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タートルズSS 「恋は、油断してるときにやって来る」 (ドナテロ×ミケランジェロ) 

(註:学園物のパロになっています。苦手な方は、閲覧をご遠慮くださいませ。)




不意打ちだ。
そうだ、全くの不意打ちだ。

僕の得意とする、「論理的な思考」ってヤツは、どうやら恋には当てはまらないようだ。


「おい、ドニー!」
隣のクラスのラフが僕に声を掛けてきたのは、その日の授業が全て終わった、放課後のこと。
「何?」
「行きたいとこあんだけど、ちょっと付き合ってくんねぇか?」
「いいけど…。」
小さく頷き、僕は自分の鞄に教科書や筆箱を詰め、先に行ったラフを追いかけた。
「行きたいとこって、どこなの?」
「コンビニ。そこでしか売ってねぇパンがあってな、これがまた美味ぇんだ。」
「ふーん…。ラフがそこまで美味しいって言うんなら、僕も買ってみようかな。」
「おう。オススメだぜ。」
学校を出てから、そんな事を話していると、程なくして駅に着く。ラフの行きたいコンビニとやらがどこにあるか分からない僕は、言われるままにラフの後をついていった。
僕たちが乗った駅から、数えて二つ。その駅で、ラフは降りた。僕もそれに続く。普段は通り過ぎるだけで、使うことのない駅だった。
「へえ…。」
駅前に広がる風景に、僕は感嘆のため息を漏らす。僕たちの学校がある駅よりも、もっと広い印象があるのは、右手に大きな公園があるからだろうか。子どもたちが遊ぶ、楽しげな声が聞こえてくる。
「こっちだぜ。」
ラフは、その公園の前を通り過ぎ、交差点を左に曲がる。緩やかな坂を上ると、例のコンビニが見えてきた。
「ねぇラフ、何でこんなコンビニ知ってたの?」
「ん? クラスで仲いいヤツがこの辺に住んでてよ。この間会ったときに寄ったんだ。」
「そっか…。」
言葉を交わしながら、僕たちはコンビニに足を踏み入れる。自動ドアが開いた瞬間、僕はその場に棒立ちになった。
「いらっしゃいませー!」
レジにいた店員さんの明るい声が、入ってきた僕たちを出迎える。だけど、何より僕を硬直させたのは、その店員さんの、弾けるような笑顔。
(……!)
何故かは分からないけど、体が動かない。あの笑顔に、動く気力を奪われてしまったみたいだ…。
「…おい、ドニー? どうした?」
ラフに声を掛けられて、僕はようやく我に返った。
「…う、ううん、何でもない…。」
返事をしながらも、僕の視線はあの店員さんに釘付けだった。年は僕と同じくらいか、少し下。オレンジ色のバンダナが眩しい。男性だと思うけど、その言動は底抜けに明るい。
今はレジから出て、商品の陳列をしている。その横顔は、心底楽しそうだった。ここの仕事が楽しくて仕方ないみたい。
「お、あったあった…。」
ラフが嬉しそうに、目当てのパンを手に取り、レジへと歩いていく。その時レジには他の男性が入っていたけど、ラフが並んだのを受けて、彼は声をあげた。
「マイキー、ちょっとレジに入ってもらっていいかな?」
「あーい!」
元気よく返事をして、あの店員さんがレジに入ってくる。そうか、あの店員さん、マイキーって名前なのか…。
僕は、ラフの会計を済ませるマイキーの姿を、ちょっと離れたところで、じっと見ていた。
「……。」
たぶん、今の僕の顔は真っ赤になってると思う。自分でも分かるくらい、顔が熱い。何でだろ…!
「ドニー、帰るぜ。」
「あっ…。」
ラフに手を引っ張られながら、僕はコンビニから出る。その後ろから、マイキーの声が追いかけてきた。
「ありがとーございましたー♪」
楽しげなその声に、また顔が熱くなる。…こんな事、初めてだった。


結局、帰ってからも、あの笑顔が僕の脳裏から消えることはなかった。
一晩寝てもそれは変わらず、僕はマイキーのことをひたすら考えながら学校へと向かった。
授業中も、ほとんど上の空。プリントをやってる時も、僕は問題をさっさと解いてしまう。残った時間に考えるのは、もちろんマイキーのこと。
そもそもだよ。僕は何でこんなにマイキーのことを気にしてるんだ? たった一回会っただけの、コンビニの店員さんなのに。
あの笑顔が、すべての原因。コンビニに一歩入った瞬間に、僕はあの笑顔に心を射抜かれたんだ…。

ん?

