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タートルズSS 「チーズがこんなに伸びるなんて」 (フィンセント×レオナルド) 

キッチンの方から、良い匂いが漂ってきている。
良い匂いが出ているのは、オーブン。その前にマイキーが陣取り、中に入っているものを楽しそうに見つめている。やがて、
「焼けたっ!」
焼き上がりの音とほぼ同時に、マイキーがオーブンの扉を開ける。漂っていた良い匂いが、さらに強くなった。
いそいそと、マイキーはオーブンの中の物を取り出し、舌なめずりをする。今にもそれを食べそうな勢いだ。慌ててレオがマイキーを制する。
「マイキー、まだ食べてはダメだ。フィンセントに一番最初に食べさせてあげるんだろう?」
「そうだった!」
注意されたマイキーはおどけたように舌を出し、持っていたそれを恭しく俺の前に置く。テーブルについた俺は、それに顔を近づけ、まじまじと見つめた。
丸く平べったいい生地の上に、赤いソースが塗られている。その上に、たっぷりのチーズと、生のバジル。オーブンの熱を受け、チーズは全てとろけていた。
「これが…。」
ぽつりと漏らした僕の呟きを受け、マイキーが誇らしげに胸を張る。
「そう! オイラたちの大好物、ピザだよ! さ、食べて食べて!」
感心したように息を吐く。こんな食べ物、初めて見た。ジャングルではいつも、缶詰とか、何となく味気の無いものしか食べていなかったから。
でも、目の前にあるこれは、ほかほかと湯気を立てていて、とても美味しそうだ。僕はマイキーの顔を見て、こくりと頷く。
「…うん、いただきます。」
八等分に切れ目が入れられている、その中の一切れを摘んでみた。と、上に乗っていたチーズがとろけて、思いっきり糸を引いた。
「わ、わわ…!」
慌てていると、レオがフォークを持ってきて、とろけて落ちてしまったチーズを、僕が持っているピザの上に乗せてくれる。
「ありがと、レオ。」
俺がお礼を言うと、レオは笑ってくれる。つられて笑顔になりながら、俺は意を決して、手の中のピザを一口齧る。

「!!」

目を、見開いた。

こんな、こんなに美味しい食べ物が、この世界にあったなんて!

「…フィンセント? どうしたんだ?」
軽く放心状態になっていた俺を、レオの声が現実に引き戻してくれる。ぶるぶると頭を振り、俺は最大級の賛辞を投げた。
「すっっごく美味しい! こんな食べ物があったんだね!」
「でしょー!? じゃ、オイラも食ーべよっ!」
マイキーが待ちかねたように、ピザに手を伸ばす。みんなの手が一切れずつピザを取っていく。俺は手の中に残ったピザを急いで食べて飲み込んで、二切れ目を取った。早くしないとなくなっちゃう!
「…フィンセント、ピザならまだあるから、そんなに急がなくてもいいぞ。」
「…あ、ほんほ?」
ピザを食べながら返事をしたから、ヘンな声になっちゃった…。照れる俺に、レオが軽く説明をしてくれる。
「今食べたのは、ピザの中でもオーソドックスな、マルゲリータというものだ。他にも、ツナ缶や、コーン、シーフードなんかを乗せても美味しいんだ。他にも、生クリームやフルーツを乗せた、デザートのようなピザもある。」
「へぇ…。」
話しているうちに、二枚目が焼き上がる。さっきのとは違うものだった。トマトソースとチーズは同じだけど、今度は上に薄切りのサラミソーセージが乗っていた。
この他にも。トッピングは自分で自由に選べるらしい。そうと聞けば、俺の次の質問は、当然こうなる。
「レオは、どんなトッピングが好きなの?」
「…俺、か? そうだな…。」
レオの答えを待つ間に、俺は新しく来たピザを一切れキープしておく。
「やっぱり、ツナとか、ベーコンとか、モッツァレラチーズが乗っているものが好きかな。」
ふんふん、ツナ、ベーコン、モッツァレラチーズ。よし、覚えたっ。
「じゃあ、今度作るね。…レオのために。」
にっこり笑うと、レオの頬がほんのり赤く染まる。レオってやっぱり、こういうストレートな言い方に弱いんだよね…。
「楽しみにしててね。って、あれ…?」
手の中のピザに視線を落とした俺は、自分の目を疑う。三角形のピザの先端、つまり、チーズが一番たくさん集まっていて美味しい場所が、そっくり齧られてなくなっていた。視線を転じると、俺の隣で、ラファエロがもぐもぐと口を動かしている。まさか…!
「…ラファエロ、俺のピザ、食べた…?」
恐る恐る聞いてみると、彼は不機嫌そうな顔を隠そうともせず、
「メシ食ってる時にくっちゃべってるからだ。」
「ひっど!」
吐き捨てられて、俺は憮然とする。ただ喋ってたのが原因じゃない。きっとラファエロは、俺がレオと仲良くしてるのが気に食わなかったんだ…!
やられっぱなしでいるつもりはない。俺は声を落とし、隣のラファエロにだけ聞こえるような音量で、ぼそりと呟いた。
「…そういう言動してると、レオにキラわれちゃうからね。」
「なっ…!?」
ちょっとからかっただけだというのに、ラファエロは言葉に詰まって顔を真っ赤にする。そんな俺たちを、レオが微笑ましそうに見つめていた。






