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タートルズSS 「自らの翼」 (闇レオ×レオ) 

もし、俺の背にも翼があったなら。

この呪縛から解き放たれ、大空を自由に舞うことが出来るのだろうか。



イヌワシ軍人という者たちがいた。

彼らは、かつては勇猛果敢な猛者として名を馳せていた。

しかし、時が経つに連れ、彼らの強さは無用のものとなり、デリアス・ダン― あの、忌々しい男の「持ち物」となっていた。逆らうことは許されず、凍結装置と言う名の牢獄に繋がれて。

だが、彼らは他ならぬタートルズと関わることで、自らの「戦士としての誇り」を取り戻し、同時に自由も手に入れた。

もし、俺にも、彼らのような翼があったなら。

彼らの事を知ってしまってから、俺はそう考えてしまうようになった。


「えぇい、あの忌々しいタートルズめ…!」
目の前をうろうろしながら、デリアス・ダンは毒づく。その身を醜悪な機械に包まれながら、まだ諦めきれずにいるのだ。
そして奴は、その機械の腕を乱暴に振り回し、目の前にいる俺たちを怒鳴りつける。
「お前たちは何をしているのだ! 一刻も早く、あの亀共を倒しに行け!」
俺は、奴を冷ややかな目で睨みつけ、一歩前に出る。
「…俺は、お前の奴隷ではない。お前のたわ言など聞くものか!」
俺自身も、タートルズと関わり、話し、自分の中で何かが変わりつつあるのを自覚している。自由を手にしたイヌワシ軍人たちと同じように、俺も抗わなくては…!
しかし、その声の残響が消えると同時に、デリアスは俺をじろりと睨み…、
「…ぐうっ!」
一瞬の間を置き、俺の体は地面に叩きつけられていた。同時に頭を踏みつけられ、痛みに顔を歪ませる。
「血迷ったのか貴様!」
頭上から降ってくる、傲慢な言葉。身動きがとれず、地面をがりがりと引っ掻く。気が遠くなりそうになったところで、やっと頭から奴の足が退いた。
「くっ…。」
痛む頭に手をやると、また頭上から奴の声が降ってくる。
「二度と私に逆らおうなどと思うな。いいな!」
屈辱に身を震わせていると、奴はそのまま歩き去っていく。その後ろ姿を睨みつけながら、何とか立ち上がった。
「……。」
兄弟たちは何も言わない。同情しているのか、それとも俺の行動に呆れ帰っているのか。
これ以上、ここにいるのが耐え切れない。そう思い、俺はその場に兄弟たちを残し、奴とは逆方向に歩き去った。


どこをどう歩いたのか、見当もつかない。
飛び出してから何日経ったのかも分からない。
何も入れていない腹は、もう鳴ることすらない。
疲れ果てた俺は、ちょうど入り込んでいた路地で倒れこみ、そのまま意識を失った。

これが、俺の望んだ「自由」なのだろうか…。


「…どうだい? ドナテロ。」
「うん、健康状態には問題なし。ただ…。」
「ただ?」
「…かなりの空腹。あとは疲労、かな。」

夢うつつに、そんな声を聞いた気がした。そして。

目を覚ました俺は、彼らに囲まれていた。


皿の上に山と盛られたビスケット。積み重なったパンケーキ。焼きたてのベーコンエッグ。
それらの食物を、俺はただただ無心で腹に詰め込んでいた。
食事を続ける俺を、コーディとか言う少年が、じっと眺めている。そしてその隣には…、レオナルド。俺のオリジナルが、じっと俺を見つめていた。
突き刺さる視線を気にしないようにし、俺は一リットルの牛乳を飲み干す。そこまで食べて、やっとこの腹は満足したようだった。
「…ねぇ、どうして君は、あんな所に倒れていたの?」
俺が食い終わったのを見計らって、コーディが話しかけてくる。だんまりもどうかと思い、俺は正直に話した。デリアスの元を逃げ出してきたこと、当てもなくうろつき、空ききった腹を抱え、あそこで倒れていたこと。
「俺は、自由が欲しかったんだ。けど、何も分かっちゃいなかった…。」
悔しさを込めて、テーブルを殴りつける。と、途端に眠気が襲ってきた。ぐらりと倒れ掛かる俺を、レオナルド当人が支えてくれる。
「とにかく、少し休んだほうがいい。」
抵抗する気も起きず、俺は彼に連れられ、与えられた客間に入っていく。ふかりとしたベッドの感触に、横たわった俺は、たちまち眠りに誘われた。


