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タートルズSS 「愛してると言えなくて」 (ジックスD+ラフレオ) 

(註:ジックスD=成就済み、ラフレオ=成就前 です。)





夕飯を済ませ、こぼれる満足のため息。
この時代での暮らしにも、だいぶ慣れた。最初はコンビニを使っていたが、最近では簡単な自炊もするようになっていた。
「…さて、と。」
今日はドナテロが来ない。なので、俺は仕事の帰りに、いくつかDVDをレンタルしてきていた。それを見ようと、DVDのケースに手をかけた瞬間、玄関のチャイムが鳴る。
「誰だ? …ドナテロか?」
今日は来られないと言っていたのに、まさか、急に会いたくなったか? それなら、借りてきたDVDから恋愛ものを選んで、一緒に見よう。玄関のドアを開けるまでにそこまで考えて、俺は笑顔で恋人を迎え入れる…はずだったのに。
「…えっ?」
笑顔が、一気に怪訝なものへと変わる。そこにいたのは、ドナテロによく似た、彼以外の人物。
「…ドナテロじゃなくて悪かったな。」
肌に突き刺さりそうな鋭い視線。しかも、目元に巻いたバンダナは、赤。確か…
「…ラファエロ、だったか?」
「そうだよ。お前、まだ覚えてねぇのか。」
「冗談だ。」
一気に、視線が剣呑なものへと変わる。俺は気を取り直し、ラファエロがわざわざここに来た理由を聞いた。
「…お前に話がある。」
「なるほど。まぁ、上がれ。」
俺が脇へ退くと、ラファエロはその横をすり抜けて部屋へと入ってくる。適当にクッションを勧め、俺は台所に立った。
「コーヒーでも飲むか?」
「何にもいらねぇからとにかく座れ。」
…やれやれ。いつになったらこの態度は軟化するのか。ともあれ、俺はテーブルを挟んで、ラファエロと向かい合う。すると、それを待ちかねたように、彼が口を開いた。
「単刀直入に聞く。お前、ドナテロのこと、本気なのか?」
「…無論だ。」
低く答えて、俺は眉間に皺を寄せる。何だ、話というのは、ドナテロとの交際のことか…?
いや、どうも違うらしい。唇を舐めて湿らせ、ラファエロはようやく本題と思われることを切り出した。
「…じゃあ、どうやって、お前は、ドナテロと…。」
「…ドナテロと? 何だ?」
「……。」
先を促しても、ラファエロはそれきり黙り込んでしまう。何が言いたいのかさっぱり分からない。
(はて…。)
確かラファエロは先ほど、「どうやって」と言っていた。そこから俺は話の続きを導き出す。
「俺が、どうやって、ドナテロへ想いを伝え、そして互いに想い想われるような関係になったのか、それを聞きたいのか?」
「…あぁ、そうだよ。」
俺が察してくれたのに安堵したのか、ラファエロは溜まっていた息を吐き出す。ふむ、どう答えたものか…。
「そうだな、ありのままを言おう。ドナテロが寝ている部屋に忍び込んで、寝ているあいつに覆い被さって、唇を奪った。」
「えっ…!?」
「当然、ドナテロは目を覚ます。そこで俺は、お前の唇と心を奪いに来たと告げ、突然のキスでドナテロが慌てている内にさっさと逃げてきた。次の日も同じようにしたが、その後は二日ばかり間を開けた。まぁ、この辺りは駆け引きというものだな。」
俺の言葉に、ラファエロは呆然としている。
「本当かよ…。」
「こんな嘘はつかん。何なら、ドナテロにも聞いてみろ。今の話と全く同じことを言うだろう。」
「……。」
再び黙り込むラファエロ。何か考え込んでいるようだが…。
「今度は、俺が質問をする番だ。どうしてそんな事を聞く? お前も誰か、心に想う相手でもいるのか?」
「…っ、ぐ…!」
みるみるうちに、ラファエロの顔が真っ赤に染まる。図星のようだ。
「さあ、洗いざらい喋ってしまえ。楽になるぞ。」
低く呟いてから、俺はラファエロをじっと見つめる。すると、しばらくして視線のプレッシャーに耐え切れなくなったか、ラファエロが言葉を絞り出した。
「…、実は…。」
ラファエロが語った話を聞いて、俺は驚愕に目を見開いた。何とラファエロは、自分の兄弟である「レオナルド」に、想いを掛けているというのだ。それも、まだ子供だったころから、ずっと。
「…まぁ、相手がドナテロではないのなら、俺はそれでいいが。」
「…うっせぇよ。」
ラファエロの話は続く。成長するにつれ、その想いはますます強くなってきている。しかし、ずっと兄弟だったためか、想いを伝えるタイミングがなかなか掴めないのだという。
「妙な話だな。幼い頃から一緒に育ってきたのなら、レオナルドの好みぐらい簡単に分かりそうなものだが?」
「兄弟だからこそ、分かんねぇこともあんだよ。」
「…そういうものか。しかし、レオナルドの性格を考えると、先ほど言った俺のやり方は、正直お勧めしないぞ?」
俺がそう言うと、ラファエロは憮然とした表情になる。
「…多分、な。だけど、何も行動に移さねぇよりはマシだろ。」
ため息一つついて、ラファエロが立ち上がる。話はここで終わりのようだ。
「…悪かったな、急に押しかけちまって。」
「気にするな。ドナテロの兄弟なら、俺にとっても兄弟のようなものだ。」
「…ぶっ飛ばすぞ、てめぇ。」
やれやれ、冗談が通じないな。ラファエロを送り出して、大きく伸びをする。
(…しかし)
あんな本気の相談をされるとは思わなかった。少しずつ、信頼を勝ち得ているのだろうか。
いずれにしても、良い傾向だ。結果は、後でドナテロに聞こう。そう思いながら、俺は借りてきたDVDからアクション物を取り出し、その日の夜を楽しんだ。


