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タートルズSS 「7 Miles Bridge」 (ラフ×ドニー) 

眠れない。
ベッドの中で、何度寝返りを打っても、全く眠気がやってこない。それどころか、僕の神経は、夜の闇の中で、ますます研ぎ澄まされていくばかり。
(ああっ、たく…。)
僕は観念して起き上がり、部屋を後にする。コップに注いだ水を一気飲みして、口を拭うと、僕の耳に低い音が聞こえてきた。
…僕が眠れない理由が、今、大きないびきをかいている。
(…ラファエロ。)
何も知らない彼の気配が、僕の胸を軋ませる。君への想いを自覚してから、僕は眠れていないというのに。
徹夜には慣れているつもりだ。夜を徹して行う作業も珍しくないから。しかし、
(こんなことで、眠れなくなるなんて…。)
盛大にため息をつきつつ、僕は部屋ではなく、…我が家のガレージへと向かった。
ガレージには、バトルシェルと、全員分のタートルバイクが置いてある。壁際には、それぞれのバンダナの色に合わせたヘルメットが置かれている。その中から僕は、夜目にも鮮やかな、赤色のメットを手に取った。
ラフは、このバイクがいたくお気に入りで、よくケイシーとツーリングに行ったりもしている。…思えば、僕がラフを好きだって自覚したのも、このバイクがきっかけだった。
確か、ラフのバイクのカスタムを手伝っていたときのことだった。器用に工具を操る指先、心底楽しそうなその表情、そして、
「…じゃ、試運転といくか。」
そう呟いて、ラフは自分のヘルメットを被り、夜の街へと滑り出していく。そのとき見えた横顔が、すごく精悍に思えて、バイクを走らせる姿も、カッコよくて…。
「…っ!」
鼓動が速い分だけ、僕の胸は痛む。耐え切れなくて、僕は腕の中に抱いたラフのメットに、そっと唇を押し当てた。
ひんやりした金属の感触が、少しずつ僕を冷静にしていく。メットを元通りに戻すと、冷えた夜の空気が僕を押し包み、寒気を覚えた。今なら、少しでも眠れるかな…。
ラフのメットの赤を目に移しながら、僕は地下に続くエレベーターの扉を閉めた。