目が覚めると、枕元にレオナルドがいた。時間の許す限り、ずっと俺を見ていてくれたらしい。
「…落ち着いたか?」
ベッドの上に身を起こし、小さく頷く。ため息をついた後、俺は小さく口を開く。
「…イヌワシ軍人、という者たちを、知っているか?」
「…あぁ。何度か刃を交えたことがある。」
レオナルドが頷いたのを見て、俺はデリアスの元を飛び出した理由を話し始めた。デリアスの子飼いであった彼らが、度重なる屈辱に耐え、ついに自由を手にしたのを知って、…彼らに、憧れにも似たような感情を抱いたこと。
「だから、俺も彼らのように、抗わなければいけない。そう思った。しかし…、皮肉なものだな。奴の元を飛び出して分かったのは、俺は自分自身の面倒すら、自分で見ることも出来ないという、厳しすぎる現実だけだ…。」
足の上に置いた両の手のひらを、固く握り締める。痛みで、自分を縛めるかのように。
「自由というのは、責任も伴うのだな。ただ闇雲に行動するだけでは、自由とは言わない。己自身の行動に責任が持てて、初めて『自由』という言葉が使えるんだ。俺は、甘かったんだ…。」
それが分かっていなかった悔しさに、俺は頭を抱えた。自分一人すらどうにも出来ない者に、翼など持てるはずもない。
しかし、肩に置かれた彼の手の感触に、思わず俺はそちらを向く。レオナルドは…、笑っていた。
「でも、お前は気づくことが出来た。このままではいけない。だから変わろうと思った。そうだろう?」
俺が頷くと、レオナルドの笑みが更に深くなる。
「だったら、俺はお前の行動は素晴らしいと思う。自分で考え、行動に移すことが出来たんだからな。それに、お前が自分自身の手で生きていけるようになるなら、俺たちは協力を惜しまないさ。」
全てを包んでしまうような笑みに、俺は訳もなく泣きたくなるような感覚に襲われ、…しかし、何とか涙を堪え、彼に礼の言葉を述べた。
「…ありがとう。」
恐らく、今の俺の顔は見るに耐えないだろう。自分でも良くわかる。泣き笑いのような顔。しかし、彼は変わらず、俺に笑みを向けてくれている。それが嬉しくて、俺はレオナルドの背に手を回し、そっと抱き寄せた。