翌日、早くも動きがあったようだ。
「…ん?」
仕事を終え、買い物を済ませて戻ってみると、部屋のドアの前に誰かがいた。近づいていくと、そいつは俺の気配に気づいて顔を上げる。赤いバンダナが見えて、俺はようやく警戒を解く。
「ラファエロか…。どうした?」
問いかけにも、彼は答えない。俯いたままのラファエロを部屋に招き入れ、買ってきた物を冷蔵庫にしまう。
「一体どうしたんだ?上手くいったのか?」
…返事はない。振り向いて見てやっと分かった。ラファエロは部屋に招き入れたにも関わらず、玄関先に突っ立ったままだった。
じっと見つめる俺の前で、ラファエロは変装用の帽子を取る。…気のせいではない、左の頬が腫れている。
「何があった?」
真剣な顔で詰め寄ると、ようやくラファエロは口を開いた。
「…昨夜、お前と同じことをやってみた。」
「…やったのか。あまりお勧めしないと言ったはずだが?」
「何にもしねぇよりはいいと思ったんだ。そうしたら…。」
「…頬を張られた、と?」
ラファエロは悔しそうに頷く。弁解の時間も与えられずに、部屋を追い出されたらしい。
「何で上手くいかねぇんだろうな…。」
深いため息をつき、ラファエロは途方にくれたように天井を見上げる。一方俺は、ラファエロのような性格の奴にぴったりの説得方法を見つけた。
すなわち、挑発。それを実行に移すべく、俺は口角を上げ、落ち込むラファエロを鼻で笑い飛ばした。
「やれやれ、タートルズの切り込み隊長ともあろう者が、何と情けない。」
「…何だと?」
…かかった。ラファエロの声に怒気が混じるのを気にせず、俺はにやにやと笑いながら続ける。
「自分の感情を、直接相手にぶつける事も出来ず、こんな所でぐだぐだと…。とんだ臆病者だな、お前は。」
「…何でてめぇにそこまで言われなきゃなんねぇんだ!」
「事実だろうが! 違うと言うなら、正面切ってレオナルドに告白してみせろ! 臆病者には無理か?」
「ぐっ…!」
拳をわなわなと震わせて、ラファエロは歯を食いしばる。やがて鋭い目つきで俺を睨み付け、
「分かったよ! 正々堂々とレオナルドに告白してきてやる! 今に見てやがれ!」
怒り心頭、といった面持ちで、ラファエロは俺の部屋を出て行く。力任せに閉められたドアをしばらく見つめた後、俺は小さく呟いた。
「頑張れよ、ラファエロ。」


