09« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»11

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

タートルズSS 「Traffic Jam」 (トラクシマス×ラファエロ) 

我が家の真上には、貯水池のような池がある。
日が沈んだ後、俺はそのほとりに立って、じっと上を見上げていた。
徐々に増えてくる星たち。ニューヨークの中にありながら、そこだけはかなり良く星が見える。そして。
(……!)
無数の星の中の一つが、徐々に大きさを増してくる。いや、それは星ではなく、…彼の乗る、宇宙艇だった。
稼動するエンジンのエネルギーを受けて、目の前の水面が大きく波打つ。飛沫を浴びないように、俺は後ろに下がった。
やがて、宇宙艇は静かに水面に降り立つ。岸辺からは少し離れたところに停まり、そこから俺のいる場所まで橋のような通路が掛けられる。開いた入り口の暗がりから顔を出した人物に、俺は自然と笑顔になってしまった。
「トラクシマス!」
「…ラファエロ。待っていてくれたのか…!」
ずっと会いたかった顔が、そこにあった。トラクシマスは、自分用の宇宙艇を使い、わざわざ地球までやってきてくれた。…俺に会う、そのためだけに。
岸辺に降り立った彼が、すぐさま俺を抱きしめる。大きな腕にすっぽりとくるみ込まれて、俺はトラクシマスの胸に顔を埋めた。
「…やっと来たな。」
「あぁ。遅くなって済まない。…私も、お前に会いたかったよ、ラファエロ。」
耳元に寄せられる声音が優しくて、俺は彼の首筋に回した腕に、さらに力を込める。…俺が気恥ずかしくて言えないことを、彼はちゃんと汲み取ってくれる。そこが、俺は好きだった。
「…さて、トラクシマス。今日は夜が明けるまでここにいられるんだろ? 何か食いたいもんとかあるか? もしくは、やりたい事とか…。」
柄にもなく、はしゃいだ口調になってしまう。そんな俺に、トラクシマスはにっこりと笑って、
「…そうだな。では…。」
言葉の続きは、俺以外の誰にも聞こえないように、俺の耳元でそっと告げられた。
「…ラファエロ、君の部屋へ行きたい。」
「えっ…。」
まさか、いきなりそう来るとは思わなかった。思い切り顔を赤らめる俺に、彼は続けて言う。
「早く、お前と二人きりになりたいんだよ。」
「…そ、そういう、事なら…。」
やべぇ。顔が熱い。俺は赤く染まった頬を隠しながら、トラクシマスを我が家へと案内した。


「ここが君の部屋か…。」
俺の部屋に入るなり、トラクシマスは感嘆の声を漏らす。今日は前々から彼が来ると言っておいたから、みんな気を使って、外出してくれている。つまり、本当に二人きりだ…。
「…ここで、ラファエロは毎日過ごしているんだな。」
そう呟くと、トラクシマスは俺のベッドに腰掛け、俺に向かって手招きをする。まさか…。
「…ラファエロ。」
優しく俺を呼んで、トラクシマスはぽんぽんと自分の足を叩く。…どうやら、ここに座れ、と言いたいらしいが…。
「…ちっ、しょうがねぇな。」
照れたのを隠しつつ、俺はトラクシマスの足の上に腰掛ける。体がずれないように、彼は俺をしっかりと抱きしめてきた。
「君は温かいな、ラファエロ。」
「…何言ってやがんだ。俺は亀だ。変温動物だぞ?」
「それでも、私を温めてくれるよ。…十分すぎるくらいに、な。」
囁くような言葉の後に、唇を塞がれる。俺は見開いていた目を閉じ、彼の腕に身を委ねた。
(…遅ぇんだよ、キスが…。)
本当は、ずっとこれを待っていた。焦らされ、待ち続けていた唇は、いつものそれ以上に甘く、俺を酔わせた。
「…はぁ。」
長いキスが終わって、俺はトラクシマスの足の上に横抱きにされる。頬を彼の胸に寄せると、頭をそっと撫でられた。
「…まだまだ、争いが終わったとは言えないんだ。本当はな。」
唐突に、トラクシマスが話し出す。誰にも言えなかった悩みを、初めて吐き出すように。
「抵抗勢力との交戦は、まだ続いている。奴ら、思った以上にしぶとくてな…。だが、最高指揮官という立場にいる以上、私は共和国が平和を取り戻すまで、戦い続けるつもりでいる。」
…クーデターを成功させたトラクシマスは、一応、トリケラトンの軍のトップにいる。それゆえに、背負う苦労も多いんだろう。少し困ったような、どことなく疲れた笑みが、それを物語っていた。
「だからこそ、お前に会いたくなる。私にとって、この瞬間が、どれだけ貴重か…! お前といると、私は『最高指揮官』という立場を離れ、一人の男に戻れるんだ。…感謝しているよ、ラファエロ。」
「…俺、あんたの役に立ててるんだな。」
「もちろんだ。だから今日は、お前とたくさん話がしたい。聞かせてくれ、君の周りで起こった出来事を。他愛のない話でいいから…。」
「分かった。」
トラクシマスの求めに応じて、俺は色々話し始める。ケイシーとツーリングに行ったときのこと、マイキーとのちょっとしたケンカ、その他、俺が体験した、色々なことを。
「…なるほど。しかし、君の口から他の男の名が出てくると、…妙に妬けるな。」
「……はっ。最高指揮官サマはやけに嫉妬深ぇんだな。」
「それだけ、ラファエロの事を想っている。そんな理由じゃ、満足できないか?」
「ばっ…!!」
ストレートな物言いに、いきなり俺の顔が朱に染まる。慌てて視線を逸らそうとするが、頬に添えられた彼の手がそれを邪魔した。
「…っ、トラ、ク…!」
言いかけたところで唇を塞がれ、息が詰まる。舌を絡ませながら、トラクシマスは俺の体をベッドの上に押し倒した。
「…ぁ、はぁっ…!」
解放され、空気を求めて喘ぐ俺に、トラクシマスはにっこりと笑う。優しく、…どこか、切羽詰ったような笑み。
「…そろそろ、我慢をしているのも辛くなってきたな。…君を抱きたい。いいだろう?」
元より、承知の上だ。俺はこくりと頷き、彼を求めて両腕を伸ばした。