彼らのところに身を寄せてから、五日。俺は出来る範囲でコーディと呼ばれる少年の手伝いをしたり、少しずつではあるが、自分の力で生きていこうと頑張っていた。
その日も、俺は朝食のあと、コーディの手伝いをすることになっていた。しかし。
「コーディ様、お客さまでございます。はぁ、これ以上面倒ごとを持ち込まれるのは非常に困るのですが…。」
そんな嫌味を零しながら、サーリンとかいうロボットが、リビングに案内してきた人物。それが誰であるかが分かった瞬間、俺はその場に立ち上がっていた。
「ラファエロ…!」
少し困ったような顔をしておずおずと入ってきたのは、俺の兄弟。同じテーブルについた、オリジナルの方のラファエロが、露骨にイヤな顔をしたが、それを気にしている場合ではなかった。
「…何をしにきた。」
わざと、突き放したような口調で言う。すると、ラファエロはすぐに俯いてしまう。たっぷりの沈黙を挟み、ラファエロはたった一言だけ口にした。
「…お前を、迎えにきた。」
迎え、だと…? 俺にまた、あの男の下に戻れと言うのか…?
「…俺はもう戻らない。戻るつもりもない。」
あそこを飛び出した時から、そう決めていた。紆余曲折はあったが、俺はようやく、自らの力で生きることを始められたのだ。しかし、詰め寄ってきたラファエロに両腕を掴まれ、真剣な顔で見上げられ、一度決まったはずの心が揺らぎ始める。
「…俺たちを、見捨てるのか!?」
ラファエロの口からこぼれた重い言葉に、思わず息を呑む。
「そいつらと同じように、俺たちだって、たった四人の兄弟だろ! 違うか!?」
「ラファエロ…!」
掠れた声で兄弟の名を呼ぶと、別の足音が聞こえてきた。顔を上げるとそこには、ドナテロとミケランジェロの姿。みんな揃って、俺を迎えに…?
「…あー、何つーかさぁ、やっぱ、お前がいないとしっくり来ないっていうか…。」
ミケランジェロの困ったような声に、ドナテロも頷いている。俺はもう一度ラファエロに視線を落とし、小刻みに震える肩を、そっと抱いてやる。
「…レオナルド。」
オリジナルの彼を呼ぶと、彼はすぐに席を立ってくれる。振り向かずとも、気配で分かる。
「何だ?」
「…自らが、高みを目指すために羽ばたかせるのも翼なら、…大きく広げ、兄弟たちを包んで護るのも、また翼だよな。」
「…そうだな。」
恐らく、俺が何を言いたいか、彼は察してくれている。…それでいい。
ラファエロの肩をぽんと叩き、「帰るぞ。」と呟く。心なしか安堵したような表情の兄弟たちと、俺は自分たちの船に乗り込んだ。


強くなろう。自らの翼で、兄弟たちを護れるくらいになるように。






これ、闇レオレオって言っていいの?

あおきです、どうも。

「イヌワシ軍人に憧れる闇レオ」が書きたかったんです。あと、デリアスに闇レオの頭を踏みつけさせて「血迷ったか貴様!」って言わせたかっただけなんです。本当に申し訳ありません。

一応、闇レオレオとしておきましたが、非常にプラトニックというか…、カップリング要素、もしかしたら皆無かもしれませぬ。あははー

…こ、こんなのも書けるんですよってことで。



では、今日はこの辺で。
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タートルズSS 「道化の手に愛を」 (闇レオ×レオ) 

操られていた。

踊らされていた。

しかし、そんな俺でも、彼は「好きだ」と言ってくれた。

だから俺は、…いずれ来る別れの日を、出来るだけ意識しないように過ごしていた。


我が家で、身支度を整えていると、ドナテロがそっと顔を出してきた。
「…レオナルド、また、アイツに会いにいくのか?」
「…あぁ。」
短く返事をして、俺はドナテロに向き直る。ドナテロが言う「アイツ」というのは、…俺のオリジナルである、もう一人の「レオナルド」のことだ。
「…あまり、深入りするなよ。分かってるんだろ?」
「……。」
彼の忠告に耳を貸さず、俺は無言で我が家を後にした。


俺たちを作り出した存在が消滅してからというもの、俺たちにはタートルズと敵対する理由がなくなってしまった。
この世界で普通に暮らし始めたが、徐々にその暮らしにも慣れてきている。
そして俺は、…自分のオリジナルと心を通わせていた。
以前から、俺は彼に心を惹かれていた。それは、彼が俺のオリジナルであるがための、ある種の「リンク」であったとも言えるかもしれない。しかし今は、正しい意味で、彼を愛しく思っている。そして彼も、俺を好きでいてくれている。単純に、嬉しいことだった。
(だが…。)
以前に聞かされた、真実。彼らはこの時代の存在ではなく、いつか、自分たちが元々いた時代に、帰らなければならない、ということ。つまり、この先に待っているのは…。
(……!)
襲い来た胸の痛みに、表情が歪む。…考えないようにしていた。目を背けていた。しかし、いずれは考えなければならないこと。ドナテロが「深入りするな」と言うのも、それを踏まえてであろう。
だけど、…どうしても、想いが消えてくれない。だから俺は、こうして彼に会いに行ってしまうんだ…。

