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タートルズSS 「酔わせてモヒート」 (闇レオ×闇ドニー) 

(註:現代パロです。二人がホストクラブに勤めている、という設定です。ご注意くださいませ。)






裏口から外に出た俺は、すぐ横の壁にもたれかかり、大きく息を吐き出した。
真夜中でも決して眠らない街。煌々とネオンが輝く場所の一角に、俺が働くホストクラブはあった。
懐からタバコを一本取り出してくわえ、スーツのポケットを探ってライターを取り出し、火を点けようとする。しかし、ガスが少なくなってきているのか、なかなか火が点かない。
じりじりしていると、不意に横合いから、火の点いたライターが差し出される。その手を目で追うと、ライターを差し出した本人がにっと笑った。
「使えよ。」
「…あぁ。」
俺はありがたく、その火を使わせてもらう。ライターの持ち主、ドナテロは、俺の隣で同じように壁にもたれ、さも美味そうにタバコの煙を吐き出した。
「今日もやるねぇ、レオナルドは。一本五万はするワインを、三本も入れさせて、さ。」
「…お前には負ける。」
そう答えると、ドナテロは苦笑と共にタバコの灰を落とす。このホストクラブで一番の売り上げを誇る奴、それがドナテロだ。人当たりの良い性格からか、女性からの受けもいい。固定客もかなりいるようだ。
ちなみに俺は僅差で二位に甘んじている。ある意味、互いが切磋琢磨しあっているせいか、売り上げランキングでも俺たち二人だけが群を抜いていた。
「ま、せいぜいお前に抜かされないように頑張るわ。」
「言ってろ。」
「はいはい。」
俺の言葉を軽く受け流しながら、ドナテロは吸い切って短くなったタバコを携帯灰皿に押し込み、店に戻っていく。残された俺は、タバコの煙を細く長く吐き出しながら、路地裏からのぞく細い空を眺めた。

いつからか、俺はドナテロに、同僚として以上の想いを抱くようになってしまった。
ほとんど同時期に入ってきたせいか、あいつとは一番長い付き合いになっている。今じゃ二人とも、この店の中核を担う存在だ。
それなのに、俺は気が付けば、客としてくる女性ではなく、アイツのほうを常に意識してしまうようになっていた。
ドナテロのいるテーブルが盛り上がり、奴が女性の肩に手を置こうものなら、俺は奴の背中をじろりと睨みつける。恐らく嫉妬だろう。こんな醜い感情、持つべきではない。分かっているのに…。
(…俺が、本当に欲しい指名は、絶対に来ることはないんだ…。)
仕事が終わり、自分のアパートに帰っても、俺は中々寝付けない。冷蔵庫にあったモヒートを煽っても、アルコールは俺の意識を鮮明にしていくだけだった。
(ドナテロ…。)
胸の中で奴の顔を思い浮かべ、俺は目を閉じる。少しずつ回ってくるアルコールの酩酊感だけが、俺を眠らせてくれた。


翌日、俺は非番だった。しかし、取り立てて行く場所があるわけでもない。アパートを出てそこらをうろついている内に、俺は職場であるホストクラブの前まで来てしまっていた。
「……。」
入り口にあるネオンを見ながら、考える。今日は確か、ドナテロは出勤日だったはずだ。つまり、中に入れば、あいつに会える…。
次の瞬間には、俺はもう心を決めていた。とりあえず近くの定食屋に入って腹を満たし、酒をちびちびとやりながら、時を待った。
腕時計で確認すると、時刻は閉店二十分前。俺は勘定を済ませ、意を決してクラブのドアに手を掛ける。しかし、俺が取っ手を引くまでもなく、ドアは自然に内側から開いた。
思わず避けると、中からは客と思わしき女性が数人、楽しそうに語り合いながら出てきた。そんな女性たちを見送りに出たのが…、ドナテロだった。
(…!)
驚く俺を後目に、ドナテロは女性たちを丁重に送り出す。
「ありがとうございました! またのお越しをお待ちしております!」
なおも手を振り続ける女性たちにもう一度頭を下げ、くるりと振り向いたドナテロは、ドアの側にたたずむ俺に気づいて、ぎょっとした。
「れ、レオナルド…? お前、今日、非番じゃ…?」
「…今日は客だ。入れてくれ。」
「…あぁ、いいけど…。」
ドナテロに案内されて、俺は空いたテーブル席に座る。働いていた後輩たちが、くだけた格好で店に来た俺に、ひどく驚いていた。
「相手、俺でいいか?」
「…あぁ。」
声を掛けてきたドナテロに返事をし、俺は深々とソファに座り直した。普段、仕事ではさんざん座っているこのソファだが、こうやってプライベートで来ると、少し新鮮なような気もする。
「何飲むんだ?」
「そうだな…、ドンペリ入れてくれ。ロゼでな。」
メニューも見ずに放った俺の一言に、ドナテロは今度こそ撃沈する。
「なっ、お前っ…! いいのかよ! 俺の売り上げになっちまうぞ!?」
「構わん。その代わり、例の大騒ぎは無しで頼む。」
ここにも一応、ドンペリやら高い酒を入れてくれた客に対する「お礼」みたいなものがある。要はその客を従業員全員で誉めそやし、いい気分になってもらおうというものだ。それを、俺は断ったのだ。
「…ちょっと、待ってろな。」
怪訝な顔つきのまま、ドナテロが厨房に入っていく。程なくして、ドナテロがドンペリをトレーに載せて戻ってきた。よく冷えたシャンパングラスを二つに、さっと見繕ったおつまみ、数種。
「開けるぞ。」
言うが早いか、ドナテロは慣れた手つきでボトルの蓋を開ける。シャンパングラスに注がれた、薄い桃色の液体。グラスの底から、小さな泡がとめどなく湧き出てくる。…俺の、ドナテロへの想いと一緒だ。
「…お前とやる、っつーのも何だが…、乾杯。」
どことなく照れくさそうなドナテロの声に合わせ、俺たちはグラスを掲げ、軽く合わせる。その澄んだ音の反響が消えない内に、俺はグラスの中のシャンパンを全て飲み干していた。途端にドナテロが腹を抱えて笑い出す。
「お前っ…、いくら自分で頼んだからって、一気飲みするかー!?」
「いいんだ。これから、とても素面では言えないような話をするんだからな。」
「話って、俺にか?」
笑いながら、ドナテロは空になった俺のグラスに、シャンパンを満たしてくれる。立ち昇る泡をじっと見つめながら、俺は彼のほうを見ずに口を開いた。
「…ドナテロ。」
「ん?」
チーズの乗ったクラッカーを口に放り込んで、ドナテロは軽い返事をする。俺は大きく息を吸い込み、呼気と共に思いのたけを吐きだした。
「…お前が好きだ。」
クラッカーを噛み砕く音が、止まった。顔を上げられないでいると、ドナテロは口の中のものを飲み下し、じっと俺に視線を注いでいるようだった。
「…好き、って?」
…そんな風に聞いてくるということは、言い方がまずかったのだろうか。俺はもう一度、今度はもっと分かりやすく伝える。
「…お前を、愛している。」
今度は、はっきりと分かったのだろう。二人の間に沈黙が落ちる。
「…れ、レオ…。」
掠れた声で、ドナテロが俺の名を呟く。すると、もうすぐ閉店時間なのだろう、今日の終礼を行う旨の放送が流れた。
「ちょ、ちょっと待っててくれ。レオナルドだから、帰んなくても大丈夫だろ…。」
あせったように言い、ドナテロは席を立つ。去り際に、こんな一言を残して。
「それ、全部飲むなよ! 戻ってきたら、また俺も飲むんだからな!」
「…分かった。」
ぱたぱたと走り去るドナテロを見送り、俺は中身の満ちたシャンパングラスを持ち上げる。一口飲むと、収まっていたはずの泡が、再び溢れ出してきた。今度はゆっくり、味わって飲もう。


