナちゃんはイライラしてる。だけど、オイラはすっごく嬉しかった。ドナちゃんが、オイラを見つけてくれた、それだけで。
やっと信号が変わって、ドナちゃんがこっちに走ってくる。オイラが動けないでいると、ドナちゃんは走ってきた勢いそのままに、オイラを思いっきり抱きしめた。
「マイキー、良かった…、無事で…!」
荒い息をつきながら、ドナちゃんはオイラにしがみついて離れようとしない。オイラもドナちゃんに抱きつくと、胸の中の寂しさが一気に消えていった。
「ドナちゃん…、ごめん…。」
「何でマイキーが謝るのさ。謝るのは僕の方だよ…。せっかくマイキーと一緒に出掛けたのに、一人ぼっちにさせて…、本当にごめん。」
「ううん、オイラの方こそ…。」
それ以上、言葉にならなかった。ぎゅっとしてくれるドナちゃんの腕が気持ちよくて、すっごく安心できて…。
うん、やっぱりドナちゃんと一緒が一番いい!
「…あれ? マイキー、その袋、何?」
「あっ…。」
言われて始めて、オイラはホットドッグの入った紙袋を、落っことしていたのに気づいた。
「あちゃー…。」
オイラは紙袋を拾い上げ、中をのぞく。崩れてはいないみたいだけど…。
「…ホットドッグ。ドナちゃんと一緒に食べたいな、って思って…。」
後ろ頭を掻くと、ドナちゃんは優しく笑って、
「いいよ。帰ってから、みんなで食べよう。」
そう言って、オイラの手を握って歩きだした。
「あんまり遅くなると、いけないからね。」
「…うん、そうだね、帰ろう!」

二人、並んで歩く帰り道。もうすぐ沈もうとしてる太陽が、オイラたちを照らしていた。
「オイラ、夕方って大好き。」
「どうして?」
「だって、空がオイラの大好きな色になるんだ!」
「…あぁ、オレンジね。」
呆れたように呟くドナちゃんに、オイラは続けて言った。
「そんで、日が沈んだ後は、…ドナちゃんの色になるから。」
最初はきょとんとしてたドナちゃんだけど、すぐに笑ってくれた。
「…そうだね。」
繋いだ手のあったかさが嬉しくて、オイラは腕を前後にぶんぶんと振った。
後ろを向くと、オイラとドナちゃんの二人分の影が、長ーく伸びていた。
「…ちっちゃい頃にも、こうやって、手ぇ繋いで、一緒に帰ったことがあったよね。」
オイラの言葉に、ドナちゃんも頷いて、
「あったあった。確かマイキーが下水道で迷子になっちゃって、みんなで手分けして探したんだ。で、僕が見つけて一緒に帰ったんだけど、マイキー泣いちゃってねぇ。大変だったなぁ。」
「…それ、今言わなくてもいいじゃない。」
「ふふ~ん♪」
出た。ドナちゃんのイジワル。
ちょっぴりむくれて、オイラは空を見上げた。と、少しずつ星が見え始めた空に、流れ星が一つ、尾を引いて流れたのが見えた。
「あっ! ドナちゃん、流れ星だ!」
「…えー? どこどこ?」
「んもー、もう消えちゃったよ! オイラしっかり見たもんねー!」
胸を張るオイラに、ドナちゃんは、
「何か、願い事した?」
「…え?」
願い事…? うっわ! 忘れてた!
「あうー…。」
がっかりするオイラを、ドナちゃんはくすくす笑いながら見てる。
「…しなかったんだ。」
「だ、だって! いきなりだったから…。」
「ま、また見られるでしょ。」
楽しげに言われたのが面白くなくて、オイラはじっと空を見つめる。また流れろ、また流れろ…!
「…マイキー、ちゃんと前向いて歩かないと、転ぶよ?」
「もー! オイラはどこ見てればいいのさ!」
怒るオイラに、ドナちゃんは平然と、
「マイキーは、僕を見てればいい。」
「うっ…!」
かっ…、顔が熱いのは、夕日のせい、夕日のせい!
「あれー? マイキー、照れてる?」
「照れさせたくせに!」
オイラたちの笑い声が、夕焼け空に消えていく。影はもう、ものすごく長い。
「あ、そうだ。さっきの願い事で思い出したけど、ドナちゃんの夢ってなに?」
「えぇ? 僕の夢?」
「うん。ちっちゃい頃は、世界一の科学者になるって言ってたけど、今も変わってないの?」
「うーん…。」
空いたほうの手を頬に当てて、ドナちゃんは考え込む。
「僕の夢、は…。」
眉間に皺が寄るまで考えていたドナちゃんだけど、急に何か思いついたみたいで、ぱっと笑顔になった。
「…マイキーを、幸せにすること、かな。」
にっこり笑って言われて、オイラはどきっとした。ダメだ、また照れちゃう…。
「ん? どしたの?」
「う、ううん。何でもない。」
顔をのぞき込んできたドナちゃんに、オイラは笑顔を返した。
「それより、早く帰ろ。みんな待ってるよ。」
言いながら、オイラはドナちゃんと繋がった指先に、ぎゅっと力を込めた。

ドナちゃんは、知らないんだ。
その夢は、もうとっくに叶ってる、ってことに。
ドナちゃんと一緒にいるだけで、オイラはとっても幸せなんだ、ってことに。
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