「…ラファエロ。…ラファエロ。」
繰り返し呼ばれて、俺はうっすらと目を開けた。何だ…、体が、揺れてる…?
「やっと起きたな。」
「トラクシマス…。」
どうも俺は、彼に抱きかかえられているらしい。で、彼が歩くたびに、俺の体も揺れてる、ってわけだ。
「…どこ行くんだ?」
「どこって、自分の船だ。そろそろ夜が明けてしまうからな。」
「えっ…。」
トラクシマスの言葉に、本気で驚く。確か、…アレの前まではちゃんと記憶がある。ってことは…、
「…俺、寝ちまったのかよ…?」
残念そうに呟くと、トラクシマスの笑い声が響いた。
「その代わり、君の寝顔をたっぷりと見ることが出来たよ。」
「…照れさせんじゃねぇっ!」
ばたばたと暴れる俺を意に介さず、トラクシマスは歩を進める。そして、
「うっ…!」
外の明るさに、俺は反射的に目を閉じた。空が大分明るくなってきている。もう、こんな時間なのか…。
昨夜と同じ位置に、宇宙艇は停まっている。俺を地面に降ろしてから、トラクシマスは改めて俺の体を抱きしめてきた。
「…やっぱり、連れてくるのではなかったな。離れがたくなってしまう…!」
「…意外とロマンチストだよな、あんた。」
「ラファエロが特別なんだ。」
体を少し離して、俺はトラクシマスの顔を見上げる。彼も、穏やかな眼差しで、俺を見つめてくれていた。
「…また、絶対に会いに来る。待っていてくれ。」
「あぁ。俺も、機会があったら、そっちに行くからよ。」
「…平和を取り戻した共和国で、お前に会えるのを、楽しみにしているよ。」
近づいてくる唇を受け入れ、俺は目を閉じる。優しい、想いのこもったキス。何よりも、俺たちが繋がっていると実感させてくれる。
「…それじゃあ、な。」
名残惜しそうに俺から離れて、トラクシマスは船に乗り込む。扉が閉まる直前、彼は俺に手を振った。俺も片手を上げて、それに答える。
程なくして、エンジンを起動させた宇宙艇は、ふわりと宙に浮き、空の彼方へと消えていく。甘い想いに胸を満たされながら、俺は彼の船が見えなくなるまで、じっとそこに立ち続けていた。






Caution::胸焼け注意

糖度全開です。これでもかと甘くしてみました。
タイトルの「Traffic Jam」ですが、本来の意味ですと「交通渋滞」です。
しかしこのSSでは「ジャムのように甘いトラフ」という意味です。いやぁやらかした申し訳ない。あはは

えろ未満ですが、許してくださいねっ


では、今日はこの辺で。
スポンサーサイト

カテゴリ: タートルズSS(その他もろもろ)

tb: 0   cm: 0

« タートルズSS 「堕ちる 2」 (×ラファエロ、裏)  |  タートルズSS 「道化の手に愛を」 (闇レオ×レオ) »

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://deepaquaforest.blog106.fc2.com/tb.php/175-d68fc41f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。