待ち合わせ場所に行くと、すでに彼が俺を待っていた。彼は俯いていたが、やがて顔を上げて、俺の姿を認め、ぱっと笑顔になる。
「ダークレオナルド…。」
聞こえてきた彼の声に、俺は軽く手を上げて答える。…何度見てもそうだ。彼の姿を目に映した途端に、愛しさが溢れ出す。彼を抱きしめると、愛しさは更に強くなる。

…そうだな、彼といる時は、いつか必ず来る別れのときのことなど、考えないようにしよう。

後で泣く馬鹿は、俺だけでいい。






あれ、お題はどこいった…?

別れなければならない運命の二人です。きっと、レオが帰ってしまっても、闇レオの想いは消えないでしょう。

…前にも同じようなことを言った気がしますが、今日はこの辺で。

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タートルズSS 「カウントダウン」 (闇レオ×レオ) 

午後、23時50分。
俺は腕時計を何度もちらちらと見ながら、待ち合わせの場所まで走っていた。
レオナルドと一緒に、新年を迎えたい。その一念で、冬休みに入る前の日に、俺はなけなしの勇気を振り絞って、彼を誘ってみた。OKはあっけなくもらえた。あんなに気負っていたのが、嘘みたいに。
当日まで、何を着て行こうか迷いまくった挙句、俺は約束の時間に遅れそうになっていた。きっと彼は、もう待ち合わせ場所に来ている。俺から誘った手前、遅刻は絶対に避けたい…!
駅前は、俺たちと同じように、間近に迫った新年を迎えようとする人たちで賑わっていた。その人ごみを縫って、俺は全力疾走を続ける。
やがて、待ち合わせ場所にした、駅前の大きな時計塔が見えてきた。あそこに、彼が…!
さらに走るペースを上げる。時計は55分を指している。何とか、間に合ったか。そう思ったのもつかの間、
「……あれ…?」
レオナルドの姿が見えない。おかしい、ここで待ち合わせのはずだったのに…。足を止めて、荒い息をつきながら、辺りを見回す。すると、
「ダークレオナルド!」
ぽん、と後ろから背中を叩かれ、俺は勢い良く振り向く。笑顔のレオナルドがそこにいた。
「俺がいないんで、驚いたのか?」
「…、あぁ、驚いた…。もしかしたら、帰ってしまったのかと…。」
息が整わないまま喋ったので、俺の言葉は途切れ途切れになる。レオナルドは、そんな俺の心配を笑って吹き飛ばしてくれた。
「せっかく、お前のほうから誘ってくれたのに、帰るわけないだろう?」
そして、レオナルドはこの上なく眩しい笑顔を俺に向けてくれる。胸が、きゅうっ、と締め付けられた。
(あぁ…、やっぱり、俺はお前が好きだ…!)
「あれ?」
俺が自分の考えに沈んでいると、彼は何かを見つけたのか、声をあげる。
「ダークレオナルド、手袋していないのか?」
「…え?」
言われて俺は、改めて自分の手を見てみる。12月の冷気が、徐々に染み込んでくる。そうだ、確か、出かけるぎりぎりまで準備に追われてて、出てくるときに手袋をするのを、すっかり忘れていた…。
「手袋、忘れたのか?」
「…あぁ。出掛けにばたばたしててな…。」
俺が気恥ずかしげに答えると、レオナルドは冷えた俺の手を自分の手で包み、はあっと息を吐きかけてくれた。
「っ…!」
レオナルドは、何度も何度も俺の手に息を吐きかけ、擦ってくれる。ありがたいんだが…。手ではなく、顔が熱くなってしまう。静まれ心臓…!
「っと、そろそろだな。」
レオナルドは俺の手を擦るのを止めないまま、時計塔を見上げ、呟く。見ると、時計の針は59分の場所にある。駅前に集まった人たちが、自然にカウントダウンを始めていた。
「…20! 19! 18…」
俺も、レオナルドと視線を合わせ、そのカウントダウンの波に参加する。暗い夜空に、白い吐息が溶けていった。
「…5! 4! 3! 2! 1! 0!!」
カウントダウンが終わると同時に、歓声が上がる。子どものようにはしゃぐレオナルドを、俺はぎゅっと抱き寄せた。
「…えっ、ダーク、レオナルド…?」
「…明けまして、おめでとう、レオナルド…。どうか、これからも、よろしく…!」
心臓をばくばく言わせながら、俺はようやっとそれだけ呟く。胸の辺りにあるレオナルドの顔から、ふふっと含み笑いが漏れた。
「…あぁ。これからも、よろしくな…。」
レオナルドはそう言い、俺の背中に手を回して、ぎゅっと抱きしめてくれる。胸に広がる想いに、俺は彼を抱く腕に、さらに力を込めた。