ここで、僕は自分の思考に疑問を持った。心を射抜かれる、これって、まさか、恋…?
「…まさか。そんなワケないでしょ。」
思わず口にだしてしまって、気づいた。今は授業中だった…! 案の定、先生が怪訝な顔でこっちを見てる。
「ドナテロ、どうした?」
「あ、えっと、その…、自分の、計算式の間違いを、見直し中に見つけてしまって…。」
我ながら、しどろもどろな言い訳。でも、先生はそれで納得してくれたようだった。
(あっぶな…。)
僕はこっそりとため息をつき、緊張を外に逃がした。そうだよね。いくらなんでも、初対面の人をいきなり好きになるなんて…。
でも、何故だろう。もう一度、君に会いたい…。

今日の授業が全て終わった後、僕はラフに会いに、隣の教室まで行った。
「ねぇ、ラフ!」
扉から出てきた彼を捕まえた僕は、もう一度あのコンビニに連れて行って欲しいと頼む。
「別にいいけど…、何でだ?」
「あ、いや、ほら、昨日ラフがオススメしてたパン、よく考えてみたら買いそびれてたなー、って思って…。」
また言い訳。でも、本当の理由なんか言えるわけないじゃない。…あの店員さんにまた会いたいから、なんて。
そんなこと言ったら、絶対ラフにからかわれる。それ以上追求されないうちに、僕はラフの背中を押して学校を出た。
昨日と同じ道筋を辿って、例のコンビニに着く。マイキー、いるかな…!
期待に胸を膨らませて、僕はコンビニの中に入る。しかし、挨拶をしてくれたのは、マイキーとは違う女の子だった。
(あれっ…。)
店内を隅々まで探しても、マイキーの姿は見えない。何だ、今日は休みなのか…。
そりゃそうだ。いくらなんだって、毎日シフトに入ってるわけがない。でも…、マイキー目当てにわざわざここに来た僕は、やっぱりがっかりしてしまう。
気を落として、それでもラフお勧めのパンと飲み物はきっちりと買い、僕はコンビニを出る。横を歩くラフが、何か言いたそうに僕を見ていた。
「ドニー、お前…。」
「…何?」
力なく返事を返すと、ラフはいきなり真実を突いてきた。
「本当はパンじゃなくて、昨日レジにいた店員の子に会いたかったんじゃねぇのか?」
「いっ…!?」
え、何でバレたんだろ。僕が真っ赤になって答えられないでいると、ラフは何かに納得したようにうんうんと頷いた。
「マイキー、とか言ったっけな。お前、あの店員の子のこと、じっと見てたもんな。」
…図星だ。しかし、ラフにこうもあっさりと見破られるなんて。そんなに顔に出てたかな…。
「そっかー、ドニーもようやく恋に目覚めたかー。ふーん。」
思ったとおり、ラフはニヤニヤして僕を見てくる。これが嫌だから話さなかったのに…。
「ま、俺で良けりゃ相談に乗ってやるからよ。」
「…人のことよりも、自分のことを心配したら?」
僕の一言に、今度はラフが真っ赤になる。そう、ラフは今、同じクラスの「レオナルド」に片思い中なんだ。
たぶん、僕たちは同じくらい頑張らないといけないと思う。ラフの相手は、ラフと正反対の優等生。僕の相手は、たった一回しか会っていない、コンビニの店員さん。
「……そうだな。お互いに、頑張らねぇとな。」
「うん…。」
互いに、愛しく思う相手のことを考えながら、僕たちは無言で駅へと戻った。


(マイキー、かぁ…。)
その日の夜、僕は自分の勉強机に向かいながら、マイキーの顔を思い浮かべてみた。
今日会えなかったのは残念だけど、明日はきっと会えるはず。そう、僕は明日、もう一度あのコンビニに行ってみようと思っていた。
ノートに視線を落としても、一向に勉強しようという気が湧いてこない。僕の頭の中は、マイキーで埋め尽くされていたから。
(あー、もう…!)
僕はノートを閉じ、近くにあるプリンターからコピー用紙を一枚取り、それに向かってペンを走らせた。記憶の中にあるマイキーの笑顔を、絵にしてみようと思ったんだ。でも、
「あれー…?」
出来あがりは、惨憺たるもの。そうだよ、僕、美術の成績は「2」でしたよ…。
「はぁ…。」
コピー用紙を丸めて捨てて、僕は頭を抱えた。いいや、もう寝ちゃおう…。明日になれば、きっとマイキーに会える。僕はそう信じて、ベッドに潜り込んだ。


