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タートルズSS 「Welcome to Kona Wind」 (ジックス×ドニー、擬人化) 

(註:このSSは、亀サイト「special+spec-f」様の擬人化設定をお借りしています。あと、ドニーががっつり女装しています。そういうのが苦手な方は、閲覧をご遠慮ください。)








朝起きると目の前に、人間の姿になったドナテロがいた。
(…あぁ、またか。)
さすがに、二度目ともなると慣れる。俺はベッドの上に体を起こし、細い肩を揺らす。
「…ドナテロ、起きろ。」
「んー…。」
少し揺らすと、彼は眉間に皺を寄せ、目を擦る。
「…あ、おはようジックス。って、あれ…?」
ようやく自分の姿が変わっていることに気づいたのか、ドナテロは自分の両手をしげしげと見回し、はは、と力なく笑いを浮かべた。
「…また、だね…。ごめんジックス、驚いたでしょ。」
頭をかくドナテロに、大丈夫だ、と告げ、額にキスを一つ。
「ジックス…?」
「まだ眠気が残っているだろう? 今日はゆっくりしていてくれ。」
本当なら、まだ彼とベッドの中で時を過ごしたい。しかし、今日は店を開けなければならない。盛大に後ろ髪を引かれながら、俺は身支度を整えた。
が、着替える段階で、俺はふとある事を思いつく。振り向いた俺は、素晴らしいくらいの笑顔だったに違いない。
「ドナテロ、今日一日、アルバイトしないか?」


「な、何だよコレ…。」
店のバックヤードから出てきた彼の姿に、俺は目を細めた。
今日のドナテロは、紺色の丈の長いワンピースに、ふわりとした白いエプロン。真っ白なソックスに、黒の靴。古風なメイド姿に、足の方まである、緑色のさらさらの髪が揺れる。今日はポニーテールではなく、普通に髪を下ろさせている。
そして、レースのたっぷりついた真っ白なヘッドドレスをつけてやると、彼はさらにしとやかな姿となった。
「紫色でなくて申し訳ないが、よく似合っているぞ、ドナテロ。」
「いや、そういうことじゃなくてさ…。」
「誉めているんだぞ?」
ウィンクをすると、ドナテロは顔をぽっと赤らめる。俺は笑いながら、固く絞った布巾を手渡した。
「さぁ、開店準備だ。俺はカウンターを拭くから、お前はテーブル席の方を拭いてくれないか?」
「…う、分かった。」
まだ納得していないような様子だが、ドナテロは俺の指示を受けて動き始める。その間に、俺は届いた品物のチェックをし、レジへの配金を済ませる。
「終わったよ、ジックス。」
「あぁ、ありがとう。さ、店を開けるぞ。」
ドアにかかる札を、「OPEN」にすると、程なくして初老の男性が入ってきた。彼はここの常連で、いつも開店してすぐに来てくれるのだ。
「おはようございます。」
「やぁ、おはようジックスさん! 今日も美味いコーヒーを頼むな!」
「お任せ下さい。」
常連ということもあり、彼がいつも頼むメニューは把握している。さっそくコーヒーを淹れにかかると、彼は目ざとくドナテロを見つけたようだ。
「お! あの子は何だい?」
やはり少し恥ずかしいのか、ドナテロはこちらに背を向けて作業をしている。そんな彼の背に、俺は声を投げた。
「あぁ、私の恋人です。普段はあまり店には来ないんですが、今日は特別にアルバイトをしてもらっているんです。」
「へー! そうなのかい! いやージックスさんも隅に置けないねぇ!」
出したコーヒーを傾けながら、男性は興味深そうな視線を注いでいる。…俺から見ると、髪の毛に隠れた首筋が、見る見るうちに赤く染まっていっているのが分かる。
「ちょっと、ご挨拶したいねぇ。」
「いえ、それはご勘弁ください。その、とても恥ずかしがりやなものですから…。」
「そうなのかい。まぁ、無理強いはしないよ。」
その後、未だに後ろを向いたままのドナテロに、ジックスさんをよろしくね、と声を掛けて、男性は店を後にする。ドアベルの音が鳴り終わると同時に、ドナテロは真っ赤な顔で振り向いた。
「じ、ジックス! 何て説明してんのさ!!」
「…何、とは?」
こちらに食って掛かるドナテロに、私はカップを拭きながら平然と答える。
「ぼ、僕のこと、こっ…!」
彼はそこで言葉に詰まる。…あぁ、先ほどの男性に「恋人だ」と紹介したのが、そんなに恥ずかしかったか。
「ドナテロ、お前は俺の何だ?」
「えっ…?」
「恋人、ではないのか? 違うのか?」
彼は返答に困り、しばし視線を彷徨わせ、やがて観念したようにぽつりと呟く。
「…違わ、ない。」
「そうだろう? なら、恋人だと紹介しても、何の問題もないじゃないか。」
「…う、それは、そうなんだけどさぁ…。」
ドナテロが照れて、体の前で指を捩らせるたびに、白いエプロンにドレープが出来て微かに揺れる。
「…は、恥ずかしいじゃないか…。」