次の日も、僕は落ち着かなかった。だって、僕の目は自分でも気づかないうちに、ラフの姿を追っているから。
トレーニング中も、食事のときも、マイキーとじゃれ合ってるときも。僕の目は自然に、ラフを映している。
自分の机に向かいながら、僕は額に手をやった。ラフの声が聞こえるたびに、心臓が跳ね上がる。どうしよう…。
思い悩んでいると、後ろの喧騒が収まる。レオは自分の部屋に引き取ったみたいだし、マイキーはソファーでぐっすり寝ている。そしてラフは、
「はあ~ぁ、さて、シャワーでも浴びてくるかな…。」
そう言って、リビングから出て行く。…今なら、誰にも知られることなく、外に出られるかもしれない。
僕はマイキーを起こさないように、そっとリビングを抜け出し、ガレージに向かった。自分のメットを被り、…あえてラフのバイクに跨って、僕は我が家を抜け出した。
ラフがいつも使っているバイク。彼の思うままにカスタムがされ、かなりスピードが出るようになっている。いつもこのシートに座って、グリップを握って…。どんなことを考えながら、ラフはバイクを走らせているんだろう…。
「…あれ。」
気が付くと、僕は埠頭のほうに来ていた。波止場にバイクを止めて、少し離れた場所にある大きな橋を臨む。灯ったライトが一直線に並んでいて、とてもキレイだった。
バイクを降りて、メットを外す。夜の風がバンダナをなびかせる。…少しは気が晴れるかと思ったけど、ダメだ。逆に切ない…!
「ラフっ…!」
どうして、こんなに君を好きになってしまったんだろう。こみ上げる涙を拭っていると、後ろからバイクのエンジン音が聞こえてきた。
慌てて振り向くと、こっちに向かってくる紫色のバイクが見える。跨っているのは、赤いメットを被った…
「…ラフ!?」
僕が声を上げると、紫のバイクは僕の目の前で止まり、赤いヘルメットの下からは、ラフの顔が出てくる。
「…何やってんだお前。こんなとこで…。」
「あ…。」
僕が答えられないでいると、ラフはバイクを降りて、ヘルメットを無造作にシートの上に置く。
「ど、どうして僕の居場所が分かったの…?」
慌てた僕の言葉に、ラフは呆れたような声で、
「…お前、自分でバイクに追跡装置付けといて、忘れてんのか?」
…そうだった。みんなのバイクに、それぞれ発信機と追跡装置をつけたのは、他ならぬ僕だった。ラフはそれを使って、僕の居場所を探り当てたんだろう。
「シャワーから出てきたら、お前だけいねぇしよ…。勝手に俺のバイク持ち出すなよ。」
「…あ、あぁ、ごめん…。」
僕を探してくれた、その事実は嬉しいけど、それっきり言葉が出てこない。ラフはため息混じりに僕の横に並んで、同じように、そこから見える景色を眺め始めた。…ちょっと待ってよ、二人っきりじゃない…! この状況、どうしろっていうの…!
「…何か、悩んでんのか?」
「えっ…?」
不意に、ラフが漏らした呟き。思わず反応すると、ラフは僕をじっと見つめていた。その真っ直ぐな眼差しに、心臓が音を立てて震える。
「俺でよけりゃ、話ぐらい聞くぜ。」
「ラフ…。」
…そうだね、君は昔から、何かと面倒見のいいところがあった。だから、一人でこっそり抜け出した僕を、放っておけなかったんだろう。
(だけど…。)
これは、話してもいいものなんだろうか。ラフの反応が怖い。でも、話さなかったら、ラフはきっと怒るに違いない。…二人きりの今が、伝えるチャンスかな…。
「…あのね、ラフ。」
「ん?」
「…僕、好きな人がいるんだ。」
海からの風が、僕たちの間を吹き抜けていく。それが収まったあと、ラフは静かに口を開いた。
「…誰だ?」
「……今、僕の隣にいる。」
もう一度、先ほどよりも強い風が吹き付ける。ラフの戸惑いの視線が、僕に注がれている。だけど、僕はラフの顔を見られなかった。
「…それって、俺、か…?」
掠れたようなラフの声に、僕は頷き、そのまま顔を伏せてしまう。反応が怖い。その先の言葉を、聞きたいような、聞きたくないような…。
「…奇遇だな。実は俺も、…好きな奴がいるんだ。」
「えっ…!?」
思わぬ言葉に、僕は伏せていた顔を上げる。ラフは海のほうを見つめながら、低い声で話し出した。
「そいつは、俺とすごく近い存在で、頭が良くて、…レオ程じゃねぇけど、色々自分の中に溜め込んじまう。確かに頭はいいが、こういった事になるとからっきしだ。」
言い切って、ラフは穏やかな笑みを浮かべる。…その人のことが、本当に愛おしくて堪らないとでも言いたげな、そんな笑みを。
「…だ、誰なの…? ラフの、好きな人って…。」
それを聞いて、ラフはきょとんとした後、小さく吹き出す。
「…何だよ、わかんねぇのか?」
ラフは笑いながら、僕に向き直り、その腕をこちらに伸ばしてきて…。

「…!」

視界が、ラフで、埋まった。

キスをされたと分かったのは、ラフの唇が僕から離れて、しばらくしてから。
呆然とする僕を抱きしめて、ラフはとどめの一言を言い放つ。
「…俺が好きなのは、…お前だよ、ドナテロ。」
「ラフっ…!!」
ずっと、欲しかった、その言葉。現実に心が追いついてこなくて、僕の口からは「嘘…。」っていうセリフしか出てこない。
「…おい、信じらんねぇのか?」
「…!」
至近距離で見る、ラフの瞳。何よりもまっすぐ、僕の胸を貫く。
「しっ、信じる、信じるよ…!」
やっとそれだけ言って、僕はラフに抱きつく。優しく頭を撫でられて、僕は心が満たされた喜びに震えた。

橋を渡っていく車のクラクションと、遥か彼方を往く船の汽笛が、僕の耳に遠く響いた。







オチなし。

あおきです。どうも。突発的に思いついたRDですー。
これ、元ネタはついのべです。さらっと書いた文章を膨らませたら、こんな形になりました。

…ドニーが乙女ですねぇ。

あ、タイトルは、T/-S/Q/U/A/R/E/の楽曲です。


では、今日はこの辺で。
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