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必殺SS 「やっぱり加代は加代」 (政×竜 +加代) 

それは、江戸の町に初雪が降った日のことだった。
「まったく…、いい若い者が昼間っから火鉢囲んで動かないとはねぇ…。」
階下から聞こえる加代のぼやきに、政が口を尖らせる。
「いいじゃねぇか…。この雪だ、客だって来ねぇよ。」
政は今日、雪が降り出したのを受けて、花屋の商いをやめてしまった。そして、自分が間借りしている加代の家の二階で、かんかんに炭の熾った火鉢から離れなかった。
「ったく、政さんは贅沢なんだから…。」
ぶつぶつ言っている加代を無視し、政は自分の右側をちらりと見た。そこには竜がいて、政と同じように火鉢に手をかざしている。
竜はつい先ほどここに着き、頭に積もった雪を家の土間で払い落とし、加代に怒られたばかりである。
「お前ぇも、今日の商売は終いか?」
そう問いかけると、竜はこくりと首を縦に振った。
「あー忙しい。二人もいるんなら、どっちか手伝ってくれてもさぁ…。」
独り言を言いながら、あちこち動き回る加代。それとは対照的に、二階の二人はゆっくりと火鉢の温かさを味わっていた。
「さて、しょうがない。あたしら三人分のお昼でも見繕ってこようかね。政さん! ちょいと出掛けるから、留守番頼んだよ。」
「あぁ。」
加代はそう言い残し、降りしきる雪の中を出て行った。残された二人は、そのまま言葉も交わさずにいたが、政が竜の方をちらちらと見る回数が、明らかに多くなっている。
「……。」
そのうちに、政が小用に立った。竜はうっすらと目を開けて、階下へと去る政の背中を見届けてから、またゆっくりと目を閉じた。
「……!?」
竜が再び目を開けたのは、いつの間にか戻ってきていた政が、自分の体を後ろから抱きしめているのに気づいたときだった。
「お前ぇ、何をっ…!」
「…いいだろ?」
すでに熱のこもった声で言われては、さすがの竜も抗いようがない。それに、政の唇が、早くも竜の首筋を這い回り、小さく吸った痕をいくつも付けている。
「っ……!」
ぞくりとした快感に身を震わせ、竜は胸の前で交差した政の腕を巻き締める。白い肌に血が昇り、ほんのりと赤く染まりはじめる。
と、そこまでしておいて、急に政が竜の体から離れる。肩透かしをくらった形になり、竜の腕から急に力が抜けた。
「…何で…?」
抗議の声を向ける竜に、政は口の前で人差し指を立ててみせた。そして階段にそろそろと近づき、ひょいと階下をのぞいた。
「うわっ!?」
そこには、これまたいつの間に戻ってきたのか、階段に腰掛けた加代が、密かに二階の様子をうかがっていたらしかった。
「…何してんだ?」
「な、何って…、そっちこそ、あたしの家で何おっ始めようとしてるんだい?」
逆に問い詰められ、政は言葉に詰まる。その間に、加代はとっとと二階に上がってきてしまった。
「二人して節操なしだねぇ…。他にやることがないのも分かるけどさ。」
さらに言われ、政も竜も完全に沈黙してしまった。
「まあ、別に構わないけどさ、その代わり…。」
うなだれる二人に、加代は右の手のひらを差し出す。
「…何だよ?」
「せっかく人が気ぃ利かして出てってやろうってんだからさ、それなりの物貰わないとね。ほら、とっとと出した出した。」
加代は差し出した右手をぱたぱたと揺らす。そんな彼女に、政も竜も、ただ苦笑するしかなかった。
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カテゴリ: 仕事人SS

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