翌日。僕は授業が終わるのを待って、学校を飛び出した。目指すはマイキーのいるコンビニ。さすがに三回目ともなると、道順を覚える。
緩やかな坂を上りながら、僕は自分の鼓動が速くなっていくのを感じた。マイキー、いるよね…!
自動ドアの前に立つと、自然にドアが開いていく。そこで僕を迎えてくれたのは…!
「いらっしゃいませー。」
…店長と思われる、男性の声。あ、あれ…?
てっきり、マイキーがいるものだと思っていた僕は、思い切り拍子抜けしてしまった。
(今日もいないのかな…。)
ため息を隠しきれなくて、僕は肩を落とす。近くにあった雑誌を手にとって、ぱらぱらとめくり始めた。…僕が待ち望んでいた声が聞こえてきたのは、まさにその時。
「こんにちはー!」
間違えるはずもない。マイキーだ! 跳ね上がる心臓を意識しながら、僕はぱっと振り返る。制服に着替えたマイキーが、いそいそとレジに入っていくのが見えた。
「マイキー、今日もよろしくね。」
「はーい! ミケちゃん頑張りまーす!」
ぴゃっ、と片手を上げて、マイキーは店長の声に答えている。そうか、これから出勤だったのか…!
マイキーがレジに入ったのを見計らって、僕はカゴに飲み物やお菓子を詰めて、彼のレジに向かった。マイキーのレジに、僕が一番乗り…!
「いらっしゃいませー!」
「ど、どうも…。」
マイキーは、初めて見たときと同じ、輝くような笑顔で、僕の会計を済ませてくれた。マイキーのためだと思って、たくさん買ってしまった…。
「にせんななひゃくえんでございます!」
「あ、はい…。」
彼の笑顔に見とれていた僕は、そう言われて、慌てて財布を取り出す。
「さんぜんえん、お預かりします! さんびゃくえんのお返しでーす!」
お釣りを受け取るときに、手が触れた。手の中に残るマイキーの温もりに、顔が急激に熱くなる。
「ありがとうございましたー!」
元気よく挨拶をしてくれるマイキーに、僕は精いっぱいの勇気を振り絞って、一言だけ言った。
「…あ、ありがとう…。」
「いえいえ、またお越しくださいませ!」
「っ…!」
僕に向けてくれた笑顔に、さらに顔が熱くなる。途端に気恥ずかしくなって、僕は逃げるようにコンビニから出た。
「はぁっ、はぁ…。」
少し走ったところで、僕は立ち止まり、息を整える。手の中を見てみると、お釣りと一緒に貰ったレシートを握り潰してしまっていた。くしゃくしゃになってしまったそれを、指で丁寧に広げる。
レシートに書かれていたのは、[担当:ミケランジェロ]の文字。なるほど、本名がミケランジェロだから、愛称がマイキーなんだね…。
少し、彼に近づけたような気がする。僕はそのレシートをそっと折りたたんで、財布にしまった。


今日、マイキーに会って、はっきりと分かった。僕はマイキーに恋をしてる。
初めて感じる、この胸の温かさと、人を思うがゆえの小さな痛み。僕はそれを、心の中で楽しんでいた。
…まだ、告白はおろか、普通に話すことすら出来そうにないけど。
いつかきっと、この気持ちを伝えてみせる。

電車で二駅離れたところの、緩やかな坂の上で笑ってる、君に。






うわぁぁやっと出来た…。

あおきです。どうも。

これは、前々から妹にリクエストをもらっていたものです。

「ま/き/は/ら/の/り/ゆ/き/」の「モ/ン/タ/ー/ジ/ュ/」をモチーフに、ドナミケを書いてくれ、という。

妹にとっては、これはドナミケソングなんだそうですよ。

えっと、現代パロになってますが、それについてちょっと説明を。全員高校生という設定です。

・ドニー:ラフとは幼馴染。マイキーに片思い中。
・マイキー:ドニーの片思いの相手。コンビニのバイト。
・ラフ:ドニーとは幼馴染。ドニーの隣のクラス。同じクラスのレオに片思い中。
・レオ:ラフと闇レオに思いを寄せられているが、本人はそれに気づかない。
・闇レオ:少し離れた高校に通う。レオとは電車の中で知り合う。レオに片思い中。

同じ設定で、闇レオレオも書いてありますので、ぜひそちらもお読みくださいまし。


では、今日はこの辺で。
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