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タートルズSS 「愛してると言えなくて」 (ジックスD+ラフレオ) 

(註:ジックスD=成就済み、ラフレオ=成就前 です。)





夕飯を済ませ、こぼれる満足のため息。
この時代での暮らしにも、だいぶ慣れた。最初はコンビニを使っていたが、最近では簡単な自炊もするようになっていた。
「…さて、と。」
今日はドナテロが来ない。なので、俺は仕事の帰りに、いくつかDVDをレンタルしてきていた。それを見ようと、DVDのケースに手をかけた瞬間、玄関のチャイムが鳴る。
「誰だ? …ドナテロか?」
今日は来られないと言っていたのに、まさか、急に会いたくなったか? それなら、借りてきたDVDから恋愛ものを選んで、一緒に見よう。玄関のドアを開けるまでにそこまで考えて、俺は笑顔で恋人を迎え入れる…はずだったのに。
「…えっ?」
笑顔が、一気に怪訝なものへと変わる。そこにいたのは、ドナテロによく似た、彼以外の人物。
「…ドナテロじゃなくて悪かったな。」
肌に突き刺さりそうな鋭い視線。しかも、目元に巻いたバンダナは、赤。確か…
「…ラファエロ、だったか?」
「そうだよ。お前、まだ覚えてねぇのか。」
「冗談だ。」
一気に、視線が剣呑なものへと変わる。俺は気を取り直し、ラファエロがわざわざここに来た理由を聞いた。
「…お前に話がある。」
「なるほど。まぁ、上がれ。」
俺が脇へ退くと、ラファエロはその横をすり抜けて部屋へと入ってくる。適当にクッションを勧め、俺は台所に立った。
「コーヒーでも飲むか?」
「何にもいらねぇからとにかく座れ。」
…やれやれ。いつになったらこの態度は軟化するのか。ともあれ、俺はテーブルを挟んで、ラファエロと向かい合う。すると、それを待ちかねたように、彼が口を開いた。
「単刀直入に聞く。お前、ドナテロのこと、本気なのか?」
「…無論だ。」
低く答えて、俺は眉間に皺を寄せる。何だ、話というのは、ドナテロとの交際のことか…?
いや、どうも違うらしい。唇を舐めて湿らせ、ラファエロはようやく本題と思われることを切り出した。
「…じゃあ、どうやって、お前は、ドナテロと…。」
「…ドナテロと? 何だ?」
「……。」
先を促しても、ラファエロはそれきり黙り込んでしまう。何が言いたいのかさっぱり分からない。
(はて…。)
確かラファエロは先ほど、「どうやって」と言っていた。そこから俺は話の続きを導き出す。
「俺が、どうやって、ドナテロへ想いを伝え、そして互いに想い想われるような関係になったのか、それを聞きたいのか?」
「…あぁ、そうだよ。」
俺が察してくれたのに安堵したのか、ラファエロは溜まっていた息を吐き出す。ふむ、どう答えたものか…。
「そうだな、ありのままを言おう。ドナテロが寝ている部屋に忍び込んで、寝ているあいつに覆い被さって、唇を奪った。」
「えっ…!?」
「当然、ドナテロは目を覚ます。そこで俺は、お前の唇と心を奪いに来たと告げ、突然のキスでドナテロが慌てている内にさっさと逃げてきた。次の日も同じようにしたが、その後は二日ばかり間を開けた。まぁ、この辺りは駆け引きというものだな。」
俺の言葉に、ラファエロは呆然としている。
「本当かよ…。」
「こんな嘘はつかん。何なら、ドナテロにも聞いてみろ。今の話と全く同じことを言うだろう。」
「……。」
再び黙り込むラファエロ。何か考え込んでいるようだが…。
「今度は、俺が質問をする番だ。どうしてそんな事を聞く? お前も誰か、心に想う相手でもいるのか?」
「…っ、ぐ…!」
みるみるうちに、ラファエロの顔が真っ赤に染まる。図星のようだ。
「さあ、洗いざらい喋ってしまえ。楽になるぞ。」
低く呟いてから、俺はラファエロをじっと見つめる。すると、しばらくして視線のプレッシャーに耐え切れなくなったか、ラファエロが言葉を絞り出した。
「…、実は…。」
ラファエロが語った話を聞いて、俺は驚愕に目を見開いた。何とラファエロは、自分の兄弟である「レオナルド」に、想いを掛けているというのだ。それも、まだ子供だったころから、ずっと。
「…まぁ、相手がドナテロではないのなら、俺はそれでいいが。」
「…うっせぇよ。」
ラファエロの話は続く。成長するにつれ、その想いはますます強くなってきている。しかし、ずっと兄弟だったためか、想いを伝えるタイミングがなかなか掴めないのだという。
「妙な話だな。幼い頃から一緒に育ってきたのなら、レオナルドの好みぐらい簡単に分かりそうなものだが?」
「兄弟だからこそ、分かんねぇこともあんだよ。」
「…そういうものか。しかし、レオナルドの性格を考えると、先ほど言った俺のやり方は、正直お勧めしないぞ?」
俺がそう言うと、ラファエロは憮然とした表情になる。
「…多分、な。だけど、何も行動に移さねぇよりはマシだろ。」
ため息一つついて、ラファエロが立ち上がる。話はここで終わりのようだ。
「…悪かったな、急に押しかけちまって。」
「気にするな。ドナテロの兄弟なら、俺にとっても兄弟のようなものだ。」
「…ぶっ飛ばすぞ、てめぇ。」
やれやれ、冗談が通じないな。ラファエロを送り出して、大きく伸びをする。
(…しかし)
あんな本気の相談をされるとは思わなかった。少しずつ、信頼を勝ち得ているのだろうか。
いずれにしても、良い傾向だ。結果は、後でドナテロに聞こう。そう思いながら、俺は借りてきたDVDからアクション物を取り出し、その日の夜を楽しんだ。