あおきです。どうも。

ニック亀の、ガイズの初ピザ動画に触発され、「そういえば、わたしまだフィンセントにピザ食べさせてないや」と思い立って、突発的に書きました。やー、久々ですフィンレオ。

きっちり、フィン→レオ←ラフの三角関係を入れ込みましたよ(*´∀`)ドニー空気。ごめんドニー。

でも、ピザって結構お腹に溜まりますよね…。よくあれだけ食べられるな、マイキー…。


では、今日はこの辺で。
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タートルズSS 「赤い瞳に映る陽は」 (フィンセント×レオナルド) 

行き交う人並みを、ぼんやりと眺めている。
ニューヨークでの暮らしにも、大分慣れてきている。だけど、俺はあまり人ごみが好きじゃなかった。
俺の頭の中にはまだ、初めてニューヨークに降り立ったときの事がこびりついている。奇異の眼差しで見られ、大騒ぎになり…。ケイシーとエイプリルに助けてもらっていなかったら、どうなっていただろう。もう、あんな思いは二度とごめんだ。
(でも…。)
今、俺の前を行き交う人々は、時おり俺に目を向けることはあっても、大仰に騒いだりすることはない。変装のおかげもあるだろうけど、それは俺がこの街に慣れてきたからだ、と思いたい。
(レオ、遅いなぁ…。)
今俺は、買い物をしているレオを、建物の前で待っていた。そろそろ出てきてもいいと思うんだけど…。
手持ち無沙汰な俺は、何ともなしに空を見上げてみる。日が暮れ始めていた。地平線に近づく太陽が、街を赤く照らし出していた。
ふと、ジャングルにいたときの事を思い出してしまう。日没は何度も見たけど、それは大抵鬱蒼とした木々の間に消えていくもので、今みたいに、いつまでも世界を明るく照らしてくれるものではなかった。
それに、夜は危険な動物たちも森の中をうろつき始める。ジャングルの日没は、ひどく危険なものなのだ。
それが今はどうだ。日が落ちても、何も怖いことはない。むしろ、みんなは夜になるのを待ち遠しく思っている。夜の闇に紛れ、自由に屋根の上を飛び回ることが出来る。ニューヨークに来てからというもの、俺にとって夜は、少しも怖いものではなくなっていた。
そんなことを考えているうちに、俺の胸はいっぱいになってしまった。みんなと過ごす平和な日々が、噛み締める幸せが胸に溢れて、収まりきらなかった分が涙になって出てきているみたいだ…。
俺は慌てて、手で目の辺りを拭う。でも、涙は止まってくれない。前を通る人も、怪訝な顔つきでこっちを見ている。さらにタイミングの悪いことに、
「…ど、どうしたんだフィンセント!」
レオが戻ってきてしまった。俺がぽろぽろ涙をこぼしているのを見て、レオは俺の肩を優しく抱き、人目につかない路地裏へと連れて行ってくれる。
「何で泣いていたんだ? 誰かに何か言われたか?」
「…そうじゃないんだ。ちゃんと話すよ…。」
心配そうな表情のレオに、僕はありのままを話す。ジャングルにいたときのことを思い出したのと、以前は危険だった日没を、キレイだな、と思えるようになったこと。
「当然のことだけど、ニューヨークはジャングルとは全く違う。どこもかしこも人間だらけで、野生の動物なんかはほとんどいないと言っていい。緑だって、公園とか、街路樹とか、家の窓に付けられたプランターだとか…、全てが人工の物だ。」
「…そうだな。」
俺は後ろの壁にもたれ掛かって、また空を見上げる。さっきよりも少し狭くなった空は、端の方にわずかに赤みを残していた。
「人も多いし、ごみごみしてるし、犯罪も多い。それでも俺は、みんなと暮らすこの街が好きだよ。」
「フィンセント…。」
俺の名を呟くレオに、俺はにっこりと笑いかけ、
「…二人っきりだよ、レオ。」
と囁く。それだけで、レオは俺が何を言いたいかを察してくれる。彼はふわりと表情を和らげ、改めて俺の名を口にする。
「…フィン。」
愛称で呼んでくれたことに喜びを覚えて、俺はレオに擦り寄っていく。
「でもね、俺が一番好きなのは…、君だよ、レオ。」
そっと唇を押し付ける。いきなりのキスを、レオは優しく受け止めて、俺の腕の中にすっぽりと収まった。
「…もう一回、いい?」
答える隙を与えず、俺はもう一度レオを唇を重ねる。先ほど胸に溢れた幸せを、レオの体と一緒に抱きしめながら。