その翌日。店の営業を終わらせた俺は、閉店業務を全て終え、スペシャルブレンドの準備にかかっていた。
今日はドナテロが来てくれる。それが何ともなしに嬉しくて、カップをいつもより丁寧に磨き上げた。
やがて、裏口のドアが開く。バックヤードを通り抜けてきたドナテロを、俺は笑顔で迎えた。
「ドナテロ、会いたかったぞ。」
「…うん、僕も会いたかった。」
たった二日会わないだけで、こんなにも愛おしい。いつもの指定席に腰掛けたドナテロに、淹れたてのスペシャルブレンドを出した。
「はー、美味し…。」
幸せそうにコーヒーを飲むドナテロに、俺まで和んでしまう。
「あ、そうそうジックス、昨夜凄いことがあったんだ。」
飲みかけのカップを置いて、ドナテロがカウンターに身を乗り出す。
「何だ?」
「あのね、ラファエロがレオナルドに告白してね、あの二人、何と付き合い始めたんだ!」
「…ほう。」
ドナテロの話を聞きながら、俺は自分の作戦が上手くいったことに満足していた。やはりラファエロのようなヤツは、挑発して怒らせるに限るな…。
「それで、僕が今日ここに来る前に、ラファエロから伝言を頼まれたんだ。『ありがとうって言っといてくれ』って。ジックス、何かしたの?」
…おやおや、もうネタバラシか。
「その前に、昨夜のラファエロの状況を聞かせてくれないか?」
コーヒーのお代わりを注ぎながら、俺はドナテロにそう促す。
「う、うん。いいけど…。」
カップを両手で持ちながら、ドナテロは話し始めた。昨日の夜、激怒しながら帰ってきたラファエロは、勝手な外出を諌めようとしたレオナルドの肩を掴み、一息にこう言ったらしい。
「レオナルド! 俺はお前が好きだ! 頼む、俺と付き合ってくれ!!」
最初は驚いていたレオナルドだったが、ラファエロに抱きしめられて、耳元で何か囁かれているうちに、ゆっくり瞬きをして、ラファエロの体に腕を回し、こくりと頷いたそうだ。
「すごい大きな声でね、我が家中に響くぐらいの。」
「レオナルドは断らなかったのか?」
「んー、何か、気圧されたっていう感じだった。頷くしかなかったみたい。」
「そうか…。」
やったなラファエロ、お前の念願は叶ったぞ。胸の内で称賛を送ると、ドナテロがさらに身を乗り出してきた。
「で? ジックス、一体ラファエロに何を言ったの?」
「あー…。」
迷った末、俺は正直に話した。自分がどうやってドナテロと心を通わせるようになったのか、その経緯。そして、項垂れるラファエロをわざと挑発して、奮起させたことも。
「全て丸く収まったんだ。良い事だろう?」
「…うん、いいんだけど…。」
ドナテロはカップで口元を隠し、ごにょごにょと呟く。
「…ちょっと、恥ずかしい。」
「何がだ? 俺たちの馴れ初めを話してしまったことがか?」
「う…。」
顔を赤くして、ドナテロは俯いてしまう。俺はカウンターの中から彼の隣に移動して、そっと肩を抱いた。
「あの二人は、まだ始まったばかりだ。温かく見守ってやってくれ。」
「…うん。」
ようやく、ドナテロに笑顔が戻る。さて、他の奴の話は、ここで終わりにしよう。
「今夜は、泊まっていけるんだろう?」
「…そのつもりだよ。」
コーヒーを飲み干して、ドナテロは俺に笑みを向けてくれる。…この上なく、幸せなひととき。
「…ドニー。」
低く囁いて、俺は彼に口付ける。微かにコーヒーの味がした。






R「愛してる! でも、この想いを伝えちまったらもう、俺たちは兄弟には戻れねぇ!」

Z「…ドナテロ、ナイトウォッチャーとはああいうものなのか?」

D「いや僕知らない」

お待ちどうさまでしたイケジックスです


では、今日はこの辺で。
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カテゴリ: タートルズSS(その他もろもろ)

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タートルズSS 「酔わせてモヒート」 (闇レオ×闇ドニー) 

(註:現代パロです。二人がホストクラブに勤めている、という設定です。ご注意くださいませ。)






裏口から外に出た俺は、すぐ横の壁にもたれかかり、大きく息を吐き出した。
真夜中でも決して眠らない街。煌々とネオンが輝く場所の一角に、俺が働くホストクラブはあった。
懐からタバコを一本取り出してくわえ、スーツのポケットを探ってライターを取り出し、火を点けようとする。しかし、ガスが少なくなってきているのか、なかなか火が点かない。
じりじりしていると、不意に横合いから、火の点いたライターが差し出される。その手を目で追うと、ライターを差し出した本人がにっと笑った。
「使えよ。」
「…あぁ。」
俺はありがたく、その火を使わせてもらう。ライターの持ち主、ドナテロは、俺の隣で同じように壁にもたれ、さも美味そうにタバコの煙を吐き出した。
「今日もやるねぇ、レオナルドは。一本五万はするワインを、三本も入れさせて、さ。」
「…お前には負ける。」
そう答えると、ドナテロは苦笑と共にタバコの灰を落とす。このホストクラブで一番の売り上げを誇る奴、それがドナテロだ。人当たりの良い性格からか、女性からの受けもいい。固定客もかなりいるようだ。
ちなみに俺は僅差で二位に甘んじている。ある意味、互いが切磋琢磨しあっているせいか、売り上げランキングでも俺たち二人だけが群を抜いていた。
「ま、せいぜいお前に抜かされないように頑張るわ。」
「言ってろ。」
「はいはい。」
俺の言葉を軽く受け流しながら、ドナテロは吸い切って短くなったタバコを携帯灰皿に押し込み、店に戻っていく。残された俺は、タバコの煙を細く長く吐き出しながら、路地裏からのぞく細い空を眺めた。

