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タートルズSS 「自らの翼」 (闇レオ×レオ) 

もし、俺の背にも翼があったなら。

この呪縛から解き放たれ、大空を自由に舞うことが出来るのだろうか。



イヌワシ軍人という者たちがいた。

彼らは、かつては勇猛果敢な猛者として名を馳せていた。

しかし、時が経つに連れ、彼らの強さは無用のものとなり、デリアス・ダン― あの、忌々しい男の「持ち物」となっていた。逆らうことは許されず、凍結装置と言う名の牢獄に繋がれて。

だが、彼らは他ならぬタートルズと関わることで、自らの「戦士としての誇り」を取り戻し、同時に自由も手に入れた。

もし、俺にも、彼らのような翼があったなら。

彼らの事を知ってしまってから、俺はそう考えてしまうようになった。


「えぇい、あの忌々しいタートルズめ…!」
目の前をうろうろしながら、デリアス・ダンは毒づく。その身を醜悪な機械に包まれながら、まだ諦めきれずにいるのだ。
そして奴は、その機械の腕を乱暴に振り回し、目の前にいる俺たちを怒鳴りつける。
「お前たちは何をしているのだ! 一刻も早く、あの亀共を倒しに行け!」
俺は、奴を冷ややかな目で睨みつけ、一歩前に出る。
「…俺は、お前の奴隷ではない。お前のたわ言など聞くものか!」
俺自身も、タートルズと関わり、話し、自分の中で何かが変わりつつあるのを自覚している。自由を手にしたイヌワシ軍人たちと同じように、俺も抗わなくては…!
しかし、その声の残響が消えると同時に、デリアスは俺をじろりと睨み…、
「…ぐうっ!」
一瞬の間を置き、俺の体は地面に叩きつけられていた。同時に頭を踏みつけられ、痛みに顔を歪ませる。
「血迷ったのか貴様!」
頭上から降ってくる、傲慢な言葉。身動きがとれず、地面をがりがりと引っ掻く。気が遠くなりそうになったところで、やっと頭から奴の足が退いた。
「くっ…。」
痛む頭に手をやると、また頭上から奴の声が降ってくる。
「二度と私に逆らおうなどと思うな。いいな!」
屈辱に身を震わせていると、奴はそのまま歩き去っていく。その後ろ姿を睨みつけながら、何とか立ち上がった。
「……。」
兄弟たちは何も言わない。同情しているのか、それとも俺の行動に呆れ帰っているのか。
これ以上、ここにいるのが耐え切れない。そう思い、俺はその場に兄弟たちを残し、奴とは逆方向に歩き去った。


どこをどう歩いたのか、見当もつかない。
飛び出してから何日経ったのかも分からない。
何も入れていない腹は、もう鳴ることすらない。
疲れ果てた俺は、ちょうど入り込んでいた路地で倒れこみ、そのまま意識を失った。

これが、俺の望んだ「自由」なのだろうか…。


「…どうだい? ドナテロ。」
「うん、健康状態には問題なし。ただ…。」
「ただ?」
「…かなりの空腹。あとは疲労、かな。」

夢うつつに、そんな声を聞いた気がした。そして。

目を覚ました俺は、彼らに囲まれていた。


皿の上に山と盛られたビスケット。積み重なったパンケーキ。焼きたてのベーコンエッグ。
それらの食物を、俺はただただ無心で腹に詰め込んでいた。
食事を続ける俺を、コーディとか言う少年が、じっと眺めている。そしてその隣には…、レオナルド。俺のオリジナルが、じっと俺を見つめていた。
突き刺さる視線を気にしないようにし、俺は一リットルの牛乳を飲み干す。そこまで食べて、やっとこの腹は満足したようだった。
「…ねぇ、どうして君は、あんな所に倒れていたの?」
俺が食い終わったのを見計らって、コーディが話しかけてくる。だんまりもどうかと思い、俺は正直に話した。デリアスの元を逃げ出してきたこと、当てもなくうろつき、空ききった腹を抱え、あそこで倒れていたこと。
「俺は、自由が欲しかったんだ。けど、何も分かっちゃいなかった…。」
悔しさを込めて、テーブルを殴りつける。と、途端に眠気が襲ってきた。ぐらりと倒れ掛かる俺を、レオナルド当人が支えてくれる。
「とにかく、少し休んだほうがいい。」
抵抗する気も起きず、俺は彼に連れられ、与えられた客間に入っていく。ふかりとしたベッドの感触に、横たわった俺は、たちまち眠りに誘われた。