翌日、早くも動きがあったようだ。
「…ん?」
仕事を終え、買い物を済ませて戻ってみると、部屋のドアの前に誰かがいた。近づいていくと、そいつは俺の気配に気づいて顔を上げる。赤いバンダナが見えて、俺はようやく警戒を解く。
「ラファエロか…。どうした?」
問いかけにも、彼は答えない。俯いたままのラファエロを部屋に招き入れ、買ってきた物を冷蔵庫にしまう。
「一体どうしたんだ?上手くいったのか?」
…返事はない。振り向いて見てやっと分かった。ラファエロは部屋に招き入れたにも関わらず、玄関先に突っ立ったままだった。
じっと見つめる俺の前で、ラファエロは変装用の帽子を取る。…気のせいではない、左の頬が腫れている。
「何があった?」
真剣な顔で詰め寄ると、ようやくラファエロは口を開いた。
「…昨夜、お前と同じことをやってみた。」
「…やったのか。あまりお勧めしないと言ったはずだが?」
「何にもしねぇよりはいいと思ったんだ。そうしたら…。」
「…頬を張られた、と?」
ラファエロは悔しそうに頷く。弁解の時間も与えられずに、部屋を追い出されたらしい。
「何で上手くいかねぇんだろうな…。」
深いため息をつき、ラファエロは途方にくれたように天井を見上げる。一方俺は、ラファエロのような性格の奴にぴったりの説得方法を見つけた。
すなわち、挑発。それを実行に移すべく、俺は口角を上げ、落ち込むラファエロを鼻で笑い飛ばした。
「やれやれ、タートルズの切り込み隊長ともあろう者が、何と情けない。」
「…何だと?」
…かかった。ラファエロの声に怒気が混じるのを気にせず、俺はにやにやと笑いながら続ける。
「自分の感情を、直接相手にぶつける事も出来ず、こんな所でぐだぐだと…。とんだ臆病者だな、お前は。」
「…何でてめぇにそこまで言われなきゃなんねぇんだ!」
「事実だろうが! 違うと言うなら、正面切ってレオナルドに告白してみせろ! 臆病者には無理か?」
「ぐっ…!」
拳をわなわなと震わせて、ラファエロは歯を食いしばる。やがて鋭い目つきで俺を睨み付け、
「分かったよ! 正々堂々とレオナルドに告白してきてやる! 今に見てやがれ!」
怒り心頭、といった面持ちで、ラファエロは俺の部屋を出て行く。力任せに閉められたドアをしばらく見つめた後、俺は小さく呟いた。
「頑張れよ、ラファエロ。」