いつからか、俺はドナテロに、同僚として以上の想いを抱くようになってしまった。
ほとんど同時期に入ってきたせいか、あいつとは一番長い付き合いになっている。今じゃ二人とも、この店の中核を担う存在だ。
それなのに、俺は気が付けば、客としてくる女性ではなく、アイツのほうを常に意識してしまうようになっていた。
ドナテロのいるテーブルが盛り上がり、奴が女性の肩に手を置こうものなら、俺は奴の背中をじろりと睨みつける。恐らく嫉妬だろう。こんな醜い感情、持つべきではない。分かっているのに…。
(…俺が、本当に欲しい指名は、絶対に来ることはないんだ…。)
仕事が終わり、自分のアパートに帰っても、俺は中々寝付けない。冷蔵庫にあったモヒートを煽っても、アルコールは俺の意識を鮮明にしていくだけだった。
(ドナテロ…。)
胸の中で奴の顔を思い浮かべ、俺は目を閉じる。少しずつ回ってくるアルコールの酩酊感だけが、俺を眠らせてくれた。


翌日、俺は非番だった。しかし、取り立てて行く場所があるわけでもない。アパートを出てそこらをうろついている内に、俺は職場であるホストクラブの前まで来てしまっていた。
「……。」
入り口にあるネオンを見ながら、考える。今日は確か、ドナテロは出勤日だったはずだ。つまり、中に入れば、あいつに会える…。
次の瞬間には、俺はもう心を決めていた。とりあえず近くの定食屋に入って腹を満たし、酒をちびちびとやりながら、時を待った。
腕時計で確認すると、時刻は閉店二十分前。俺は勘定を済ませ、意を決してクラブのドアに手を掛ける。しかし、俺が取っ手を引くまでもなく、ドアは自然に内側から開いた。
思わず避けると、中からは客と思わしき女性が数人、楽しそうに語り合いながら出てきた。そんな女性たちを見送りに出たのが…、ドナテロだった。
(…!)
驚く俺を後目に、ドナテロは女性たちを丁重に送り出す。
「ありがとうございました! またのお越しをお待ちしております!」
なおも手を振り続ける女性たちにもう一度頭を下げ、くるりと振り向いたドナテロは、ドアの側にたたずむ俺に気づいて、ぎょっとした。
「れ、レオナルド…? お前、今日、非番じゃ…?」
「…今日は客だ。入れてくれ。」
「…あぁ、いいけど…。」
ドナテロに案内されて、俺は空いたテーブル席に座る。働いていた後輩たちが、くだけた格好で店に来た俺に、ひどく驚いていた。
「相手、俺でいいか?」
「…あぁ。」
声を掛けてきたドナテロに返事をし、俺は深々とソファに座り直した。普段、仕事ではさんざん座っているこのソファだが、こうやってプライベートで来ると、少し新鮮なような気もする。
「何飲むんだ?」
「そうだな…、ドンペリ入れてくれ。ロゼでな。」
メニューも見ずに放った俺の一言に、ドナテロは今度こそ撃沈する。
「なっ、お前っ…! いいのかよ! 俺の売り上げになっちまうぞ!?」
「構わん。その代わり、例の大騒ぎは無しで頼む。」
ここにも一応、ドンペリやら高い酒を入れてくれた客に対する「お礼」みたいなものがある。要はその客を従業員全員で誉めそやし、いい気分になってもらおうというものだ。それを、俺は断ったのだ。
「…ちょっと、待ってろな。」
怪訝な顔つきのまま、ドナテロが厨房に入っていく。程なくして、ドナテロがドンペリをトレーに載せて戻ってきた。よく冷えたシャンパングラスを二つに、さっと見繕ったおつまみ、数種。
「開けるぞ。」
言うが早いか、ドナテロは慣れた手つきでボトルの蓋を開ける。シャンパングラスに注がれた、薄い桃色の液体。グラスの底から、小さな泡がとめどなく湧き出てくる。…俺の、ドナテロへの想いと一緒だ。
「…お前とやる、っつーのも何だが…、乾杯。」
どことなく照れくさそうなドナテロの声に合わせ、俺たちはグラスを掲げ、軽く合わせる。その澄んだ音の反響が消えない内に、俺はグラスの中のシャンパンを全て飲み干していた。途端にドナテロが腹を抱えて笑い出す。
「お前っ…、いくら自分で頼んだからって、一気飲みするかー!?」
「いいんだ。これから、とても素面では言えないような話をするんだからな。」
「話って、俺にか?」
笑いながら、ドナテロは空になった俺のグラスに、シャンパンを満たしてくれる。立ち昇る泡をじっと見つめながら、俺は彼のほうを見ずに口を開いた。
「…ドナテロ。」
「ん?」
チーズの乗ったクラッカーを口に放り込んで、ドナテロは軽い返事をする。俺は大きく息を吸い込み、呼気と共に思いのたけを吐きだした。
「…お前が好きだ。」
クラッカーを噛み砕く音が、止まった。顔を上げられないでいると、ドナテロは口の中のものを飲み下し、じっと俺に視線を注いでいるようだった。
「…好き、って?」
…そんな風に聞いてくるということは、言い方がまずかったのだろうか。俺はもう一度、今度はもっと分かりやすく伝える。
「…お前を、愛している。」
今度は、はっきりと分かったのだろう。二人の間に沈黙が落ちる。
「…れ、レオ…。」
掠れた声で、ドナテロが俺の名を呟く。すると、もうすぐ閉店時間なのだろう、今日の終礼を行う旨の放送が流れた。
「ちょ、ちょっと待っててくれ。レオナルドだから、帰んなくても大丈夫だろ…。」
あせったように言い、ドナテロは席を立つ。去り際に、こんな一言を残して。
「それ、全部飲むなよ! 戻ってきたら、また俺も飲むんだからな!」
「…分かった。」
ぱたぱたと走り去るドナテロを見送り、俺は中身の満ちたシャンパングラスを持ち上げる。一口飲むと、収まっていたはずの泡が、再び溢れ出してきた。今度はゆっくり、味わって飲もう。