…あぁ。

その、真っ赤に染まった表情もまた。

「…愛しているよ、ドニー。」
「っ…!」
思わずこぼれ出た想いに、ドナテロはさらに顔を朱に染める。
「…も、もういいっ。」
拗ねたのか、ドナテロは完全にそっぽを向いてしまう。そんな様子がおかしくて、俺は肩を震わせて笑い続けた。


その後、一時間もすると、ドナテロは衣装にも働くことにも慣れてきたようで、自分から積極的に動くようになってきた。
その日は、ドナテロのおかげもあってか、結構な売り上げだった。
閉店後、掃除を済ませると、一気に疲れが襲ってくる。カウンターのいつもの席に突っ伏すドナテロを見ながら、俺はレジの精算をする。
「お行儀が悪いぞ、ドナテロ。」
「だって、実際にこうやって働いたことなんて、初めてだったから…。」
「仕方ないな…。」
俺は今日の分の売り上げから、紙幣を数枚抜き、細い封筒に入れて彼の前に差し出す。
「…え? これ、何?」
「今日のバイト代だ。…よく働いてくれたからな。ありがとう。」
「…も、もらっちゃって、いいの?」
「当然の報酬だ。」
ドナテロは少しとまどいながらも、俺から封筒を受け取り、嬉しそうに微笑む。続けて、淹れたてのスペシャルブレンドを置いてやると、ドナテロの顔はさらに明るくなった。
「わぁ、嬉しい…!」
さっそく、ドナテロはコーヒーに口を付ける。ほっとした吐息が漏れたところで、俺はカウンターから出た。
「…ドナテロ、ちょっと立ってくれ。」
「何?」
言われた通り立ち上がるドナテロを、俺は両手を広げて抱きしめる。
「えっ、ジックス!?」
「…今日はありがとう、ドナテロ。感謝している。」
髪の毛の中に指を滑り込ませ、さらりと撫でる。ちらりと見えたうなじが、目に眩しい。
「以前から思っていたんだが、お前の髪は太ももの辺りまであるんだな。…とてもキレイだ。」
「あ…。」
手のひらを頭から頬へと滑らせると、ドナテロの紅潮した頬が視界いっぱいに広がる。今日一日の働きを労うように、俺はドナテロにそっと口付けた。


疲れたら、ここへ来るといい。

カフェ「Kona Wind」。ちょっと不思議な雰囲気のマスターと、可愛らしいロングヘアのメイドが、あなたを待っている。








今年最後の更新は、ジックスDになりました。設定をお借りするにあたり、快諾を下さったT様、本当にありがとうございました。


皆さま、今年もありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。

蒼木るり
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カテゴリ: タートルズSS(ジックスD)

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