高糖度注意

あおきです。どうも。久々のフィンレオです。

つまり何が言いたいかっていうと、フィンは、ニューヨークでガイズと一緒に暮らし始めて、本当に幸せになれた。それを、フィンが改めて噛み締める、といった話です。

しかし、やっぱりうちのフィンはピュアですね…。ヤンデレな一面が全くない。多分フィルターか何かで濾されているんだと思います。はい。

では、今日はこの辺で。

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タートルズSS 「いいひと」 (フィン×レオ、ultra PHANTOM番外編) 

鮮烈な、出会いだった。
(うわっ、うわ…!)
目の前で、今まで一緒に行動していたゲリラたちが、次々とやられていく。にも関わらず、俺は目の前で踊るように戦う彼を、じっと見つめていた。
頭から被ったベージュの布、ちらりと見える琥珀色の瞳と、青いバンダナ、篝火に照らされて夜に映える、明るいライトグリーンの肌。そこにいたのは、「ジャングルの幽霊」と呼ばれた、俺とよく似た姿を持つ存在だった。
口を半開きにしたまま、彼を見つめる。反撃しよう、なんて考えすら起きなかった。彼の姿に見とれてしまう。瞬く間に心が奪われる。こんな体験は、生まれて初めてだった。
やがて、ゲリラたちを全て地に伏せた彼は、ただ一人、そこに立ちすくんでいた俺と対峙する。少しの距離を置いて眺める彼の姿は、炎を浴びて、とても美しかった。しかし、
「あっ…。」
彼は、俺を見て、一瞬だけ驚いたような表情を浮かべた後、そのまま踵を返してジャングルに消えていってしまった。まだ名前も聞いていないのに…。

