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タートルズSS 「He is special. very special.」 (ZD) 

夕飯を終えると、僕はこっそり我が家を抜け出す。
夜の闇に紛れ、ビルの上を飛び回る。ひんやりとした夜気の中、思い切り体を動かすのは、本当に気持ちいい。
そして、程なくして目的地に辿り着く。密やかに階段を昇り、ドアの前でノックを三回。ドアが開くなり、僕は幸せに抱きしめられる。

「…会いたかったよ、ドニー」

「…僕もだよ、ジックス」

いつだって僕を優しく受け止めてくれる、大好きな人の元で。


「本当なら、すぐにでもお前をベッドに押し倒したいんだが…」

僕から手を離し、ジックスは残念そうに肩をすくめる。

「まだ仕事が残っていてな」

「仕事?」

「ああ。カフェの決算業務なんだ。コーヒー豆の仕入れ値やら、今月の売り上げ高なんかを、全部計算しなくてはならないんだ。お前が作ってくれたソフトが、とても使いやすくて、助かっている」

部屋の中に上げてもらうと、部屋の中央に置かれたテーブルの上に、彼のノートパソコンが置かれている。その横には帳簿とかの記録が積まれていて、忙しそうだ。

「すぐに終わらせてしまうから、本でも読んで待っていてくれ」

「分かった」

ジックスはパソコンの前に座り直し、慣れた手つきでキーボードを叩き始める。僕も言われたとおり、彼の部屋にある雑誌に目を通したり、外の景色を眺めたりしていたけど、どうにも手持ち無沙汰だ。
台所の方に目をやると、そこにあるのはカフェにあるのと同じコーヒーメーカー。それを見た瞬間、僕の頭に素晴らしいアイディアがひらめいた。

「ジックス、コーヒー淹れるね」

「すまんな」

いいよ、いつも美味しいコーヒーを淹れてもらってるんだもん、たまには僕がジックスにコーヒーを淹れてあげたいじゃない。
セットされている豆の配合は、ジックスご自慢のスペシャルブレンド。荒挽きになったそれに、別に沸かしたお湯を注いで、待つこと少し。

「えっと…」

ジックスの好みは、角砂糖とミルクのポーションが一つずつ。大きめのマグカップにコーヒーを満たすと、芳醇な香りが部屋に広がる。

「はい、ジックス。お待たせ」

「悪いな、ドニー」

嬉しそうに笑いながら、ジックスは僕の手からカップを受け取り、美味しそうに飲み出す。自分のカップを持って僕がテーブルに戻ると、ジックスは感慨深いといった風情で口を開いた。

「やはり、人に淹れてもらったコーヒーというのは、美味いものだな」

それが、何よりも愛しい存在なら、極上の味わいとなる。そこまで言って、ジックスは満足そうな顔でコーヒーを飲み干してしまう。

(…その極上を、僕はいつも、味わってるんだ…)

そう思うと、急に恥ずかしくなってしまう。赤くなっているのを悟られないよう、僕はカップを傾けて顔を隠した。

「…よし、あと一息だ」

カップを置き、ジックスが再びパソコンに向かう。その真剣な表情を、僕は何となくじっと見つめてみた。

短く刈り揃えた黒髪は、全て後ろに撫で付けてある。時折瞬きをする瞳は、キレイな緑色。
丁寧に整えられたヒゲの中に、さっきのコーヒーで潤った唇。目を離すことが出来ない。…何か、ドキドキしてきちゃった…!
と、僕の視線に気づいたのか、ジックスがパソコンの画面から目を離し、僕の方を見た。

「どうした? ドニー」

「え、あ、いや、その…」

まさか、見とれてたなんて言えない。言葉に詰まる僕を見て、ジックスは含み笑いを漏らす。

「もしかして、俺の顔に見とれていたのか?」

「うっ」

…図星だ。恐らく隠せないだろうとは思っていたけど。
何となく悔しくて、僕はぬるくなってしまったコーヒーを飲み干す。するとジックスが、こんなことを言い出した。

「なぁドニー、お前と付き合いだしてから、どれぐらい経っただろうか?」

「えっ?」

「離れていた時期もあったから、そうだな…、三年? といったところかな」

…それが、一体どうしたんだろう。

「それだけの月日を、側で過ごして来たというのに、お前はまだ、俺の顔に見とれるほど、俺を好きでいてくれているんだな」

嬉しいよ、ありがとう。

甘い言葉を紡がれ、僕の胸は高鳴ってしまう。…彼の言う通り、見慣れたはずの顔に心がときめいてしまうほど、僕はジックスのことを愛しく想っている。

「…じゃあ、ジックスは?」

逆に問いかけてみると、彼はキーボードに置いた指を止め、困ったように視線を巡らし、

「…もう少し待ってくれ」

「…えっ、どういうこと?」

彼は言う。あと少しで仕事が終わるから、そうしたらベッドの中でたっぷりと囁いてやる、と。

「…バカっ」

「おいおい、ひどいな」

はは、と笑いながら、ジックスはラストスパートとばかりにキーを叩く。僕はというと、さっきの一言だけでジックスが僕に寄せる想いの強さが分かってしまって、高鳴り続ける胸を必死に押さえていた。


最初から分かっていたことだけど、やっぱりジックスには勝てそうにない。







突然降りてきたジックスD

タイトルはニックドニーの名言

みんなもっとジックス書いて!ジックス描いて!!

ではっ
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カテゴリ: タートルズSS(ジックスD)

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