目が覚めると、枕元にレオナルドがいた。時間の許す限り、ずっと俺を見ていてくれたらしい。
「…落ち着いたか?」
ベッドの上に身を起こし、小さく頷く。ため息をついた後、俺は小さく口を開く。
「…イヌワシ軍人、という者たちを、知っているか?」
「…あぁ。何度か刃を交えたことがある。」
レオナルドが頷いたのを見て、俺はデリアスの元を飛び出した理由を話し始めた。デリアスの子飼いであった彼らが、度重なる屈辱に耐え、ついに自由を手にしたのを知って、…彼らに、憧れにも似たような感情を抱いたこと。
「だから、俺も彼らのように、抗わなければいけない。そう思った。しかし…、皮肉なものだな。奴の元を飛び出して分かったのは、俺は自分自身の面倒すら、自分で見ることも出来ないという、厳しすぎる現実だけだ…。」
足の上に置いた両の手のひらを、固く握り締める。痛みで、自分を縛めるかのように。
「自由というのは、責任も伴うのだな。ただ闇雲に行動するだけでは、自由とは言わない。己自身の行動に責任が持てて、初めて『自由』という言葉が使えるんだ。俺は、甘かったんだ…。」
それが分かっていなかった悔しさに、俺は頭を抱えた。自分一人すらどうにも出来ない者に、翼など持てるはずもない。
しかし、肩に置かれた彼の手の感触に、思わず俺はそちらを向く。レオナルドは…、笑っていた。
「でも、お前は気づくことが出来た。このままではいけない。だから変わろうと思った。そうだろう?」
俺が頷くと、レオナルドの笑みが更に深くなる。
「だったら、俺はお前の行動は素晴らしいと思う。自分で考え、行動に移すことが出来たんだからな。それに、お前が自分自身の手で生きていけるようになるなら、俺たちは協力を惜しまないさ。」
全てを包んでしまうような笑みに、俺は訳もなく泣きたくなるような感覚に襲われ、…しかし、何とか涙を堪え、彼に礼の言葉を述べた。
「…ありがとう。」
恐らく、今の俺の顔は見るに耐えないだろう。自分でも良くわかる。泣き笑いのような顔。しかし、彼は変わらず、俺に笑みを向けてくれている。それが嬉しくて、俺はレオナルドの背に手を回し、そっと抱き寄せた。


彼らのところに身を寄せてから、五日。俺は出来る範囲でコーディと呼ばれる少年の手伝いをしたり、少しずつではあるが、自分の力で生きていこうと頑張っていた。
その日も、俺は朝食のあと、コーディの手伝いをすることになっていた。しかし。
「コーディ様、お客さまでございます。はぁ、これ以上面倒ごとを持ち込まれるのは非常に困るのですが…。」
そんな嫌味を零しながら、サーリンとかいうロボットが、リビングに案内してきた人物。それが誰であるかが分かった瞬間、俺はその場に立ち上がっていた。
「ラファエロ…!」
少し困ったような顔をしておずおずと入ってきたのは、俺の兄弟。同じテーブルについた、オリジナルの方のラファエロが、露骨にイヤな顔をしたが、それを気にしている場合ではなかった。
「…何をしにきた。」
わざと、突き放したような口調で言う。すると、ラファエロはすぐに俯いてしまう。たっぷりの沈黙を挟み、ラファエロはたった一言だけ口にした。
「…お前を、迎えにきた。」
迎え、だと…? 俺にまた、あの男の下に戻れと言うのか…?
「…俺はもう戻らない。戻るつもりもない。」
あそこを飛び出した時から、そう決めていた。紆余曲折はあったが、俺はようやく、自らの力で生きることを始められたのだ。しかし、詰め寄ってきたラファエロに両腕を掴まれ、真剣な顔で見上げられ、一度決まったはずの心が揺らぎ始める。
「…俺たちを、見捨てるのか!?」
ラファエロの口からこぼれた重い言葉に、思わず息を呑む。
「そいつらと同じように、俺たちだって、たった四人の兄弟だろ! 違うか!?」
「ラファエロ…!」
掠れた声で兄弟の名を呼ぶと、別の足音が聞こえてきた。顔を上げるとそこには、ドナテロとミケランジェロの姿。みんな揃って、俺を迎えに…?
「…あー、何つーかさぁ、やっぱ、お前がいないとしっくり来ないっていうか…。」
ミケランジェロの困ったような声に、ドナテロも頷いている。俺はもう一度ラファエロに視線を落とし、小刻みに震える肩を、そっと抱いてやる。
「…レオナルド。」
オリジナルの彼を呼ぶと、彼はすぐに席を立ってくれる。振り向かずとも、気配で分かる。
「何だ?」
「…自らが、高みを目指すために羽ばたかせるのも翼なら、…大きく広げ、兄弟たちを包んで護るのも、また翼だよな。」
「…そうだな。」
恐らく、俺が何を言いたいか、彼は察してくれている。…それでいい。
ラファエロの肩をぽんと叩き、「帰るぞ。」と呟く。心なしか安堵したような表情の兄弟たちと、俺は自分たちの船に乗り込んだ。


強くなろう。自らの翼で、兄弟たちを護れるくらいになるように。






これ、闇レオレオって言っていいの?

あおきです、どうも。

「イヌワシ軍人に憧れる闇レオ」が書きたかったんです。あと、デリアスに闇レオの頭を踏みつけさせて「血迷ったか貴様!」って言わせたかっただけなんです。本当に申し訳ありません。

一応、闇レオレオとしておきましたが、非常にプラトニックというか…、カップリング要素、もしかしたら皆無かもしれませぬ。あははー

…こ、こんなのも書けるんですよってことで。



では、今日はこの辺で。
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