その翌日。店の営業を終わらせた俺は、閉店業務を全て終え、スペシャルブレンドの準備にかかっていた。
今日はドナテロが来てくれる。それが何ともなしに嬉しくて、カップをいつもより丁寧に磨き上げた。
やがて、裏口のドアが開く。バックヤードを通り抜けてきたドナテロを、俺は笑顔で迎えた。
「ドナテロ、会いたかったぞ。」
「…うん、僕も会いたかった。」
たった二日会わないだけで、こんなにも愛おしい。いつもの指定席に腰掛けたドナテロに、淹れたてのスペシャルブレンドを出した。
「はー、美味し…。」
幸せそうにコーヒーを飲むドナテロに、俺まで和んでしまう。
「あ、そうそうジックス、昨夜凄いことがあったんだ。」
飲みかけのカップを置いて、ドナテロがカウンターに身を乗り出す。
「何だ?」
「あのね、ラファエロがレオナルドに告白してね、あの二人、何と付き合い始めたんだ!」
「…ほう。」
ドナテロの話を聞きながら、俺は自分の作戦が上手くいったことに満足していた。やはりラファエロのようなヤツは、挑発して怒らせるに限るな…。
「それで、僕が今日ここに来る前に、ラファエロから伝言を頼まれたんだ。『ありがとうって言っといてくれ』って。ジックス、何かしたの?」
…おやおや、もうネタバラシか。
「その前に、昨夜のラファエロの状況を聞かせてくれないか?」
コーヒーのお代わりを注ぎながら、俺はドナテロにそう促す。
「う、うん。いいけど…。」
カップを両手で持ちながら、ドナテロは話し始めた。昨日の夜、激怒しながら帰ってきたラファエロは、勝手な外出を諌めようとしたレオナルドの肩を掴み、一息にこう言ったらしい。
「レオナルド! 俺はお前が好きだ! 頼む、俺と付き合ってくれ!!」
最初は驚いていたレオナルドだったが、ラファエロに抱きしめられて、耳元で何か囁かれているうちに、ゆっくり瞬きをして、ラファエロの体に腕を回し、こくりと頷いたそうだ。
「すごい大きな声でね、我が家中に響くぐらいの。」
「レオナルドは断らなかったのか?」
「んー、何か、気圧されたっていう感じだった。頷くしかなかったみたい。」
「そうか…。」
やったなラファエロ、お前の念願は叶ったぞ。胸の内で称賛を送ると、ドナテロがさらに身を乗り出してきた。
「で? ジックス、一体ラファエロに何を言ったの?」
「あー…。」
迷った末、俺は正直に話した。自分がどうやってドナテロと心を通わせるようになったのか、その経緯。そして、項垂れるラファエロをわざと挑発して、奮起させたことも。
「全て丸く収まったんだ。良い事だろう?」
「…うん、いいんだけど…。」
ドナテロはカップで口元を隠し、ごにょごにょと呟く。
「…ちょっと、恥ずかしい。」
「何がだ? 俺たちの馴れ初めを話してしまったことがか?」
「う…。」
顔を赤くして、ドナテロは俯いてしまう。俺はカウンターの中から彼の隣に移動して、そっと肩を抱いた。
「あの二人は、まだ始まったばかりだ。温かく見守ってやってくれ。」
「…うん。」
ようやく、ドナテロに笑顔が戻る。さて、他の奴の話は、ここで終わりにしよう。
「今夜は、泊まっていけるんだろう?」
「…そのつもりだよ。」
コーヒーを飲み干して、ドナテロは俺に笑みを向けてくれる。…この上なく、幸せなひととき。
「…ドニー。」
低く囁いて、俺は彼に口付ける。微かにコーヒーの味がした。






R「愛してる! でも、この想いを伝えちまったらもう、俺たちは兄弟には戻れねぇ!」

Z「…ドナテロ、ナイトウォッチャーとはああいうものなのか?」

D「いや僕知らない」

お待ちどうさまでしたイケジックスです


では、今日はこの辺で。
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