「いいって。施錠なら俺がするからさ。ほい、上がった上がった。」
今日の店舗の施錠の当番である後輩を、無理やり帰らせて、ドナテロは裏口のドアを閉めてしまう。そして、
「待たせちまったな。」
誰もいない店内で、悠々とドンペリを楽しんでいた俺のもとに、また戻ってきた。
「残ってんだろうな? これ。」
ドナテロはボトルを持ち上げ、自分のグラスに改めて注ぐ。それを半分ほど喉に流し込んだところで、ドナテロは目を瞬かせた。
「…んで、レオナルド。さっきの言葉って、…本気なのか?」
「…いくら酒が入っているとはいえ、俺が嘘で、あんなことを言うやつだと思うか?」
「思わない、けど…。」
再び落ちる沈黙、俺は耐えられなくなって、少しだけ空いていたドナテロとの距離を、一気に詰めた。
「えっ…!?」
ドナテロが驚いたときには、俺は彼の唇を奪っていた。普段、女性に向かって明るく話しかけているこの口が、今、微かにわなないている。
「…もう一度言う。お前を愛している。嘘なんかじゃない、本気だ…!」
囁くように言い、俺はドナテロをぐっと抱きしめる。スーツの下に隠されたスレンダーな体の感触が、服越しに伝わってくる。そして、
「…っ、ふっ、ふふっ…。」
ドナテロの、押し殺した含み笑いも、同時に伝わってきた。
「何だ、何がおかしい。」
俺が諌めても、しばらくドナテロの笑いは止まらなかった。やっと笑いを収めたと思いきや、ドナテロは俺を抱きしめ返してきた。
「…やー、まいったね、どうも…。」
驚いて体を離すと、ドナテロは照れくさそうな笑みを浮かべ、俺から視線をそらす。
「まさか、レオナルドがそんな風に思ってたなんてな…。全然気づかなかった。」
「…それはいい。早く返事をしてくれ…!」
「はいはい。」
ドナテロは、いつものように俺の言葉を受け流そうとして…、不意に、俺の唇をキスで塞ぐ。
「なっ…!?」
「…俺も、お前が好きだよ。俺の恋人になってくれるよな、レオナルド。」
目の前で、嬉しそうに笑うドナテロの顔。それが、少しずつ滲んでいった。


俺が、何よりも待ち望んでいた、ドナテロからの指名が、目の前に舞い降りてきた。

この感情を、どこにぶつければいいのか分からない。だから俺は、ドナテロの体を、しっかりと抱きしめ直した。






ついったーで、「ホストクラブパロで、砂糖菓子のような闇寒色を書きましょう」ってお題が出たんですよ。

予想以上に話が膨らんでしまって、これはもうついのべじゃ収まらないってことで、急遽ここで。

…はっは 何でしょうねコレっ(^ω^)


余談ですが、二人が働くホストクラブの名前は、「Day of Awakening」です。
公式サイトのトップに、

「あなたが、心から安らげる場所は、どこですか?

日常にふと疲れたとき、自分が潤っていないなと感じたとき、この扉を開けてみて下さい。

それが、あなたの『目覚めの時』です。

あなたのご来店を、従業員一同、心よりお待ちしております。」

と、このような文章が書いてある、と思ってくださいまし。



ここまで設定が作りこまれましたが、続編の予定は未定です。^ω^


では、今日はこの辺で。

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タートルズSS 「Call」 (レオ×ドニー、裏) 

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タートルズSS 「Happiness」 (マイキー×レオ、捧げ物) 