そんな、強烈すぎる出会いをしたんだ。「彼の後を追う」という決断をしたのは、至極当然のことといえるだろう。


俺は夜が明ける前に、ゲリラたちの溜まり場を後にした。少ない荷物を纏め、彼らの貯め込んでいたものから、当面の食料と現金をこっそり持ち出して。
そのまま、手ごろな茂みに身を隠し、朝になるのを待ってから、俺は行動を開始した。
(確か、こっちの方角だったよな…。)
彼が姿を消した方角へ、歩を進める。ジャマになりそうな枝をナイフで打ち払い、俺は当てもなく、ジャングルを歩き続けた。
「暑いなー…。」
昼間は湿度が高くて汗をかくけど、夜は逆に震えるほど冷え込む。ゲリラの服をそのまま着てきてしまったけど、それが逆に良かったのかもしれない。
「はぁ…。」
しかし、昼間の暑さは如何ともしがたい。頬を流れる汗を拭うと、突然目の前に水の流れが現れた。しめたとばかりに顔を洗い、喉を潤す。
「…はー、生き返った、って感じ。」
タオルで顔を拭って、一息つく。すると、俺の耳に、自分が立てたものではない水音が聞こえた。方向は、俺の左、この小川の上流。ゲリラたちの残りとは考えにくい。じゃあ、一体、誰がいるんだ…!?
微かな期待感を胸に秘めて、俺は小川に沿って歩く。すると、目の前に現れたのは、ちょっとした滝。そこだけ岩で壁が出来ていて、その上から水が降り注いでいる。滝の周りには広めの水場が出来ていて、俺が見つけた小川はそこを水源としているようだ。
こんな場所があったのか。背中の荷物を降ろし、俺は大きく伸びをする。と、突然響いた大きな水音に、俺は慌てて近くの木の陰に身を隠した。
「ぷはっ…!」
今まで水の中に潜っていた誰かが、水中から顔を出したようだ。恐る恐る顔をのぞかせた俺は、思わず大きな声を出してしまいそうになり、とっさに口を両手で押さえた。
(昨夜の彼だ…!!)
そこで水浴びをしていたのは、まさしく昨夜、俺がいたゲリラ基地を壊滅させた、「ジャングルの幽霊」本人。ここにいたのか…! やっと出会えた…!
じっと見ているうちに、彼は水から上がる。どうやって声を掛けようか迷っていると、鋭い声が俺に向かって飛んできた。
「…そこにいるのは誰だ。」
「っ…!」
警戒心から出たであろう冷たい声に、体が強張る。
「今から五つ数える間に、姿を現せ。一、二…。」
まずい。俺は覚悟を決めて、隠れていた木の陰から離れる。両の手を顔の前まで上げながら、俺は彼に向き直った。
「……?」
俺の姿を見て、彼の顔に宿っていた敵意みたいなものが霧散し、今度は疑問の表情になる。
「君は…、誰だ?」
問いかける彼に、俺はぎこちなく笑みを向けながら、そっと口を開いた。
「…初めまして。俺は…、フィンセント。昨日、君が襲撃をかけたゲリラ隊にいたんだけど、…覚えてないかな?」
「!」
ゲリラ、と名乗ったとたんに、彼の目に敵意が宿る。彼は有無を言わず、両手を上げたままの俺に、長い刃物のような物を突きつける。これ、刀…?
「…ゲリラの残党が、俺に何の用だ。復讐か?」
「ちっ、違うよ…。俺は君に、復讐するつもりなんてないって…!」
刀の鋭さに、俺は腰を引く。するとその分だけ、彼が距離を詰めてくる。その目から、まだ敵意は消えていない。
「何なら、身体検査をしてくれてもいいよ。護身用のナイフ以外に、刃物は持ってきていないから…! だから、お願い、これ…、降ろして…!」
「……。」
必死、とも言える俺の言葉に、ようやく彼は刀を降ろしてくれる。
「よ、良かった…。」
ほっとした俺は、その場にへたり込んでしまう。彼は刀を納め、済まなそうな表情になる。向けられる敵意が消えた瞬間だった。
「…済まなかった。驚かせたりして…。」
「いや、いいよ。俺だって、結果的に君を驚かせちゃったわけだし…。」
苦笑いをすると、彼の手が俺に向かって差し出される。ありがたくその手を取り、俺は立ち上がった。
(あ、ちょっと俺より背が小さい…。)
こうして近くで並んでみると、俺の方が彼より少しだけ背が高いのが分かる。水に濡れたままのライトグリーンの肌は、日の光を浴びて、きらきらと光っていた。
「やっぱり、キレイだな…。」
「え?」
ぽつりとこぼした一言に、彼が反応する。慌てて笑ってごまかしたけど、…さっきから、心臓がすごい速さでばくばくいってる。これはさすがに、ごまかせなかった。