これからもずっと、俺の腕の中に、彼がいますように。

願うのは、それだけだ。







本年中は、大変お世話になりました。来年もどうぞ、よろしくお願いいたします!

全ての! 亀様方に! 幸あれ!!(*´∀`)

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タートルズSS 「切望のフリージア」 (ダークレオ×レオナルド) 

届かないと分かっているのに、憧れが抑えきれない。


ミケランジェロが、腹が減ったとうるさいので、俺は一人、街に買い物に出た。
何を買うかとしばし迷い、結局、いつものジェイの店のホットドッグに決めた。あれなら、兄弟たちは絶対に文句を言わない。
紙袋の中に、ホットドッグをたっぷりと詰め込み、ジュースが四本入った袋を提げ、俺はふっと息をついた。これだけあれば、恐らく大丈夫だろう。そう思って、俺は歩き出す。しかし、
「な、何するんですか…!?」
すぐ側の路地から聞こえてきた、怯えたような女性の声が、俺の足を止めさせる。覗いてみると、買い物袋を抱えた女性が、二人の変な奴らに追い詰められていた。
「ちょっと、俺たちと遊んでくれねーか?」
「ひっ…!」
下卑た笑みを浮かべながら、奴らは女性の顔に手を伸ばす。それを、精いっぱい体を引きながら。女性は避けようとする。しかし、後ろは壁。逃げ場がない。
「……。」
一瞬、無視して通り過ぎようとも思った。しかし、脳裏にあいつの姿が浮かび、俺は頭を押さえる。…彼だったら、こんな時はきっと、女性を助ける…!
俺はすぐに覚悟を決め、持っていた荷物を足元に置き、路地へと入っていく。
「…いい加減にしろ。嫌がってるだろ。」
「何だコイ…、ツ…。」
俺の横やりに、奴らは怒ってこちらを見たが、俺は十二分にイラつきを込めて、奴らを思い切り睨みつける。
それに気圧されたか、やがて奴らは体を小さくし、こそこそと逃げていった。
「はぁ…。」
何とか奴らを追い払い、俺はため息をつく。あいつらもあいつらだが、わざわざ助けに入ってしまう俺も俺だ。
「…気をつけろよ。」
女性に素っ気なく声を掛けておき、俺は元来た路地を戻ろうとする。しかし、
「ま、待って!」
当の女性に呼び止められ、俺は仕方なしに振り向く。ようやく緊張の解けた女性は、自分の持っていた袋から、小さな花束を取り出した。
「助けてくれてありがとう。これは、そのお礼よ。」
俺の手に無理やりその黄色い花束を握らせ、女性は歩き去っていく。残された俺は、手の中の花束に視線を落とし、まず匂いを嗅いでみた。甘い香りが鼻腔に届く。
(花、か…。)
そんな柄ではない。しかし、彼女のお礼の気持ちを、捨ててしまうのも申し訳ない。迷った挙句、俺はその花束を持ち帰ることにした。