「オイラ、レオちゃんのことが好きなの。」
二人で買い物に出掛けた際の、帰り道。突然の告白に硬直する俺を、マイキーの空色の瞳が見つめてくる。
「んっと、子供の頃からそうだったんだけど、レオちゃんはオイラにとって、先生ともドナちゃんともラフとも違う、ちょっとトクベツな存在で…。」
マイキーの言葉を聞いているうちに、俺の顔はどんどん真っ赤になっていく。マイキーの目が、少し潤んだような気がした。
「だからね、レオちゃん…、オイラと、付き合ってほしいんだ。」
「マイキー…!」
やはり、これは恋愛感情のようだ。困って視線を泳がせ、緊張で乾ききった喉に、何とか唾液を送り込む。
「…ほ、本気なのか、マイキー…!?」
やっとのことでそれだけ言うと、マイキーはこくりと頷く。
「本気だよ。今だって、レオちゃんと二人っきりだって思うだけで、胸がドキドキしてるんだもん…。」
そう呟いて、マイキーは頬を真っ赤に染めて俯いてしまう。一方俺も、返事に困って俯いてしまった。
「…あー、マイキー…。」
沈黙に耐えかねて、俺が口を開く。
「…何?」
「…いや、その…。」
弱った、何て言えばいいんだ…? ともかく、俺は心の中で思ったことを、たどたどしくも言葉にしていく。
「…お前の気持ちは、素直に嬉しいと思うよ。だけど、今すぐに答えが出るような問題じゃない。だから…。」
「…考える時間がほしい、ってこと?」
口ごもってしまった俺をフォローするように、マイキーがぽつりと呟く。俺はそれに、小さく頷いた。
「そっか…、分かった。でも、出来るだけ早く頼むね。」
「……あぁ。」
力なく返事をすると、マイキーはそれまでの真剣な表情とはうってかわって明るく笑い、
「さ、帰ろっ。」
と、いつも通り無邪気に俺の手を引っ張った。

マイキーが、俺に対して、そんな感情を抱いていたなんて、ちっとも知らなかった。
いつも可愛い、俺たちの末の弟のはずだった。彼の成長を、こんな形で思い知ることになるなんて…!
「…レオ?」
後ろから肩を叩かれ、俺ははっと我に返る。こちらを覗き込んできたドナテロが、「大丈夫?」と心配そうに聞いてきた。
「…あ、あぁ、大丈夫だ…。ちょっと、考え事をしていただけだから…。」
彼を心配させまいと、俺は努めて明るく振舞う。
「そう…。シャワー空いたから、いつでもいいよ。」
「あぁ、ありがとう。」
ドナテロが去り、俺はリビングのソファーに一人残される。…ダメだ、ここで悩んでいても、答えは出ない。シャワーを浴びてさっぱりすれば、少し気分も変わるか…。
はぁ、と盛大にため息をついて、俺はシャワーを浴びにリビングを後にする。
しかし、体を洗っていても、先ほどのマイキーの言葉が、頭の中をぐるぐると回り続ける。
(付き合ってほしい、か…。)
何で俺なんだろう。ラファエロでもドナテロでもなく。そんな取り留めのないことを考えながら、俺はタオルで頭を拭きつつ、リビングへと戻る。そこで、俺はもう一度硬直するはめになった。
(うっ…!)
先ほどまで俺が腰掛けていた、リビングのソファー。そこに、誰かすでに腰掛けている。ソファーの背に垂れる、オレンジ色のバンダナ。間違いない、マイキーだ…!
幸い、まだ気づかれてはいないようだ。俺はなるべく音を立てないように、そっと後ろを向く。そのまま歩き出そうとして…。
「…レオちゃん?」
「っ!?」
いきなりマイキーに声をかけられて、俺は文字通りフリーズしてしまう。マイキーの視線を痛いほどに感じながら、俺は出来る限り平静を装った。
「…ど、どうした、マイキー…。」
…平静を装ったつもりだった。しかし、明らかに声が震えている、それに何より…、後ろを振り向けない。振り向いたら最後、あのどこまでも真っ直ぐな空色の瞳が俺を絡め取るのが分かっているから。
「…ん、まだ、答え出せない?」
切なさを含んだ彼の声に、俺は唇を噛み締め…、短い沈黙の後、小さく頷く。左腕を右手で抱き、ともすれば倒れてしまいそうになる自分を、必死に支えながら。
「…分かった。オイラ、待ってるからね…。」
それきり、マイキーは黙り込んでしまう。俺は蹌踉とした足取りで自分の部屋にたどり着き、そのままベッドに倒れこんだ。
(マイキー…。)
心臓が早鐘を打っている。マイキーと視線を合わせたことは何度もあるのに、あの告白以来、俺の受ける印象が違ってきている。「弟」ではなく…、一人の「雄」としての、確固たる意思があるように思えてしまう。
(あぁ、もう…!)
遅かれ早かれ、答えは出さなければいけない。何度も瞬きをしているうちに、俺はいつの間にか眠りに落ちていた。


