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タートルズSS 「Our fortress」 (ドニー×マイキー、こかめ) 

ある日、マイキーが妙なことをし始めた。
「ふんふ~ん♪」
我が家の隅に、たくさんの段ボールを集めてきて、それをカッターナイフやガムテープを使って、切って組み立てて、一生懸命何かを作っている。
「…マイキー、何してんの?」
僕の言葉に答えず、マイキーは鼻歌を歌いながらせっせと工作を続けてる。僕がじっと見てると、それはだんだん形になってきた。
(家みたいだな…。)
そう、マイキーが作っていたのは、段ボールで出来た小さな家。四方を壁で囲い、ご丁寧に屋根までつけてる。こういうことになると器用だよな、マイキーって…。
「出来たっ!」
嬉しそうに言うと、マイキーは自分が使ってる毛布を持ってきて、段ボールの家の中に敷いた。
「よーし! オイラだけのお家、かんせーい!!」
両手を挙げて喜ぶマイキー。それを聞いて、ラフとレオも集まってきた。
「マイキー、何が出来たって?」
「あっ、ラフ! 見て見て、オイラだけのお家!」
嬉しそうなマイキーとは対照的に、ラフはそれを見て、呆れたような顔になる。
「段ボールじゃねーか。」
「段ボールでもいいの! ここは今日からオイラのお家! オイラ以外は入っちゃダメなんだかんねっ。」
そう言って、マイキーは段ボールの家の中に入っていってしまう。ダメだね、ああいう風になると、マイキーは誰の言葉も耳に入らない。しばらくほっといた方が良さそうだ。


二時間くらい経ってから、僕はもう一回マイキーのところに行ってみた。最初ははしゃいでたみたいだけど、今はやけに静かだ。
「…マイキー?」
いないのかな、とも思ったけど、中から寝息が聞こえてくる。遊びつかれて寝ちゃったみたい。
「んー…。」
どうしようかな、せっかくおやつ持ってきたんだけど…。
僕がトレーを持ちながら悩んでると、それまで聞こえてた寝息が止んで、今度はおおきなあくびが聞こえてきた。
「うにゅ~…、寝ちゃったぁ。…あれ、何かいい匂いする!」
次の瞬間、段ボールのドアがぱかっと開いて、中からマイキーが飛び出してきた。
「ドナちゃん!」
「…おはよ、マイキー。一緒に食べようと思って、おやつ持ってきたんだけど…。」
「あっ、食べる食べる!」
喜んで両手を伸ばすマイキーに、僕はちょっと、イジワルしたくなった。
「でも、どうしようかなー。ここって、マイキー以外入っちゃいけないんでしょ?」
「あ、え、うー…。」
僕の言葉に、マイキーはおろおろした後、少し考え込んでこう言った。
「…んー、じゃあね、ドナちゃんだけ、トクベツ!!」
「…ありがと。」
マイキーに誘われて、僕は段ボールの家の中へと入っていく。中は見た目よりも広くて、二人くらいなら余裕で座れそうだ。
「よいしょっ、と…。」
マイキーがドアを閉めると、たちまち中は真っ暗。どうするの、と思っているうちに、マイキーは持ってきておいたらしい懐中電灯のスイッチを入れた。天井に向かって当てられた明かりで、中はぱっと明るくなる。
「ドナちゃん、今日のおやつ、なぁに?」
「レオが焼いたクッキーだよ。あとミルクね。」
「わーい!!」
少し大きめのクッキーは、チョコレートやナッツがたっぷり入っていて、とても美味しかった。二つずつ食べて、ミルクを飲みほして、僕たちは大満足のため息をついた。
「ねぇ、マイキー。」
「何?」
「…どして、こんなの作ろうと思ったの?」
こんなの、っていうのは、もちろんこの段ボールの家だ。何でいきなりこれを作ろうと思ったのか、その理由が知りたくて、僕はわざわざおやつをここまで持ってきたんだ。
「…だって、オイラ、自分の部屋が欲しかったんだ。一人で、ゆっくりできる部屋が…。」
…なるほど。
「でもさぁマイキー。僕まで入っちゃダメっていうのは、ちょっとヒドくない?」
「むー…。」
別にお説教をしてるつもりはないんだけど、マイキーは拗ねたような顔になってる。
「だからさ、ここは、『僕たちの』家にしようよ。」
「えっ?」
こんな事言われるなんて思ってなかったのか、マイキーは目を大きく見開く。
「つまり、こういう事だよ。マイキーも僕も、自由にここを使っていい。ここだったら、一人きりにもなれるし、何より…。」
きょとん、とした顔のマイキー。その唇の前に、僕は指を二本立てる。
「二人きりにもなれるから、ね。」
「ドナちゃん…!」
やっと僕の言葉の意味が分かったのか、マイキーはぽっと顔を赤らめる。空いたお皿の載ったトレーを脇に避けて、僕は愛しくて堪らない弟と、ぴったり寄り添い合った。

二人だけの、秘密基地の中で。






あおきです。どうも。
突発的に思いついたドナミケです。

タイトルは久々に、T/-/S/Q/U/A/R/Eの楽曲です。曲解説の欄に、「この『fortress』は、秘密基地っていう意味なんです」と書いてありまして、マイキーだったら、そういうの作りそうだなと思って、書き上げてみました。

子供の頃って、作って遊びましたよね、秘密基地。「自分たちだけのもの」っていうのが嬉しくて。
大人になるにつれて、そういうの忘れちゃって、時おり思い出して懐かしくなったりして。

マイキーはいつまでも無邪気でいてほしいです。

では、今日はこの辺で。
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カテゴリ: タートルズSS(DM)

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