棲家に戻った俺は、まず、この花のことを端末で検索してみた。今、その花束は、ここに唯一ある、縁の欠けたコップに入れられ、俺の隣に置いてあった。
画像検索すると、すぐにヒットした。この花の名は…。
「…フリージア、か…。」
そう呟いて、俺は小さな黄色い花に目をやる。…何故だ。この花を見ていると、胸が騒ぐ…!
花言葉は多数あるようだが、特に俺の目に止まったのは「憧れ」の一言。
「……。」
あこがれ。頭の中でその言葉を繰り返すと、途端に胸が苦しくなる。この胸を騒がせるものの正体を、俺はようやく悟っていた。この茎の色、しなやかな姿。それが、否応なく、あいつを思い起こさせる…!
「っ…!」
端末の電源を切り、俺は頭を抱える。憧れ…、…そうだな。もしこの俺が、心を惹かれ、何かを強く望むとするなら、それはあいつしかいない。
(レオナルド…!)
望むものの名を、心の中で呼び、抑えきれぬ苦しさに歯を食いしばる。…お前に、逢いたい。例え、この手が届かないとしても…!

暗い部屋の中、コップに入れられた花だけが、明るかった。







あおきです。どうも。

これも、突発的に思いついた闇レオレオです。
闇レオレオと言っておきながら、レオの出番は0です(・∀・)

「今日は何を書こうかなー」→切望のフリージアが頭を流れる→「切望か…。ガイズの中で、一番『切望」って単語が似合うのは…、闇レオじゃね?」→ぴきゃ(*゚∀゚)

単純で申し訳ない。

フリージアは、かなり好きな花です。いい匂いだし(*´∀`)沈丁花、金木犀、スイートピー、そしてフリージア。好きな花4つ上げろって言われたら、まずこれが上がりますね。あとはトルコ桔梗も好き。

これで、フリージアの花言葉が「切望」だったら、もう完璧だったんだけど…。

あ、D/a/i/s/y/S/t/r/i/p/p/e/r/さんとは、何の関係もございませんのでね(・∀・)


では、今日はこの辺で。

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タートルズSS 「いつか」 (闇レオ×レオ、捧げ物) 

(註:学園パロ注意)




駅に近づくにつれて、電車の走るスピードが落ちていく。
いつもの車両、いつもの位置に立ちながら、俺は次の駅に着くのを心待ちにしていた。
ドアが開けば、そこに、彼がいるから。
やがて、電車が駅に到着し、ホームで待っていた人々が乗り込んでくる。俺はその中に、彼の顔を見つけ、軽く手を上げた。
「あ…。」
彼も俺に気づき、近寄ってくる。いつも通りの、爽やかな笑顔。
「やっぱり乗ってたな。」
笑顔でそうこぼす彼に、俺は胸に広がる温かさを噛み締めながら、「お疲れ。」と、小さく口にした。


彼の名は、レオナルド。図らずも、俺と同じ名前を持つ人物だ。
親しくなったのは、数ヶ月前。彼が落とした財布を、俺が拾って届けたのがきっかけだ。
…実は、こうやって親しくなるずっと前から、俺はレオナルドのことを見ていた。
きっちりと身に着けたブレザーからのぞく、明るいライトグリーンの肌。やたらと目を引くので、満員電車の中でもすぐに分かる。
身長こそ、俺の胸の辺りまでしかないが、その存在は、俺の中で日ごとに大きくなっていった。

…その感情が「恋」だと気づいたのは、ごく最近だった。

毎日、朝と夕方、乗り合わせる車両が一緒だと、必然的に顔を合わす回数も増える。親しくなれば、話もする。
気づいたときには、その時間が、一日の中での、俺の一番の楽しみになっていた。
彼と逢えるだけで嬉しい、言葉を交わすだけで心が温かくなる。そして、彼が先に電車を降りると、…途端に胸が苦しくなる。
その時に、はっきりと分かった。俺は、レオナルドを愛しく想っている。もっと、彼と一緒にいたい、と。
俺とレオナルドが一緒に電車に乗っている区間は、たった6駅ほどしかない。それでも、俺にとっては貴重な時間だった。
…想う相手と、一緒にいられるのだから。