結局、マイキーと目を合わせられないまま、翌日になってしまった。修行のときも、食事のときも、俺は俯いたまま。ドナテロやラファエロにも生返事をし、マイキーがじっと俺を見つめているのにも、知らぬ振りをしていた。
こんな状態でいるわけにはいかない。しかし、どんなに悩んでも答えは出ない。何十回とついたため息をまた一つ増やすと、俺が座っていたソファーがふわりと揺れた。隣に誰か座ってきたのだ。
そちらに視線を向けた俺は、視界の端で揺れるオレンジ色のバンダナを見ただけで、またフリーズしてしまう。マイキーだ…! ソファーの上にあったクッションを抱きしめながら、時おりちらりと視線をこちらに走らせる。顔が赤くなっていくのが、自分でも分かった。
「…ねぇ、レオちゃん…。」
耐えかねたのか、マイキーが俺の名を呼ぶ。…俺も、そこが限界だった。
「…ごめん、マイキー。頭を冷やしてくる。」
それだけ言うと、俺はソファーから立ち上がり、振り向くことなく、我が家の外に出て行く。小走りで下水道の中を進み、疲れたところで足を止めた。
(…ごめん、マイキー…!)
心の中でもう一度謝り、俺は壁に体を預け、そのままずるずるとへたり込む。答えも出せずに、あの視線から逃げて…。本当に、ごめんな、マイキー…!
「…レオちゃん、見っけ。」
聞こえてきた声に顔を上げると、俺の前にいつの間にかマイキーが立っていた。ちょっと困ったような瞳に、心臓が跳ね上がる。
「…ま、マイキー…!」
掠れた声で名を呼ぶと、マイキーは俯き、何回かの瞬きの後に、言葉を絞り出した。
「…やっぱ、メイワク?」
「えっ…。」
そう呟いたマイキーの目は、明らかに潤んでいた。戸惑う俺を後目に、マイキーはそっとその場から離れようとする。
「それならいいんだ。オイラ、頑張って…、諦めるからっ…!」
くるりと踵を返し、マイキーは俺に背を向けて歩き出す。その後ろ姿を見た俺は、無意識のうちに彼を呼び止めていた。
「マイキー、待てっ…!」
俺の声に、マイキーの足が止まる。ふらつきながらも立ち上がると、マイキーはゆっくりと振り向く。涙の粒が散ったのが見えた。恐らく見間違いではないだろう。
「…何、レオちゃん。」
「…上手く言えるか自信がないが、俺の話を聞いてほしい。いいか?」
涙を堪え、赤く染まった頬で、マイキーは小さく頷く。そんなマイキーに向かい、俺はまず頭を下げた。
「まずは謝らせてくれ。俺は、マイキーから逃げていた。答えを出すのが怖くて、ずっと逃げてた…。本当にごめん。」
深々と頭を下げる。反応がないことに顔を上げると、マイキーの口から小さな笑いがこぼれてきた。
「怖いって…、フィアレスリーダーが言う言葉じゃないよね。」
「だから謝っているんだ。」
少々むっとして言うと、マイキーは慌てて手を振ってごまかす。
「ご、ごめん…。…それで?」
「それで、だ。…その、俺にとっても、マイキーは特別な存在だ。それが言いたかったんだ…。」
今まで避けていたマイキーの目を、真っ直ぐ見据えながら言葉を紡ぐ。マイキーは笑いを収め、俺をじっと見返していた。
「レオちゃん…。」
小さく俺を呼んだ後、マイキーはきゅっと唇を結び、何かを決意したように自分の胸を手で押さえた。
「じゃあ…、キスしてもイイ?」
「なっ…!?」
キス、という言葉の響きだけで、俺の顔は真っ赤になってしまう。しかし、…イヤだ、とは思わなかった。だから俺は、恥ずかしさに震えながらではあるが、こくりと頷く。
「ホントにいいの…?」
俺をじっと見ながら、マイキーは俺との距離を詰めてくる。俺は後ろにあった壁に押し付けられるような体勢になり、そして…。
「……っ!」
唇が触れ合った。目を閉じると、マイキーの唇の感触、伝わってくる体温、その全てをはっきりと感じ取れる。長いような短いような時間の後、マイキーはそっと俺から離れた。
「…っ、はぁ…。」
知らないうちに止めていた息を吐き出し、目を開ける。最初に飛び込んできたのは、至近距離で見る、マイキーの目の、青。
「…ねぇレオちゃん、笑って…。」
「マイキー…?」
俺の頬を包むように、マイキーの手が顔に触れてくる。
「お願い、笑って…。オイラ、レオちゃんの笑顔が見たい…!」
「……。」
頬に触れたマイキーの手に、自分の手を重ねる。思えば、マイキーの告白を聞いてから、俺は笑顔を浮かべていないような気がする。胸の鼓動を抑えながら、俺はにっこりと笑顔になった。
「…えへ、良かったぁ…!」
俺の笑顔を見て、マイキーもふわりと笑み崩れる。同時に、その目から大粒の涙をぽろぽろと零し始めた。自分でも何で泣いているか分からないようで、しきりに濡れた頬を手で拭っている。
「あれ、何でだろ…。嬉しいのに、これ、止まんないよー…。」
大きくしゃくり上げると、マイキーは涙を拭うのを止め、俺に抱きついてくる。首筋にしっかり回した腕に、ぎゅっと力が込められた。
「…レオ、大好きだよ…!」
…きっと、マイキーの目からこぼれているのは、俺への想いの粒なんだろう。それもきっと、切なさや苦しさが存分に入り混じったもの。だったら俺は、それを全て受け止めてあげなくては…。
「マイキー…。」
彼の背中にそっと腕を回し、優しく抱きしめてやる。寄せられる想いは温かく、俺の中に静かに染み入ってくる。いまだに嗚咽が止まらないけれど、俺はそんなマイキーを、心から…