「いいって。施錠なら俺がするからさ。ほい、上がった上がった。」
今日の店舗の施錠の当番である後輩を、無理やり帰らせて、ドナテロは裏口のドアを閉めてしまう。そして、
「待たせちまったな。」
誰もいない店内で、悠々とドンペリを楽しんでいた俺のもとに、また戻ってきた。
「残ってんだろうな? これ。」
ドナテロはボトルを持ち上げ、自分のグラスに改めて注ぐ。それを半分ほど喉に流し込んだところで、ドナテロは目を瞬かせた。
「…んで、レオナルド。さっきの言葉って、…本気なのか?」
「…いくら酒が入っているとはいえ、俺が嘘で、あんなことを言うやつだと思うか?」
「思わない、けど…。」
再び落ちる沈黙、俺は耐えられなくなって、少しだけ空いていたドナテロとの距離を、一気に詰めた。
「えっ…!?」
ドナテロが驚いたときには、俺は彼の唇を奪っていた。普段、女性に向かって明るく話しかけているこの口が、今、微かにわなないている。
「…もう一度言う。お前を愛している。嘘なんかじゃない、本気だ…!」
囁くように言い、俺はドナテロをぐっと抱きしめる。スーツの下に隠されたスレンダーな体の感触が、服越しに伝わってくる。そして、
「…っ、ふっ、ふふっ…。」
ドナテロの、押し殺した含み笑いも、同時に伝わってきた。
「何だ、何がおかしい。」
俺が諌めても、しばらくドナテロの笑いは止まらなかった。やっと笑いを収めたと思いきや、ドナテロは俺を抱きしめ返してきた。
「…やー、まいったね、どうも…。」
驚いて体を離すと、ドナテロは照れくさそうな笑みを浮かべ、俺から視線をそらす。
「まさか、レオナルドがそんな風に思ってたなんてな…。全然気づかなかった。」
「…それはいい。早く返事をしてくれ…!」
「はいはい。」
ドナテロは、いつものように俺の言葉を受け流そうとして…、不意に、俺の唇をキスで塞ぐ。
「なっ…!?」
「…俺も、お前が好きだよ。俺の恋人になってくれるよな、レオナルド。」
目の前で、嬉しそうに笑うドナテロの顔。それが、少しずつ滲んでいった。


俺が、何よりも待ち望んでいた、ドナテロからの指名が、目の前に舞い降りてきた。

この感情を、どこにぶつければいいのか分からない。だから俺は、ドナテロの体を、しっかりと抱きしめ直した。






ついったーで、「ホストクラブパロで、砂糖菓子のような闇寒色を書きましょう」ってお題が出たんですよ。

予想以上に話が膨らんでしまって、これはもうついのべじゃ収まらないってことで、急遽ここで。

…はっは 何でしょうねコレっ(^ω^)


余談ですが、二人が働くホストクラブの名前は、「Day of Awakening」です。
公式サイトのトップに、

「あなたが、心から安らげる場所は、どこですか?

日常にふと疲れたとき、自分が潤っていないなと感じたとき、この扉を開けてみて下さい。

それが、あなたの『目覚めの時』です。

あなたのご来店を、従業員一同、心よりお待ちしております。」

と、このような文章が書いてある、と思ってくださいまし。



ここまで設定が作りこまれましたが、続編の予定は未定です。^ω^


では、今日はこの辺で。
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