彼が身支度を整えるのを待ってから、俺たちは改めて話をした。手近な倒木の上に腰を降ろした俺に、彼は真っ赤なりんごを放ってよこす。
「食べていいの?」
「あぁ。」
「…ありがとう。」
俺はナイフを取り出し、丁寧に皮をむいて、一口かじる。甘い果汁が喉を潤した。
「美味しい!」
「…そうか、良かった。」
俺の隣で微笑む彼は、きっちりと青いバンダナを締め、さっきの刀を背中に背負っている。そして、彼も同じようにりんごをむいて、食べ始めた。
「俺は、レオナルド。よろしく。」
「…レオナルド、っていうんだ。あいつらは、『ジャングルの幽霊』って呼んでたけど…。」
「あぁ…、それは、ゲリラたちと、この付近の村の人たちが呼んでいたあだ名みたいなものだ。」
「なるほどー…。」
りんごを食べ終え、話はいよいよ本題に入る。ちゃんと、伝えないと…! ここまで来た意味がなくなっちゃう!
「で、フィンセントは、どうして俺を探していたんだ?」
「…う、うん…。」
問われて、俺は黙り込む。ここは…、やっぱり、正攻法で行くか!
「…れ、レオナルド!」
「…ん?」
緊張で、顔が赤くなる。目をぎゅっとつぶりながら、俺は一思いに彼への思いを吐き出した。

「…ひっ、一目惚れしました! 俺と付き合ってくださいっ!!」

「なっ…!?」
レオナルドの、戸惑った声が聞こえた。当たり前だよね、初めて会った相手から、いきなりこんな告白。誰だってびっくりするよ…。
しかし、さらに俺をびっくりさせる出来事が起こった。レオナルドは、俺の告白を、すんなりと受け入れてくれたんだ。
「…お、俺で、いいのか…?」
「いっ、いいも、何も、…もう、…大好き、だから…!」
お互いに照れてしまって、顔が見られない。膝の上で固く結んだ手に、何かが触れる。視線を走らせると、それは他ならぬレオナルドの手。
(あっ…。)
彼の手は、俺の拳を優しく包む。触れ合った場所の体温が、急激に上がる。
「…ありがとう。俺で良かったら、…よろしく頼む。」
「えっ…、…レオナルド、本当にいいの?」
自分から告白しておきながら、半信半疑な俺。目に飛び込んできた彼の笑みは、俺の疑問を解かすには十分すぎた。
「…いい奴だと、思ったからな。」
…そ、そんな単純な理由で、俺の告白を受け入れてくれたの…? でも、彼の笑みには邪気が全くない。ほんとに、いいの…!?
「…あ、ありがと、レオナルド…!」
まさか、こんなにあっさり受け入れてもらえるとは思わなかった。彼の手を握り返すと、レオも俺の手をぎゅっと握ってくれる。その温かさが、とても嬉しかった。


今日彼と会えたのは、幸運、としか言いようがない。何故なら彼は、明日にもこのジャングルを離れ、家族の待つニューヨークへ帰ろうとしていたところだったから。
レオナルドの話によると、ニューヨークで彼を待つ家族は、俺やレオナルドと似たような姿の弟たち三人と、みんなの父親であるネズミの、合わせて四人。
「わぁ…!」
会いたい。俺と同じような姿の、仲間たちに。
「ねぇレオナルド、俺も付いていっていい!?」
「…勿論だ。」
「いいの!? ありがとう!」
快諾を貰って、俺はレオナルドに抱きつく。今まで親しんできたジャングルを離れることになるけど、これからはニューヨークで、レオナルドと、その家族と、新しい生活が始まるんだ!
「フィンセント…。」
抱きついた俺を引き剥がすことなく、レオナルドは俺の背中に腕を回し、優しく撫でてくれる。速いテンポを刻む心臓が、思いの強さを教えてくれる。

大好きだよ! 俺だけの、ultra PHANTOM!