―愛しい、と思った。






ゆりっぷるなミケレオを目指したつもりだったんだが…、どこか違う気がする。

あおきです。どうも。
ミケレオです。拍手SSにはあるものの、こうやってまともに書くのは初めてです。
端っこはやっぱ百合っぽくないとね! だって両方とも可愛いんだもの!!

このSSは、「Infinite Orbit」の椋都さまのお誕生日プレゼントです。椋都さまのみ、お持ち帰り可ですv

では、今日はこの辺で。

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タートルズSS 「I know...」 (レオナルド×カライ) 

眼下に広がる、フット団の本部。月の光を背中に浴びながら、俺はじっとその建物を見下ろしていた。
やがて、俺は呼吸を整え、それまで立っていたビルの屋上から身を躍らせる。
警備に当たっているフットソルジャーたちの隙を突き、建物内に侵入する。訳もないことだった。
一面がガラス張りになっている、本部内の、道場と思われる広い部屋。その中央に、彼女いた。
カライ。このフット団を束ねる人物で、…俺がここに来た理由。彼女は今、部屋の真ん中に座り込み、瞑想をしているようだ。
上の方にある換気窓を開け、するりと中に忍び込む。出来るだけ足音をさせないように、俺は床に降り立った。しかし、どうも彼女は俺の侵入に気づいたらしい。俺が床に降り立つと同時に、低く落ち着いた声が聞こえてくる。
「…驚いたな。ここの警備は厳重だったはずだが?」
俺はその声に答えず、慎重にカライとの距離を詰める。
「何をしに来た、レオナルド。」
問われて、俺はそこで足を止める。彼女はまだ、俺に背を向けて座ったまま。どう話を切り出していいか分からず、俺は結局、ストレートに言うことにした。
「…お前に、渡す物があるんだ。」
「…渡す物?」
俺の言葉を訝り、そこで初めてカライが立ち上がる。こちらに向き直った彼女に、俺は背中に隠し持っていた、青いリボンの包みを差し出す。カライの目が大きく見開かれた。
「これは…!?」
俺の手の中の包みと、俺の顔を、彼女は交互に見る。その様子がどこか可愛く思えて、俺は微笑んだ。
「…お返しに来たよ。バレンタインのチョコレートを、まだ直接俺に渡すことの出来ない、…誰かさん。」
「!」
今度こそ、彼女の顔が真っ赤に染まる。俺も少しだけ頬を染めながら、彼女の方に包みを差し出す。
「…受け取ってくれ。」
「……。」
おずおずと、彼女は両手を差し出す。その手のひらの上に包みを置き、俺はほっと胸を撫で下ろした。
「それじゃ…。」
俺は軽く手を上げて、その場を去ろうとする。しかし、
「…ま、待ってくれ…!」
当のカライの声が、それを押し留めた。
足を止めて振り返ると、カライは恥ずかしそうに視線をさまよわせ、消え入りそうな声で呟く。
「…何故、私だと分かった?」
「…何となくだけど、君じゃないかと思っていたんだ。だけど、…その様子を見ると、君で正解だったようだ。」
「あ…。」
俺は入ってきた換気窓まで上り、振り返ってみる。彼女はその場に立ち竦んだまま、俺をじっと見つめていた。
「…美味しかったよ、チョコレート。ありがとう。」
そう言い残し、俺は換気窓から外に抜け出す。月の光を受け、…ほのかに温かくなった胸に手を当て、俺はフットソルジャーたちに見つからないよう、こっそりとフット団の本部を後にした。
残されたカライは、俺が渡した包みのリボンを指でつまみ、ほどく。中から出てきたのは、小さな缶に詰められたクッキー。その中の一枚を口に入れ、カライは小さく微笑んだ。
「…ありがとう、レオナルド。」
吐き出した小さな呟きは、誰にも聞かれることなく、夜の闇に溶けて消えた。






バレンタインに続き、ホワイトデーもレオカラです。

バレンタインの時に書いたのと続き物にしてみましたよ。うふふ(*´∀`)


では、今日はこの辺で。

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