「今日は体育があってな。グラウンド15周は、さすがに疲れるよ…。」
彼はため息をついて、首をこきこきと鳴らす。その仕草を、俺は笑みを浮かべながら見ていた。
「…俺のほうは、明日体育があるな。確か…、野球か何かをやるようだった。」
「へぇ、だったら、そっちの方がいいな。」
電車が走っている間中、俺とレオナルドは、今日一日にあった出来事を話題として、話し続けていた。
「俺は、球技ならバスケットボールがいいな。得意だ。」
「…そうだな。ダークレオナルドの身長なら、ゴールまで楽々手が届きそうだ。」
「やっぱりそう思うか?」
確かに、俺はこの長身を生かして、バスケットボールやバレーボールを得意としている。
彼の言うとおり、ゴールまでは何の苦もなく手が届くが、…今、目の前にいるお前には、手が届かない。
「俺は…。」
そう口を開いた途端、大きく電車が揺れる。
「おっ、と…!」
目の前に立っていたレオナルドがよろける。咄嗟に手を伸ばすと、彼は俺の胸に、文字通り飛び込んできた。
「あ……。」
間近で感じる彼の体温に、体が熱くなる。琥珀色の瞳に見つめられ、息すらも出来ない。
「……。」
口の中の唾を飲み込み、ぐっと下唇を噛む。言おう、言おう。この胸に溢れる感情を、今日こそ…!

電車が、ゆっくりとホームに止まった。
「……。」
車内アナウンスが、彼の降りる駅に到着したことを告げる。俺は慌ててレオナルドから手を離し、視線を逸らした。
「…じゃあ、俺は、ここで。」
「あぁ…。」
彼の声を聞きながら、ホームに降りる気配を感じながら、それでも顔が上げられない。すると、
「ダークレオナルド!」
明るい声で呼ばれて、俺は弾かれたように顔を上げる。こぼれんばかりの笑顔のレオナルドが、そこにいた。
「さっきは庇ってくれてありがとう。また明日な!」
「…あぁ、また明日。」
俺が手を振ると、レオナルドも振り返してくれる。「また明日」の一言が、こんなにも愛しいとは。
そして、彼の後姿を見送る俺の目の前で、電車のドアが閉まる。…俺の気持ちを、知らぬまま。
軽く上げたままで動きを止めた手を、俺は目の前のドアにそっと触れさせた。


また、今日も言えなかった。「好きだ」の、たった3文字が。
元より、彼は俺がこんな思いを抱いているのを知らない。だから、告白などしなければ、このまま友人として付き合っていけるはずだった。
しかし、彼の心が、想いが、どこに向いているのかも知らないままでは、あまりにもきつ過ぎる…。
ため息が、窓ガラスを曇らせる。それを無造作に手で拭いながら、俺は電車の外を流れる街並みに目をやった。


いつか、この想いが、彼に伝わる日が来るのだろうか。

何の憂いもなく、彼をこの手に抱きしめられる日が。

いつか。







片思いは萌えるでござる!


あおきです。どうも。
ツイッターの方で、「RTしてくださったら、フォロワーさんの好きカプを書きます」というお題に、たくさんのRTをいただきました。
その第1弾として、闇レオレオをアップします。

何故か学園物。
いいじゃん、萌えるじゃん。

ではここで、ちょっとした設定をば。

闇レオとレオは、二人とも高校生。電車通学の最中に知り合う。通っている学校は別。
レオはブレザー、闇レオは…、私服通学って感じだろうか。
同じ電車に乗っている区間が6駅ほどなので、その間であれば話が出来る。
で、完全なる闇レオの片思い。

やっぱ闇レオレオは切なくないとね!(^ω^三^ω^)


このSSは、リクエストしてくださった椋都さんのみ、お持ち帰り可です。ありがとうございました!



実は、レオと同じ学校、同じクラスに、ラフもいるんだけど、それはまた別のお話。


では、今日はこの辺で。

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