以下、ちょっとしたおまけ

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タートルズSS 「上からフィンセント」 (フィンセント×レオナルド」 

(註:フィンセントは、亀サイト「lantern」様のオリジナルキャラクターです。あらかじめ、ご了承くださいませ。)



俺の前を、弾んだ足取りでフィンセントが歩く。わざわざ俺とお揃いの衣服を着込み、両腕を大きく広げて、楽しそうに。
「フィン、あまりはしゃいで歩いてると、転ぶぞ?」
「だって! レオと二人っきりっていうのが、すっごく嬉しくってさ! ね、これってデートだよね!」
「えっ…!?」
あまりにストレートな彼のセリフに、俺は呆然としてしまう。…確かに、二人きりで出掛けているこの状況、デートと言えばそうなのだが…。
「…フィン、俺たちは普通に買い物に来ただけだぞ?」
「えー、俺はデートだと思いたいな。…ダメ?」
少し困ったように俺を見つめる、フィンセントの赤い瞳。ダメだな、俺はこの目に弱いんだ…。
「う…、わ、分かった。」
「やった!」
俺の隣で、フィンセントが歓声を上げる。無邪気、と言えば聞こえはいいが、時々彼は、無意識に俺を振り回す。しかし、それを迷惑だと思ったことは一度もない。やっぱり…。
「…好きになっちゃった、からかな…。」
「へ? 何か言った?」
また俺の前に出たフィンセントが振り向き、俺に声を掛ける。今の言葉を聞かれたかと思い、俺は慌ててごまかした。
「いや、何でもない。」
「…ふーん。」
納得してくれたのか、フィンセントはまた前を向いて歩き始める。危なかった…! さすがに俺は彼のように、ストレートな物言いをする勇気はない。
「! そうだ!」
ふと、フィンセントが何かを思いついたらしく、くるりと振り返る。そして、とんでもない事を言い出した。
「ねぇレオ、せっかくのデートなんだからさ、キスしてよ。今ここで。」
「なっ…!?」
今度こそ、俺は硬直して、その場に立ち竦む。フィンセントが、俺との体の距離を詰めてくる。自分より少し背の高い彼に、至近距離で見下ろされ、一歩も動けなくなってしまう。
「早く。」
屈託のない笑顔で、フィンセントはキスをせがむ。ここが大勢の人が行き交う、ニューヨークの往来なのにも関わらず。そしていつの間にか、彼の腕が俺の背に回されている。恐らく、キスをしなければ、彼はこの手を離してくれないだろう。…仕方ない!
俺は覚悟を決め、フィンセントの頬を両手で包み込んで引き寄せ、そっと唇を塞いだ。
「……!」
自分の体が、震えているのが分かる。こんな、人目のある場所で、こんな事…!
数秒、唇を重ね合わせた後、俺はそっとフィンセントから体を離す。真っ赤になった顔を見られたくなくて、俯く。すると、小さな含み笑いが頭上から降ってきた。
「…ごちそうさま。冗談のつもりで言ってみたんだけど、まさか本当にしてくれるなんて思わなかったよ。」
自分の唇をぺろりと舐めて、フィンセントは笑う。一方、俺の頭はようやく、先ほど言われたことを理解した。冗談…。
「…冗談だったのか!?」
思わず声を荒げる俺に、フィンセントは悪びれた様子もなく、
「うん。まさかこんなとこで、ねぇ?」
あはは、と、心底おかしそうに笑うフィンセント。そして彼は、俺の耳元に口を寄せ、とどめの一言を言い放った。
「真っ赤になったレオも、可愛いよ。」
「…フィンセント!」
さすがに堪りかねて、俺は彼を捕まえようと手を伸ばす。しかし、彼は俺に捕まらないように、上手く逃げる。自然に始まる追いかけっこ。すっかりフィンセントのペースに嵌っていることに、俺はまだ気づいていなかった。






サディスティックなやつです。

あおきです。どうも。妙なタイトルで申し訳ない。

元ネタは…、まぁ、言うまでもなく。フィンレオ変換しちゃったてへぺろ☆


最後に。

>bn様

申し訳ありませんでした。


では、今日はこの辺で。

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タートルズSS 「ultra PHANTOM act.5」 (フィンセント×レオナルド、裏) 

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